門外漢 ラグビーを語る  みたいな

「ベニテスよしといた方がいいですよキャンペーン」の甲斐あって
ようやくヤツは年内で去ることになりました。
インテル・ティフォジにとっては この上ない朗報です。
後任は熊じゃない方のレオナルドです。
ウワサに上がってたスパレッティの方が経験も実績もあるので
モラッティさんはそっちにするかと思ったら ロシアでのシバリがきついらしく
ミランに一泡吹かせちゃる 
みたいな レオナルドの恩讐方面のパワーに期待したらしい。
ライバル・チームから来るとは言っても
選手として尊敬を集めるタイプだったので
リッピみたいなことにはならないでしょう。
つーか そうならないことを祈りますw


さて まんまと3億円あまりの違約金をせしめたベニテスはどこへ行くのでしょう。
はじめからソレ狙いだったとしか思えない雑な仕事ぶりでしたがw

戦術面での評価が高いと言われてますけど
レッズでの成功はジェラードやトーレスの個人能力に負うところが大きく
ヤツらが長期離脱すると どーにもならなくなりましたね。
インテルへ来て モウリーニョと違うところを見せようってことで
細かく繋ぐ方面を目指しましたけど
これはモウリーニョへのアンチ・テーゼというより
同じスペイン人として自分より持てはやされてるグアルディオラを意識してのこと
と思えてなりません。
監督としては先輩格だから オレのがデキル つーとこを見せたいんでしょうね。
レッズでは それを意識し出してからチームの調子が狂っちゃったけどw

寄せ集めのレッズと 下部組織から叩き込まれてるバルサじゃ 
選手の育って来た境遇に違いがありすぎて
高い錬度や精度が要求される素早く繋ぐサッカーを実現することは困難を極めます。
負傷者続出だったインテルではなおさらです。
アブダビで優勝してもモウリーニョの遺産で勝ったとしか思われず
クビはデフォだったとは言え おめでたい席で恨み言を並べ
顰蹙を買っちゃいました。
人の上に立つ人間としての資質さえ疑われちゃってます。
グアルディオラに優るとか劣るとか以前に
指導者が持つべき器量とか 発する言葉の選び方とか
あらためて勉強し直さなければなりませんね。
このままだと 実績は申し分なくても行く先々で途中解任されまくり
しまいには違約金ハンターとか呼ばれかねないしw


そんな彷徨えるラファエル・ベニテスさんにうってつけの映画があります。
(さっき観たんだけどw
 
モーガン・フリーマンとマット・デーモンの「インヴィクタス」です。
苦手のラグビーの映画だし ちょっと敬遠してましたが
話が出来すぎとは言え 
実話の持つ重みと感動的なエピソードの数々に心が動かされます。
「マンデーラの名もなき看守」も観たけど アレの後日談と言えなくもない。
とにかく ネルソン・マンデーラってスゲェ~ と唸らされました。
ま ベニテスにあそこまで目指せとは言わんけどw


肝心の95年ラグビー・ワールド・カップの試合シーンは冗長すぎて
特にオール・ブラックスとの決勝戦はペナルティ・ゴールばっかで
しかもそれでなんで3点ずつ入っちゃうんだよw
大味すぎにも程がある!! と突っ込みたくなるんですが
時折 おっ! と思わせるセリフやエピソードが挟んであって
モーガン・フリーマンがクリント・イーストウッドに監督を依頼した際
脚本を読んでふたつ返事で引き受けた理由も分かろうってもんです。

大統領に就任し働きづめのマンデーラに 周囲は休みを取ることを勧めるんですが
刑務所で30年間休んでたから大丈夫 と答えたり
黒人の大統領になって 官邸の白人職員が居づらくなることを心配し
今までと同じように働いてくれればいい と声をかけたり
なにより 南アではラグビーは白人のスポーツ サッカーは黒人のスポーツ
てのがデフォだったのに
その垣根を取っ払うことで国民の一体感を生み出そう
つー理念を掲げ それを成し遂げちゃったり
テロリスト呼ばわりで自分を幽閉してた白人に対する恨みなんかおくびにも出さず
逆にすべて赦す姿勢で一貫してるマンデーラって スゲェ~ としか言いようがありません。

就任当初 周辺警護は黒人が担当してたのに
白人の公安警察 (それはかつてマンデーラらを弾圧してた組織なのに
そこからも人材を登用して黒人と共に警護に当たらせたりしたので
現場はかなりピリピリモードでしたが
代表チーム(愛称スプリングボックス あるいはボカと呼ばれる)が勝ち進むに連れ
黒人と白人のわだかまりが消えて行きます。
まさに マンデーラ効果w

てか アパルトヘイトの影響で国際試合から締め出されてたボカは
当然のように実力が低下し 人気も低迷してたそうな。
この機に乗じてマンデーラの就任で意気上がる黒人勢力は
代表の愛称やチーム・カラーの変更を目論見ますが
そんなことしたら人種間のミゾが深まるだけと諭し
現行のままを強く推します。

自国開催なのにチーム状態が上向かないことも憂慮し
キャプテンのピーナール(マット・デーモン)を官邸へ呼び
30年の投獄体験から得た重みのある言葉 
「くじけるな」を送って励まし
電撃に打たれたような衝撃を受けたピーナールは
チームにそのスピリットを注入し続け 
見事マンデーラの期待に応えました。
とにかくスゴイ マンデーラ効果w


そのほか印象的だったのは

ピーナールが決勝戦のチケットを家族に渡すシーンなんですが
両親とヨメ 3枚あればいいのに4枚渡します。
4枚目は若い黒人の女中用だったんですね。
怪訝な表情の両親&ヨメをよそに
満面の笑みを浮かべる女中。 ( ←ここでオレ もう泣きそうw

そして決勝開始直前
大型ジェット機がスタジアム上空に低空飛行で接近。
すわっ!! スタジアム・テロかと色めき立つ大統領警護チーム。

大統領を避難させろ!!

ダメです 間に合いません!!

操縦席では コー・パイが

なにするんですか!!!! と慌てまくり

大丈夫 責任はすべてオレが持つ とキャプテン。

スタジアムを揺るがす轟音を響かせながら通過する機体の下部には

ガンバレ ボカ の文字。 ( ←ココで涙腺決壊w

ゴミ拾いで生計を立ててる黒人少年が
パトカーを止めてラジオの実況中継に聞き入る警官から
早くあっちへ行け と指図されても立ち去らず
実はゴミを拾うふりをしてラジオに聞き耳を立ててたりして
延長にもつれての逆転勝ちに警官と一緒に喜びを爆発させたりもし
これらもすべて実話だったらしい。

暴れ者がやる紳士のスポーツがサッカー
紳士がやる暴れ者のスポーツがラグビー
みたいなベタな箴言を白人SPがつぶやくと
黒人SPが食って掛かるシーンも面白かったです。
試合のシーンを除き 確かに脚本はよく出来てました。


つーか この映画のラグビーってキャプテンばっか光を浴びて
監督がほとんど役立たずになってましたから
ベニテスには参考にならんかw


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