檄日記●谷口くんのいる甲子園


兄が高校時代に、熱心に読んでいた野球マンガがあった。

 

ご存じ、『プレイボール』(ちばあきお作)である。

 

ワタシも野球のルールをよくわからぬまま、引き込まれて

何度も読んだ。

個人的に『キャプテン』より続編の『プレイボール』が好きだ。

 

主人公が怪我のハンデを乗り越え、地区予選に出場するだけ

だった怠慢野球部が、やがてシード権を得るほどになるまでの

成長が、本当に丹念によく描かれていた。

これから、という中でちばあきおさんは惜しくも

亡くなられてしまったので、きっと地区代表になれたであろう、

墨谷高校の姿を見られなかったが

谷口くんは代表校の球児に姿を変えて、

毎年毎年甲子園に来ているようだ。

 

 

 

とにかく『あきらめない』谷口くんの気持ちは、

高校球児も同じだろう。

 

 

勝つことしか考えない。

 

 

勝負において、当たり前と言えば当たり前の考え方だが、

明らかに劣勢の展開となっても、谷口くんはあれこれと策を

たてて試合終了のコールまで、自分たちの試合に専念する。

 

 

地区予選3回戦で、シード校の東実と対戦する2回表で

墨高は強力打線の猛攻にあい、一挙5失点。

チームメイトはすっかりしょぼくれ、あきらめムード。

 

「さあ、元気だして挽回していこうよ!」

とひとり気を吐く谷口くんに

 

寒くなるとたき火にあたって、練習そっちのけで単に野球を

『楽しんで』きた田所キャプテンもナインも

 

「スコアボード見て言ってんのか?」

谷口くんの言葉にあきれる。

 

「何を言ってるんです、たかが5点リードされただけ

じゃないですか」

「た、たかが・・・」

 

 

「まだ試合は始まったばかりだっていうのに、

そんな弱気でどうするんです!」

 

 

恐れ多くも1年生の谷口くんが、2・3年生のナイン相手に

檄を飛ばす。

田所キャプテンもナインも、心が揺さぶられる瞬間だった。

 

「うちが点を入れりゃいいんです」

 

負ける気がしなくなるとはまさにこれで、

奮い立つ墨高は・・・・・・

   (ご存じない方は続きをコミックスで読みましょう!笑)

 

 

 

昨日の午後1時もとてもソワソワしたが、今日もソワソワ。

 

一昨年も去年も勝ち進み、さらに優勝なんて道産子のワタシは

信じられない気持ちで駒大苫小牧の激闘を観ていたが、

今年はさらにドラマを観させてもらっている。



彼らホントに頑張ってきたよ。

谷口くんと一緒で、あきらめない。

どうなるか楽しみだね、谷口くん。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。