「首振っていいっすか?」

「もちろん」

試合後、後輩の投手に言われて、捕手である僕はそう答えた。

彼はサウスポー。カーブを投げた際、角度を与えすぎて、右打者にぶつけてしまった。投球前、彼は自身のの中でちょっと予感はあったらしい。実は僕にもあった。
ではなぜ投げさせたか。まず第一に6点差で走者がいなかったこと。第二に彼が一人走者で崩れることが考えにくいこと。第三にうまく行かないながらも、なんとか感覚を取り戻してほしかったから。

その時、彼が首を振っていたとすれば、僕は新たにサインを出した。それは、投手の中で「違う」と感じることは、基本的にはさせるべきではないと考えているからだ。投手と捕手では感覚が違う。だからこそ、互いが試行錯誤する。結局、2人の共同責任であり、共同作業なのである。

昨日は3人の球を受けた。誰がいいとかじゃなく、それぞれとボールを交わせたのが楽しかった。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。