巨人現有戦力評価 2008 Ver.1 捕手編

  • DIME
    2008年02月07日 12:10 visibility116

またまた日があいてしまってすみません。
しかも捕手だけって事で言えばほとんど書くこと何も無いんですけど。
かといって書かずにスルーってわけにもいかないし、内野手と一緒にしたら明らかに時間足りないのでご容赦ください。

■捕手■

○全体:6名
 ・伊集院峰弘 (20) 
 ・星孝典 (26)
 ・加藤健 (27)
 ・實松一成 (27)
 ・阿部慎之助 (29)
 ・村田善則 (34)
  ※年齢順、()は年齢

●異動
 なし
 
-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------

去年の9月に書いた来季契約予想(日記:巨人来期契約予想 捕手編)現有戦力評価(日記:巨人現有戦力評価 2007 Ver.L 捕手)でも触れていたのですが、今の状態は一番安定しているところです。
もちろん、阿部が選手生命をたたれるような大きな怪我を負うと言うリスクは十分にありえますが、そのリスクはいつどんなときにでもレギュラー捕手にはあります、そのリスクを考え始めたら埒が明きません、私はそれは考えすぎで、実際に起きてしまってから善後策を考えるべきだと思います。
少なくともそのリスクのために「優れたレギュラー捕手の出場機会を奪ってまで育成する」ことや「限られた資源であるドラフト上位指名枠」を消費するのは明らかに小さなリスクに対する過剰防衛です、前者は「試合に勝利する機会」を奪いますし、後者は「よりリスクの大きなポジションへの対応の不足」を招きます、そちらのマイナスの方がよほど大きいと私は判断します。
詳しくは前記の現有戦力評価で触れていますので、そちらでご確認ください(携帯向けに一応文末にコピーしておきます)。
余談ですが、上記の理由から考えれば、例えば複数球団がドラ1での指名を希望するような選手を囲い込んで下位で獲得する、などはなんら問題の無い活動です、むしろ奨励します、今年は捕手は1名は取るでしょうからそうなることを望んでいます。

んでまぁこれも予想通りだったんですが、特に選手の入れ替えもなし、谷内田敦士が育成選手として入団してきましたがここでは支配下選手に限って書いていますのであんまり関係有りません。
今年一年の進め方としては、阿部慎之助を固定、できる限り阿部慎之助が出場できる機会を増やす、これが大原則です。その為には例えば目先の1試合のために疲労がたまって3試合、4試合と休むことになってしまう、そういうことを避けるために、先を見据えて負けてる試合では積極的に休養させるなどの対策をしなければいけないでしょう、ただ昨年時点でもその起用傾向が見られましたので改善点ではないです、今までどおりしてくれればそれでいい。

今年のシーズンにおいて問題となってくるのは、オリンピックによる離脱でしょう。予選を見た限りでも野球ができる状態であれば阿部慎之助が召集されるのは確実です、逆に言えば召集されないときは野球ができない状態である、っていうこと。
つまり、今年の巨人は「阿部が離脱する期間が必ず発生する」という前提で動かなければなりません。
とはいっても、それで何をするかといえば特に何もする必要は無いのですけど、やる事は「使い方」ぐらいしかありません。いないからといって捕手無しで野球ができるわけでもなし、途中で補強するなんて選択肢も捕手では難しいですし。離脱している間は基本的に、加藤、星、實松の3人の中から誰かにやらせるって事になるでしょう。
「必ず離脱する」ことがわかっているだけ。「離脱するときの対策」は別にいつもやっていることであって、その状態に更に「何か追加されること」があったとすれば、むしろ何故通常の状態でもその「追加される何か」をやっていないって事、何も追加されることが無い状態の方が正しい。
ただ1つやれることを上げるとすれば、先ほど書いた事にも繋がってきますが、2番手以下の捕手の出場機会を増やす=状況によっては積極的に阿部を下げる、ことでしょうか。そこの見極め、試合を捨てる決断力を首脳陣に期待したいところです。

