
ソルセウ 変化と挑戦
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まえま
2011年03月11日 18:37 visibility2568
FCソルセウのU-15カテゴリーが創設されて以来、今年の3月で丸6年を迎える。
6年という月日は長くもあり、短い。
FCソルセウを卒部した選手たちも進学し、様々な変化を経験している。
チームを取り巻く環境にも変化が現れ、サッカーというスポーツそのものにも変化が現れる。
サッカーは日々、進化するスポーツであり、絶え間ぬ変化が魅力を織り成すスポーツである。
そんな中、FCソルセウには変わらぬ環境があった。
京都クラブユース連盟、2部所属。
クラブユースに登録しているチームは京都府下、25チーム。
1部10チーム、2部15チームの構成である。
FCソルセウはこの6年間、創部・初登録した年から変わらずに2部から昇格できずにいた。
他チームの指導者から技術の高さを評価して頂いたり、高校年代で活躍する選手も輩出してきた。
しかしながら、大会では結果がなかなか出ていなかった。
2011年3月6日
下鳥羽公園サッカーグラウンド。
そこには昨年の9月からスタートした1部昇格への挑戦権を手に入れる為の大会、チャレンジリーグを戦いぬいたFCソルセウの選手達がいた。
全国につながる試合でもない。
選手としてまだ引退がかかった試合でもない。
しかし、6年間、変わらぬ環境を変えるチャンスを手に入れた世代の選手達。
FCソルセウの歴史を変える試合に挑んだ。
前半の立ち上がりは、悪くなかった。
相手チームはフォーメーションの中央、縦列に強くて早い選手を揃えてきていた。
昨今のトレンドでは中央からの攻撃はリスクが高く困難なのでサイドに早くて上手い選手を起用し、サイドからの切り崩しを狙うチームが多いが、このチームは少し異なっていた。
攻撃力のある中央の選手をいかに押さえるかが、試合のポイントと言っても過言ではなかった。
強さと速さを武器に戦う相手に対し、ソルセウの選手は技術で応戦した。
相手のミスを見逃さず、積極的にボールを奪いにいく。
奪ったボールは安易にロングフィードで前線に送る事無く、常に前にいる選手と勝負を仕掛けにいく。
もちろんリスクを伴う戦い方ではある。
その勝負でボールを奪われれば数的不利な状況になる。
しかし、自分たちの自信のあるプレーをする事が大切なのである。
それと、『戦う』という強い気持ちが大切である。
そんな中、試合が動いたのは前半17分。
若干のカウンター気味であった為、ソルセウの守備が遅れていた。
遅れた分をカバーする為に守備陣が対応するものの、ズレたマークが修正できずに失点をしてしまう。
続いて20分にも同じ形で崩され、失点。
前半を終えて0-2。
まだまだ追いつける点差である。
ソルセウの監督は攻撃を厚くする為に、ボールをしっかりと納める事のできる選手を投入する。
後半の早い段階で1点を返す事が出来れば、試合は分からない。
後半が始まる。
相手チームはメンバー交代はなし。
2点を奪えている状態に変化はつけたくなかったのだと思う。
前半と同様に技術で戦うソルセウイレブン。
明らかに技術で勝っている。
ショートパスとドリブル。
常日頃、こだわりを持って行っているプレーにどんな状況でもこだわる。
少しの膠着状態から後半10分。
またもや失点をしてしまう。
0-3。
時間は刻々と過ぎていく。
惜しいチャンスも得点につながらない。
選手に疲労も見え始めた。
徐々に敗戦ムードがベンチに漂いはじめた後半20分。
スピーディーな展開からサイドに展開し、フリーの選手が豪快に叩き込む。
1-3。
まだ諦めない。
いつもなら諦めてボールを追わなくなるのだが、懸命に走る選手達。
そんな中、ソルセウに変化が現れた。
