
原監督の辞任
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テツ
2015年10月18日 22:41 visibility191
原監督が辞任するという記事が出ています。ついにというかやっとというかようやくというかあまり労う気になれないというのが正直なところです。やはり辞めるのが遅すぎました。少なくとも清武代表が辞任した時に一緒に身を引くべきだったとおもいます。
あの後3年連続でリーグ優勝は果たしましたが、監督本人が述べている通りチームとしては下り坂を続けており、今の巨人は過去の遺産を喰い潰した末のFA外国人選手依存のチームと成り果てています。
こうなることはかなり以前の段階でわかっていたことでした。おそらくなんとかこの状況を打開出来た最後の機会が清武ショックのあった3年前だったと思います。
結局、その時には巨人フロント、そして悲しいことにかなり多くの巨人ファンが現状維持を望み、旧態依然としたチーム運営の果てに取り返しの付かない状況にまで至ってしまいました。
後任の監督候補として江川監督を支持する声が大きいようですが、その理由で最も多いのは華があるからだそうです。残念ながらこういう人たちの頭のなかの巨人像は未だに地上波で毎日巨人戦が放映されていた頃のままなのでしょう。
過去、巨人は間違いなく12球団で別格の存在であり、その存在抜きには他球団は存在できませんでした。それはテレビ、ラジオ、新聞などのマスメディアすべてを巻き込んだ軍産複合体ならぬ球媒複合体の力そのものでした。しかしその流れは確実に変わりました。すでにテレビの影響力は低下し、国民すべてを巻き込むような娯楽は成り立たず、嗜好の細分化、コア化が進んでいます。その影響はおそらく12球団でも巨人が最も大きいのではないでしょうか。もはや巨人は別格の存在ではなく、単なる12球団の1つ、one of themとなりつつあります。日本テレビ系ネットによる全国地上波中継が無くなったときがかつての巨人の終焉となるでしょう。その流れは誰に求められません。かつてのように強引なドラフト戦略、FA市場での独壇場は不可能になるでしょう。これからの球団戦略はより良い選手を見つけ、より確実に育て上げるという、他球団がこれまでやっていた(そして巨人が最も不得意とする)方法以外ではやっていけなくなるでしょう。それについていけなければ巨人は20年前の阪神のように凋落した名門チームとして嘲りの対象となるのみでしょう。
それを避けるには一刻も早くフロントーチームの組織を近代化させなければいけません。オーナーの理不尽な思いつきや監督の場当たり的な要望でチームの人事・補強・ドラフト戦略が左右されてはなりません。識見、人格、決断力、そして何より権限を持った責任者(本来のGM)がチームの方針を立て、それをスタッフが全力で支える組織を作らねばなりません。監督は絶対権力者やただの客寄せパンダではなく、チームの長期戦略を理解しつつ与えられた1,2軍の全戦力を把握し最大限にチャンスを与え、見守る胆力を持つ人間でなければなりません。
江川さんにこれらの資質があるかどうか私にはわかりません。何十年も現場を離れ、指導者の経験が皆無に等しいのに誰にそれが分かるでしょう。そのような人に監督をさせるということは江川さんの知名度のみを期待し、江川さん個人の力量には何ら期待していないということなのでしょう。私個人としては川相コーチが現状の選択肢としては最善だとは思います。ただし、フロントを含めた改革が必須であることは代わりません。少しずつですが巨人が”まっとうな”チームになっていくことを望みます。
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