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特別コラム「手首の角度がバッティングに与える影響」
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はやC
2007年09月13日 18:11 visibility19507
「手首の背屈を意識して、効率的な軌道とインパクトを実現する!?」
※あくまで 1 草プレーヤーの現時点での個人的な考察です。
毎日練習している現役選手と違って、筋力が衰えた草プレーヤーが力を発揮し続けるには、最低限の筋力でそれなりの力を発揮するための効率性を意識する必要がある。そんなわけで、今回は理想的なスイング軌道を生み出すための、効率的な手首の使い方に注目する。
最近、投手側の腕の手首の角度がバッティングに与える影響について考えているのだが、みなさんは意識したことがあるだろうか。
手首には屈曲 (「おいでおいで」の手首)、背屈 (「ストップ!」の手首)、とう屈 (釣り竿を手首で上げる = 合わせのときの手首)、尺屈 (竹刀を手首だけで振り下ろすときの手首) の 4 つの屈曲がある。バッティング時にはこれらの屈曲が無意識のうちに複合的に機能しているわけだが、次の 2 つのポイントを意識することで、それまでのバッティングを変えられる可能性があることがわかった。
ひとつはインパクトの瞬間の手首の角度、もうひとつはインパクトまでの手首の角度である。
前者のインパクトの瞬間の手首の角度については、それほど難しくはない。一番力が入り、かつ二重振り子の原理を生かすため、可動域を最も稼げる状態にあるのがベストだと考える。これを確認するには、バットの代わりに金づちを持って、柱に刺さった太い釘を、片手ずつバッティングの要領で打ち込むことをイメージしてみて欲しい。お父さん方には、王さんの「刀を使った素振り」のほうがイメージしやすいだろうか。手首が変に屈曲していると、力強く金づちで釘を打ち込むことが出来ないことが容易に想像できると思う。
後者のインパクトまでの手首の角度については、ちょっと注意して考えてみてほしい。これが今回のテーマだ。ここで理想とするのは、少ない力と最短時間で、インパクトの瞬間にヘッドが最大の加速度を得られる状態にもっていくことである。
スイング始動時からインパクトまでの段階で効率的に回転スピードを上げるには、回転軸から質点 = ヘッドまでの距離を小さくすれば良い。質点までの距離が最も大きくなるのは、バットが回転軸と直角 (だいたい水平) になった瞬間である。そのため、質点までの距離を小さくするには、インパクトの瞬間までバットが水平にならない、つまりヘッドを立てた状態をキープすれば良いことになる。また、トップの状態からインパクトの瞬間までの時間を短くするには、ヘッドの軌道が少しでも短くなるようにすれば良い。トップの状態では普通ヘッドは手よりも上にあるので、経路を短縮するひとつの方法として、インパクトまではヘッドが手より上の状態をキープする、つまりヘッドを立てることが考えられる。ということで、理想の実現には「ヘッドを立てる」ことがキーになりそうだということがわかった。では、少しでもヘッドを立てた状態をキープするのにどうすれば良いのだろうか。
草プレーヤーになる前にチームでプレーをしたことがある人なら、一度は「ヘッドを立てろ!」と監督やコーチに言われたことがあるのではないだろうか。ヘッドを立てるバリエーション トレーニングとして、逆手打ちや超高め打ちなどの練習を行った人も多いはず。ただ、これらの練習では、ヘッドを立てる感覚や肘の使い方こそ身につくかもしれないが、実際の習得は、主に反復練習による前腕部の筋力向上による部分が大きい気がする。これを草プレーヤーに求めるのは酷だし、コラム的にもガッカリだ。ということで、別のアプローチで実現できないか色々と試行錯誤した。その結果、右打者の場合、左脇をしめていることを前提として、左手首を背屈させておくのが効果的であることがわかってきた。
投手側の脇をしめた状態でバットが水平になるのは、手首が屈曲し、かつ尺屈したときなのだが、多くの場合、回転とバットの傾斜によって生じる力に耐えられず、インパクトの前にこの屈曲 + 尺屈が発生してしまう。そうすると、筋力の少ない人は、インパクトに力を集中できず強い打球を打てない、あるいはインパクトの瞬間に思ったよりヘッドが下がってしまいフライになってしまうなどの悪い結果になってしまうことが多いようだ。これを、構えた時またはトップを作った段階で背屈させておくと、屈曲はもちろん、自然と尺屈が抑えられ、インパクトまでヘッドが最短の経路を通りやすくなるのだ。
ただし、注意しなければならない点がひとつがある。ここで問題とした尺屈は、二重振り子の原理を生かすためにインパクトの瞬間には絶対に必要な動きで、背屈を保持 = 手首を固定したままインパクトを迎えると、最短経路を通ったにもかかわらず肝心のインパクトで最大限の効果 = ヘッド スピードを得られなくなってしまう。つまり、構えからスイング始動時は背屈を意識していてもインパクトを迎えるときには背屈を解放している必要があるのだ。逆にこれができれば、軌道をリードする投手側の腕および手首と、インパクトを司るキャッチャー側の腕の連動性が生まれ、最大限の効果を得られるようになる。これが BC のときに今後の課題としたコラボレーションである。
ということで、今回の考察をまとめる。
- 構えからスイング始動時に投手側の手首の背屈を意識することで、インパクトまでのヘッドの経路を短縮し、効率的に回転パワー生み出すことができる
- ただし、バット (またはヘッド) が出てくるところでは背屈を解放し、二重振り子の原理によるヘッドの加速を妨げないことが必要
「難しい」「ややこしい」「よくわかんねー」という人は、まずは構えたときだけ投手側の手首の背屈を意識するところから始めてみるとよいだろう。数球打てば、合う合わない取り入れる取り入れないは別として、いつもと違った感覚が得られると思う。
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