-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------

んで、後は問題を挙げるとすれば、捕手2人制で行くのか、3人制でいくのかって言うところなんですが、個人的には今年は(少なくともオリンピックが終わるまでは)3人制で行って欲しいなと思います。
理由はこれもまた上記と同じなんですが阿部を下げやすくするため。
2人制だと、交代させた後に「誰も捕手が残っていない」状態となるため、どうしてもスタメンの捕手を代えづらくなります。
去年それでも2人制をしいたのは、阿部が離脱するリスクが低いと判断された(多少の痛みでも出場できる選手だと判断された)ことと、ベンチ入り枠を有効に活用するため、3番手捕手の代わりに代打屋、或いは中継ぎ投手を足したかったという目論見からです。結果的には投手を厚くすると言う傾向が強かったですね。
結果的に3番手捕手が必要になった試合・時期と言うのは非常に限られていたので2人制でまわすという去年の戦略は適正だったといえるでしょう。

ただ、この采配はやはり「レギュラー捕手が安定してなおかつ離脱リスクも低い」事と「2番手以降の捕手にそう積極的に出場機会を与えるチーム状況に無い」という2つの前提があってこそ成立するものであり、後者の前提が今年の場合はちょっと微妙なところが有りますので、3人制を強いておくほうが無難だと私は思います。
もう1つ理由を挙げるとすれば、中継ぎ陣が現時点では去年より厚みを増しているということです。去年2人制捕手で余った枠が投手に使われたのは、それだけ計算できる投手がいなかったからです。
元々の厚みが足りないので、1軍で足りないときに、2軍で十分な結果を残している中継ぎ投手があまりいなかった。しょうがないので1軍の頭数を増やしてその日のブルペンで調子のいいのを選ぶと言う戦略にならざるを得なかった。
今年は今のところある程度の厚みがあるので、1軍に漏れた選手から2軍でも中継ぎチームを作って、2軍から1軍に安定的な供給を望むことは可能だと思います、この辺りは2軍での投手起用方針次第でもあるんですが。
余談ですが、2軍の投手起用に関しては一部納得できかねるところが有ります、中継ぎとして試合内容にあわせて登板させている投手が少ないところです。1軍と比べて試合が詰まっているわけでなく、試合展開にあわせて起用を決めていると登板間隔が空きがちになる事への対策だと思うのですが、1軍では中継ぎとしてまず起用される可能性のある投手に関してはやはり中継ぎでやらせておいた方が選手にとってもやりやすいのではないかと思います。

-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------

個別の選手に関しては特に何か言及することは無いと言うか、去年と今年で特に何か変わったわけでもないので何とも言いがたいです。
ただ、今年のドラフトでは捕手は1名は足すと思います、たぶん村田善則が引退してってことになるのでしょうけれど、もしかしたら加藤・星・實松から1名となるかもしれません、同じぐらいの年齢の選手は正直3人も必要ないと思いますし。
村田善則には、阿部が離脱した時のバックアップを期待したいところですね、実際のところ将来性とかを考えれば目先の1勝のためにベテランを起用してまで勝ちに行くという決断をすることは低いと思いますが(離脱する間の星は5分5分で十分だと思います)、若手だけでは心もとないですからね、ベテランの力が必要になるかもしれません、そこを見据えて気を抜かないでいて欲しいと思います。

-------------------------------------
人気blogランキング>[Category:野球]
-------------------------------------

(巨人現有戦力評価 2007 Ver.L 捕手より抜粋)

阿部の固定とともに原監督の希望でもあった捕手2人制の目処がたったシーズンでした。この傾向はこれからも続くと思います。

さて、ここで先日ちょっと触れた部分について改めて考えてみたいと思います。現在の捕手状況に
対する評価についてです。
例えば「野球小僧10月号」においては、「慢性的に心配な点をあげれば結局は阿部が一人で頑張っている捕手。控えが薄すぎる状態だ」と、評しています。