センターバックの選手がオーバーラップをする。
もともと、キック力には定評のある選手。
そして泥臭くてもボールに食らいつくことの出来る選手。
残り5分。
コーチからチームのエースに残り時間が伝えられる。
うなずくエース。
ハーフウェイラインから相手ゴールキーパーの位置までボールを追いに行く。
前線からのプレスに慌てる相手チーム。
焦って送るパスをソルセウイレブンがカットしボールを奪う。
ソルセウのエースがドリブルで仕掛ける。
1人でペナルティエリアに進入し、コースを狙ったシュートは相手選手に当たりゴールにこぼれ落ちた。
2-3。
歓喜に沸くこともなく、早々にゴール内のボールを拾い試合のリスタートを促す選手。
初めての光景である。
得点を決めたソルセウのエースは非常に技術が高く、京都府選抜の選手である。
今まではプライドと技術の高さが仇となり、上手くいかない時にヘソを曲げてしまう選手であった。
しかし今日の彼は違った。
失点が重なった状況でも普段はしないスライディングをしてボールを奪いにいき、泥臭くてもボールを奪いにいっていた。
その変化はチーム全体が引き起こしたものであった。
どうしても勝ちたいという強い気持ちが選手間で共鳴し、自然と『戦い』から逃げない雰囲気を作り出したのである。
残り2分。
必死にボールを追いかける選手達。
疲労も溜まり走る足にも陰りが見え始める。
しかし試合の流れはソルセウにあった。
エースにボールがわたる。
周りの選手も彼に託す事を選択し、囮となり、ドリブルコースを空ける。
相手チームのDF陣はパスが出る事も予測しなくてはならない。
その迷いを突く。
またもやペナルティエリア内まで進入する。
ここで、こだわり抜いた技術の真骨頂が現れる。
ゴールまでの距離、5m。
相手はキーパーとDF1人。
彼は焦らず、流れる様にDFの股を抜くドリブルをする。
後はキーパーのみ。
冷静にポジショニングを確認し、ボールを流し込んだ。
残り時間10分から3点差を追いつく同点劇。
試合のリスタートと共に試合終了のホイッスルが鳴る。
安堵と歓喜の空気が流れるベンチ。
しかしまだ勝負は終わっていない。
残るはPK戦。
ソルセウの先行で始まった。
1人目が枠を外してしまうが相手チームも同様に外す。
2人目、きっちり決めるソルセウに対し、またもや枠を外した相手チーム。
3人目、これも落ち着いて決めるソルセウの選手。
ソルセウのゴールを守るのは1年生のキーパー。
試合中も再三の飛び出しと勇気あるプレーで戦ったキーパー。
キーパーにとってPK戦は圧倒的に不利な状況である。
PKになった時、キーパーには2つの選択肢がある。
『読み』か『反応』
『読み』はキーパーが相手のシュートコースを予測し、ボールが蹴られた瞬間には横っ飛びをする。
これは迷う事がないので、飛べる距離も長くなるが予測が当たるか外れるかはギャンブルである。
『反応』はボールが蹴られてから判断する。
間違いなくボール方向に飛べるのだが、人間の反射神経と運動能力からして限界がある。
そして何より、待つ事への恐怖。
何も考えずに横っ飛びをした方がキーパーとしては楽である。
結果は運にすがるだけであるから。
待つ事は頭と体を集中させてフルに発揮しないといけない。
いわば、じゃんけんで後出しで絶対に勝てと言われているのと同じである。
このキーパーは『反応』を選択した。
勇気ある判断。
見事この判断は功を奏し、相手チーム3人目の選手のシュートを止めてみせた。
そしてソルセウ4人目がきっちり決めて試合終了。
本当の歓喜に包まれるソルセウイレブンとベンチ。
コーチ陣も正直、信じられない思いで一杯であった。
かくして念願の1部昇格を果たしたFCソルセウ。
来年から更なる厳しい戦いが待ち受けている。
1部でも成績が悪ければ降格もある。
