楽天の戦力外通告に思う

  • DIME
    2006年09月27日 04:57 visibility89

 

ついに始まったって気がします、やはり今年も楽天が端緒を担うこととなりました。

楽天は球団創設時にエキスパンションを得られなかったため、選手構造が大きくベテランに偏り、30歳以上の選手が比率にして投手・野手ともに50%を超えています。先日巨人野手陣も大きくベテランに偏っていることを書きましたがその巨人でさえ40%ぐらいの比率だと言えばその偏りの大きさがわかってもらえるでしょうか。

そのためもう数年はこのように大幅な血の入れ替えが必要になるのは間違いありません。また他球団と比べても1軍と2軍の差が小さいため1軍で使われたといえどもそれがそのまま来季への可能性につながらないのも1つの特色だといえます。

 

まずメンバーを確認していきます。

http://www.rakuteneagles.jp/news/eagles/060926keiyaku.php

 

戸叶  尚: 31歳 
矢野英司: 30歳
玉木重雄: 35歳
金田政彦: 37歳
佐藤和宏: 29歳
酒井忠晴: 36歳
益田大介: 32歳

 

各選手の成績はこちらで確認してください

http://bis.npb.or.jp/players/index_register.html

 

ベテラン選手だけの今回の発表はあくまでベテラン選手に限ったものと見たほうが良く、今後若手選手が追加で発表されるのではないかと思われます。 

 

○投手

http://bis.npb.or.jp/2006/stats/idp1_e.html

http://bis.npb.or.jp/2006/stats/idp2_e.html

 

 この中で1軍での登板機会があったのは金田のみ。金田にしてもシーズン当初のローテの谷間に2度の先発機会があったがいずれも黒星。

詳しく成績を見ると2試合8イニング自責点6被本塁打1奪三振2与四死球4という成績。サンプル数(=イニング)が少なく信頼性に問題がありますが、主力として計算するには奪三振数が少なく与四死球が多すぎるってところ。2軍での数値も与四死球率は良化しているものの奪三振率にはあまり改善が見られません。なお奪三振率の低下はベテラン投手の能力が低下してくるときにみられる傾向の1つでもあります。

先発左腕として有銘が経験をつみ、来年以降に望みが見えてきたことで金田の役目は終わったということになるのでしょう。

 

残りの戸叶、矢野、玉木、佐藤に関しては年齢的にも1軍で戦力にならないようであれば2軍の成績に関わらず解雇になってしまうのはしょうがないのかなという気がします。一部の投手は決してそう悪い成績を2軍で残しているわけではないようですが、他の投手との兼ね合いもあり同タイプ(例:中継ぎ右腕、ピンポイント左腕etc)でそれ以上の投手が存在するということでしょう。

 

ただこの中でちょっと問題があるのが戸叶投手。先日私は仁志敏久選手の怪我に応じて巨人の戦力外リストから外しましたが、戸叶投手も先日悪性腫瘍の手術を行ったことが公表されています。

http://www.sanspo.com/baseball/top/bt200609/bt2006092104.html

実力を純粋に評価すれば戸叶投手が解雇されるのは他の解雇された投手と比べてもおかしくなく、手術がなかったとしても解雇されたように思えますが、世間的には大きな病気(怪我)のあった選手を放り出したというふうに取られてしまうでしょう。

こういうのって難しい判断ですけど、「人気」や「評判」も考えなければいけないプロ野球と日本人の性質を考えるとこういう場合は解雇しない方が無難です。難しいところですね。

 

○野手

http://bis.npb.or.jp/2006/stats/idb1_e.html

http://bis.npb.or.jp/2006/stats/idb2_e.html

 

両者とも1軍ではあまりいい成績を残していませんが2軍ではそこそこの成績を残しています。特に益田は高打率も残している上に本塁打も3本とまだまだやれそう。

ただ問題は本人の能力よりも他の選手との兼ね合いでしょう。益田で言えば礒部・関川あたりが外野のベテランにいて鉄平が抜擢されて優先的に枠が与えられている状況、そしてリックが外野でもやっている。こうなってくると成績を残しているとは言え将来性のないベテランは厳しくなってきます。このあたりはベテラン比率が高いチーム特有の厳しさでしょうか。

酒井に関しては2年目の塩川が優先的に起用され、結果は残せていないもののそのカバーとして沖原がいるとなると36歳の酒井の出番がちょっと考えにくい状況。1年目のとにかく選手の足りない状況をカバーしてくれてお疲れ様という感じでしょうか。

 

 

やっぱり気になるのは戸叶の存在ですね、たぶん彼の解雇についてはまた商売至上主義だなんだといろいろ叩かれることになるのでしょう。

とにかく彼ら楽天のベテラン選手に関しては球団創設という難しい状況の中、とりあえずプロ球団の体裁を守るために1年目貢献してくれたと思います、これからまた現役を続ける人、引退する人、さまざまだと思いますがひとまずお疲れ様でした。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。