悪貨は良貨を駆逐する

実を言うと、今年の4月末でそういう日記を書いていたんですけれど、mixi内だけにとどめて公開しませんでした。
ここまで悪い事になるとは思いませんでした。違いますね、なるとは思っていましたけど、その前にさすがに自浄が働くと思っていました。人間弱いものですね、どうしても人間というものを過剰に評価してしまう。
これだけ恥をさらすようなブログを書いてきたのですから、いまさら人から後ろ指指されようが笑わるなんてたいした事無いんですから、気にせずに書いておくべきした、プロ野球ファンの1人として。

どこかで、「このイベントを開催しない事で何人ファンが減っても構わない」のでイベントをやめてくださいという趣旨の発言をフロントがしていたと聞き及んで、浮かんだのがタイトルの言葉です。
それを聞いて確信したんです、あぁ現実が正しく見えているのはこちらだと、水は低いところから高いところへは流れないことを知っているのは彼らだと。
彼らが何を懸念し、何をリスクをとらえ、何を改善しようとしたのか。
卵が先か、鶏が先かなんて議論をする気は無いですけどね、とりあえず「特定の属性を持ったファン」というファクターが存在しなければその螺旋は回らなかったと思います。別の言い方をすれば、そのファクターがある限り、顕在化しないだけでいつ発生してもおかしくない、発生して当然だったものだということです。

悪貨は良貨を駆逐します。
断っておきますが、悪貨は悪者ではありません、悪意を持ったものでもありません。貨幣はただの貨幣です。
悪貨に意思はありません、意図はありません、自分たちが悪いとは思うはずがありません、だって悪くないんですから。ただあるだけですもの、悪くあろうとしてあってるわけじゃないんですから。
ただ相対的に見て悪貨であるだけであり、それでもなお、良貨と悪貨という比較対象が存在しうるとき、悪貨は良貨を駆逐します。これは水が高いところから低いところに流れる、というレベルの話です。

喧嘩になるのなら良いですよ、だって球場に来てるもの同士でしょ、球団に既にお金を払ってる人同士でしょ、どうでもいい。
問題は、「潜在的顧客」がそのまま顧客にならずになってしまったり、既存顧客が「喧嘩をする」のではなく「興味を失ってしまう」事なんです。「駆逐する」ってそういうことです。
ここで、ライトスタンドの心あるファンが、一部の暴走した人たちを正したとしても、たぶんもうものすごい多数の「駆逐された」ファンがいるんですよね。
これはいま起きたんじゃないです、ずっと起きつづけていたんです。
ニッチで戦うならそれでよかったのかもしれない。でもニッチを卒業しようとするならば、そんな「血がながれることを前提とする」ビジネスモデルとそれに伴う負の連鎖はたちきらなきゃいけなかったのではあるのでしょう。

私は巨人ファンですから、一般論としてしか語りません。それ以上のことを言うのは失礼だと思いますので。
ただ、巨人ファンとして他の巨人ファンを駆逐してしまうようなものではありたくないな、とは思っています。
他の野球ファン？さぁどうでしょう（笑）、巨人か野球かを選ぶなら、巨人です。

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属性とは何であるか。
巨人で言うならば、たとえば、「勝たなくても良いから生え抜きだけのチームであって欲しい」とかいう考えを持てる人でしょうか。
「願い」や「こだわり」があまりにも強いがために、主観が突き抜けてしまうんですよね。
別に個人の裁量の範疇である限り、主観はどんなものであっても構わないと思いますが、だからこそ、個人の範疇を超えてしまうのはダメです。

チームはあなたのためにありますが、チームはあなた“だけ”のためにはありません。「無数のあなた」のためにチームはあります。
あなたはどんなに頑張っても1人のあなたであることを超えることはなく、どれだけ自意識過剰であろうとも1人が2人にはならないです。
まぁ必ずチケットは2枚買うっていうかたちでは2人にも3人にもなれますし、それはそれで一部では2人なんですけどね。