来年は1部残留という新しい目標を手にした次の世代がどれだけの輝きと変化をしてくれるか、今から楽しみである。
6年という月日は長くもあり、短い。
FCソルセウを卒部した選手たちも進学し、様々な変化を経験している。
チームを取り巻く環境にも変化が現れ、サッカーというスポーツそのものにも変化が現れる。
サッカーは日々、進化するスポーツであり、絶え間ぬ変化が魅力を織り成すスポーツである。
そんな中、FCソルセウには変わらぬ環境があった。
京都クラブユース連盟、2部所属。
クラブユースに登録しているチームは京都府下、25チーム。
1部10チーム、2部15チームの構成である。
FCソルセウはこの6年間、創部・初登録した年から変わらずに2部から昇格できずにいた。
他チームの指導者から技術の高さを評価して頂いたり、高校年代で活躍する選手も輩出してきた。
しかしながら、大会では結果がなかなか出ていなかった。
2011年3月6日
下鳥羽公園サッカーグラウンド。
そこには昨年の9月からスタートした1部昇格への挑戦権を手に入れる為の大会、チャレンジリーグを戦いぬいたFCソルセウの選手達がいた。
全国につながる試合でもない。
選手としてまだ引退がかかった試合でもない。
しかし、6年間、変わらぬ環境を変えるチャンスを手に入れた世代の選手達。
FCソルセウの歴史を変える試合に挑んだ。
前半の立ち上がりは、悪くなかった。
相手チームはフォーメーションの中央、縦列に強くて早い選手を揃えてきていた。
昨今のトレンドでは中央からの攻撃はリスクが高く困難なのでサイドに早くて上手い選手を起用し、サイドからの切り崩しを狙うチームが多いが、このチームは少し異なっていた。
攻撃力のある中央の選手をいかに押さえるかが、試合のポイントと言っても過言ではなかった。
強さと速さを武器に戦う相手に対し、ソルセウの選手は技術で応戦した。
相手のミスを見逃さず、積極的にボールを奪いにいく。
奪ったボールは安易にロングフィードで前線に送る事無く、常に前にいる選手と勝負を仕掛けにいく。
もちろんリスクを伴う戦い方ではある。
その勝負でボールを奪われれば数的不利な状況になる。
しかし、自分たちの自信のあるプレーをする事が大切なのである。
それと、『戦う』という強い気持ちが大切である。
そんな中、試合が動いたのは前半17分。
若干のカウンター気味であった為、ソルセウの守備が遅れていた。
遅れた分をカバーする為に守備陣が対応するものの、ズレたマークが修正できずに失点をしてしまう。
続いて20分にも同じ形で崩され、失点。
前半を終えて0-2。
まだまだ追いつける点差である。
ソルセウの監督は攻撃を厚くする為に、ボールをしっかりと納める事のできる選手を投入する。
後半の早い段階で1点を返す事が出来れば、試合は分からない。
後半が始まる。
相手チームはメンバー交代はなし。
2点を奪えている状態に変化はつけたくなかったのだと思う。
前半と同様に技術で戦うソルセウイレブン。
明らかに技術で勝っている。
ショートパスとドリブル。
常日頃、こだわりを持って行っているプレーにどんな状況でもこだわる。
少しの膠着状態から後半10分。
またもや失点をしてしまう。
0-3。
時間は刻々と過ぎていく。
惜しいチャンスも得点につながらない。
選手に疲労も見え始めた。
徐々に敗戦ムードがベンチに漂いはじめた後半20分。
スピーディーな展開からサイドに展開し、フリーの選手が豪快に叩き込む。
1-3。
まだ諦めない。
いつもなら諦めてボールを追わなくなるのだが、懸命に走る選手達。
そんな中、ソルセウに変化が現れた。
センターバックの選手がオーバーラップをする。
もともと、キック力には定評のある選手。
そして泥臭くてもボールに食らいつくことの出来る選手。
残り5分。
コーチからチームのエースに残り時間が伝えられる。