しかし私はこの評価については間違っていると思います。


もちろん、ここで指摘されているとおり、「阿部が1人で頑張っている」のは事実です。とうぜん大きな怪我などで阿部慎之助が一発退場なんてことになったら大惨事です、しかしそれは捕手という職業を有する野球と言うスポーツの構造的な問題であり、解決のしようがないことなんです。

「優れたエース格の捕手が固定される」、これは現代野球において、V9の森、西武の伊東、ヤクルトの古田、ダイエーの城島・・・連綿と続く常勝軍団形成の兵法です。
しかし、優れた捕手が固定されることは同時にそれだけその捕手が離脱した場合のリスクが大きくなることでもあります。つまり「優れた捕手で固定されれば固定されるほど、主力捕手が離脱したときのリスクは高くなる」わけです。
つまり「捕手を固定する」ことと「主力捕手が離脱するリスクを軽減する」という2つの命題は二律背反したアンチノミーの命題なのです。どちらも十分な妥当性があります、しかしどちらも同時に解決することは矛盾を内包しているので不可能です。


この解決方法には2つしかありません、どちらかの命題を達成せずともよくするということです。
たとえば現在のMLBでは「複数捕手制」というのが敷かれているところがあります、これは先の命題をそもそもの定義から覆すことで解決を図っているわけです。
もう1つの解決方法とすれば、「離脱しないような主力捕手を育て上げる」ということです。これでもまた命題の定義をひっくり返しています。日本に続く名捕手の歴史はほぼこちらです。


ではどちらを選ぶべきか、これはもう選択の余地がありません、後者です。なぜならば、前者を選ぶためには阿部慎之助に見劣らない捕手を少なくとももう1名用意する必要があります。が、これが非常に難しく実現可能性が実質的にゼロだからです。
阿部の捕手としての評価はいろいろあるでしょうが、少なくとも日本代表候補に選ばれるなど一定の評価はあると思います。つまり絶対的な評価はさておき、相対的に言って阿部に比肩するだけの捕手は日本プロ野球の中ではそう何名もいないと言えるでしょう。それだけの捕手を獲得することが可能か、という事です。
どれほど優れた捕手(最近では古田や城島)でも、プロで一人前になるためには数年間の育成が必要でした、つまりドラフトから直接比肩する捕手の獲得は不可能(仮に獲得したとして、その後にプロ経験をつまなければ比肩するまでは成長しないので意味が無い)です。
となると、他の選手獲得手段はFA、トレード、外国人しかありませんが、現実のところそれらの手段で優れた捕手が他球団移籍した実例はほとんどありません。
また、阿部に比肩しない捕手を用意すれば、結局は勝利を多く得るために阿部ばかりが出場するようになる。逆に能力差が確実であっても比肩しない捕手を併用すれば、それは勝利に対する最善手を使わないことになる。「捕手が離脱するリスクを避けるために、チームの勝率を下げる」、本末転倒もはなはだしいでしょう。


以上から巨人が選ぶべきは、「阿部慎之助を絶対的な捕手として固定し、彼ができるだけ長く固定できるように休養などを考慮する」という選択肢しかありません。


現在の阿部慎之助は28歳、と選手としてはもっとも脂の乗っている時期、特に問題がなければ今年の阿部慎之助のようにほぼシーズンフル出場を続ける事が何にもおかしくない時期です。
例えば、古田が28歳と言えば1992年のヤクルトになります。城島が28歳と言えば2004年のダイエーになります。まぁ城島の場合はFAという問題がありましたけど、FA移籍しないと言う前提に立てば、現在は「阿部慎之助というエース格の捕手を固定することで安定期に入ってくる一番余裕のある時期だ」、というのが正しい評価だと私は思います。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。