うなずくエース。
ハーフウェイラインから相手ゴールキーパーの位置までボールを追いに行く。
前線からのプレスに慌てる相手チーム。
焦って送るパスをソルセウイレブンがカットしボールを奪う。
ソルセウのエースがドリブルで仕掛ける。
1人でペナルティエリアに進入し、コースを狙ったシュートは相手選手に当たりゴールにこぼれ落ちた。
2-3。
歓喜に沸くこともなく、早々にゴール内のボールを拾い試合のリスタートを促す選手。
初めての光景である。
得点を決めたソルセウのエースは非常に技術が高く、京都府選抜の選手である。
今まではプライドと技術の高さが仇となり、上手くいかない時にヘソを曲げてしまう選手であった。
しかし今日の彼は違った。
失点が重なった状況でも普段はしないスライディングをしてボールを奪いにいき、泥臭くてもボールを奪いにいっていた。
その変化はチーム全体が引き起こしたものであった。
どうしても勝ちたいという強い気持ちが選手間で共鳴し、自然と『戦い』から逃げない雰囲気を作り出したのである。
残り2分。
必死にボールを追いかける選手達。
疲労も溜まり走る足にも陰りが見え始める。
しかし試合の流れはソルセウにあった。
エースにボールがわたる。
周りの選手も彼に託す事を選択し、囮となり、ドリブルコースを空ける。
相手チームのDF陣はパスが出る事も予測しなくてはならない。
その迷いを突く。
またもやペナルティエリア内まで進入する。
ここで、こだわり抜いた技術の真骨頂が現れる。
ゴールまでの距離、5m。
相手はキーパーとDF1人。
彼は焦らず、流れる様にDFの股を抜くドリブルをする。
後はキーパーのみ。
冷静にポジショニングを確認し、ボールを流し込んだ。
残り時間10分から3点差を追いつく同点劇。
試合のリスタートと共に試合終了のホイッスルが鳴る。
安堵と歓喜の空気が流れるベンチ。
しかしまだ勝負は終わっていない。
残るはPK戦。
ソルセウの先行で始まった。
1人目が枠を外してしまうが相手チームも同様に外す。
2人目、きっちり決めるソルセウに対し、またもや枠を外した相手チーム。
3人目、これも落ち着いて決めるソルセウの選手。
ソルセウのゴールを守るのは1年生のキーパー。
試合中も再三の飛び出しと勇気あるプレーで戦ったキーパー。
キーパーにとってPK戦は圧倒的に不利な状況である。
PKになった時、キーパーには2つの選択肢がある。
『読み』か『反応』
『読み』はキーパーが相手のシュートコースを予測し、ボールが蹴られた瞬間には横っ飛びをする。
これは迷う事がないので、飛べる距離も長くなるが予測が当たるか外れるかはギャンブルである。
『反応』はボールが蹴られてから判断する。
間違いなくボール方向に飛べるのだが、人間の反射神経と運動能力からして限界がある。
そして何より、待つ事への恐怖。
何も考えずに横っ飛びをした方がキーパーとしては楽である。
結果は運にすがるだけであるから。
待つ事は頭と体を集中させてフルに発揮しないといけない。
いわば、じゃんけんで後出しで絶対に勝てと言われているのと同じである。
このキーパーは『反応』を選択した。
勇気ある判断。
見事この判断は功を奏し、相手チーム3人目の選手のシュートを止めてみせた。
そしてソルセウ4人目がきっちり決めて試合終了。
本当の歓喜に包まれるソルセウイレブンとベンチ。
コーチ陣も正直、信じられない思いで一杯であった。
かくして念願の1部昇格を果たしたFCソルセウ。
来年から更なる厳しい戦いが待ち受けている。
1部でも成績が悪ければ降格もある。
来年は1部残留という新しい目標を手にした次の世代がどれだけの輝きと変化をしてくれるか、今から楽しみである。
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