CIS杯 決勝 〜オールドファーム・ファイナル

  • Nobu
    2009年03月20日 08:48 visibility253


 

【セルティック メンバー】

GK ボルツ
DF ヒンケル、マクマナス、ルーフェンス、オデイ


MF コールドウェル、ハートリー、S.ブラウン、中村

FW マクギーディ、マクドナルド

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サブ M.ブラウン、サマラス、V.O ヘッセリンク

    クロサス、ウィルソン

 

 

――――――――――――――――――――――

セルティック  2−0  レンジャーズ

  

得点者

 

【セ】オデイ(延前半1分)

   マクギーディ(延後半15分)

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CISこと、コオペレイティブ・インシュランス杯の決勝が、ハンプデン・パークで行われた。

1月に行われた準決勝については、こちらをご参照ください。



 

準決勝こそ空席が目立ったスタジアムだが、今日は決勝戦。

しかも6年振りのダービー決勝というのだから、お客が入らないわけはない。

国立競技場はセルティックファン、レンジャーズファンで溢れ返った。

 

 

 

普段とは違うメンバー構成で臨んだストラカン



 

リーグ戦では通常、4-4-2システムで戦っているセルティックだが、

この日の選手の顔ぶれは若干異なっていた。

 

ディフェンスラインとボランチの間にコールドウェルを入れ、ロングボール対策。

そして右サイドには中村ではなく、久しぶりの出場となったハートリー。

左サイド寄りのセンターに中村、その横にブラウン。

左ウイングにマクギーディ(発表では2トップとなっていたが、サイドでのプレーが多かった)。

ワントップにマクドナルドという面子だった。システムは4-5-1に近い。

 

この形は今回が初めてではなく、

CLなどで強豪と対戦した時に、何度か披露されたことはあった。

 

 

レンジャーズは肉弾戦に強く、ロングボール主体の攻撃を仕掛けてくる。

中盤が省略された試合になる可能性は高く、

クロサスとブラウンでは心許ないと感じたのだろう。

 

個人的には、普段のシステムで挑んで欲しかったなとは思う。

中盤でボールを落ち着かせることのできるクロサスは起用して欲しかった。

”MF-コールドウェル”には、不安を抱かざるを得ないが、果たして…

 

 

 

序盤は拮抗した展開に

 

 

前半10分まで、両チームとも中盤での潰し合いが続いた。

ダービーということもあり、そのワンプレーワンプレーに会場も沸く。

レンジャーズの攻撃は予想通り、2トップのミラー、ラフェティーにボールを当て、

彼らのキープから中盤のファーガソンやマッカロックが絡むというものだった。

 

 

会場が大きく沸いたシーンは、前半12分。

レンジャーズ、左サイドバックのパパッチが混戦から抜け出し、ボルツと1対1に。

幸いにもオフサイドフラッグが上がり、ここは副審に助けられた。

 

 

セルティックに訪れた最初のチャンスは、前半15分。

左サイドをマクギーディと中村で崩し、最後はマクドナルドがシュートまで持ち込む。

残念ながら枠を大きく超えていったが、両チーム見せ場を作り始め、

試合は徐々に激しさを増していく。

 

 

中盤でのボール強奪合戦の中、

この時間、一際目立っていたのがハートリーだった。

 

2年前ハーツから加入したスコットランド代表のハートリー。

今シーズンはリーグ序盤からスタメンに定着していたが、

最近は自身の怪我や、チームメートの台頭でレギュラーの座を失っていた。

 

そんな彼が、この大事な決勝戦で先発復帰。

「ストラカンは僕のことを信頼してくれている。準備はできている」

という試合前の言葉通り、彼は水を得た魚のようにピッチで躍動していた。

 

ハートリーの懸命な守備もあって、20分過ぎからはセルティックペースとなった。

 

 

25分、中盤で2〜3人が絡む細かいパス回しから、S.ブラウンがミドルシュート。

これはわずかにバーの上を通過。

続く27分、マクドナルドの落としをマクギーディがダイレクトシュート。

これもゴール右へ大きく外れてしまった。

 

この時間帯から、セルティックにかすかな得点の匂いが漂い始めたかに見えた。

…が、これはリーグ戦ではなくカップ戦。それもダービー決勝だ。そう簡単にはいかない。

 

 

 

35分まで得点が取れずにいると、やがていつものミスが目立ち始め、

完全にレンジャーズペースとなる。

 

前半終了間際の44分、レンジャーズにビッグチャンス。

193cmの長身FWラフェティーが相手を背負いながら強烈な右足シュート。

これはボルツがなんとか弾き出しCKに逃れたが、

前半で最もゴールを予感させたシーンだった。

 

 

 

 

いかに中盤でのパスミスを減らすか

 

 

ダービー決勝前半は、両チームスコアレスで終えた。

レンジャーズはラフェティーのポストプレーが効いており、

セルティックにとって非常に脅威となっていた。

 

一方のセルティックは、序盤こそ良かったものの、

時間が進むにつれ単純なミスが多くなり、相手に主導権を握られてしまった。

 

 

ブラウンが相手のボールをカット。そのままガツガツと前へ突進


奪われる

コールドウェルが中盤で奪い返す

コールドウェル、相手へパス


以下ループ…

 

 

後半は簡単にボールを失わず、保持率を高めることでリズムを掴みたい。

そのためにも前半はボールに絡む機会の少なかった中村に期待したいところだ。

 

 

 

 

後半はレンジャーズが圧倒

 

 

後半が始まってもセルティックは悪循環に陥ったまま、レンジャーズに圧倒され続ける。

デイビス、ラフェティーが積極的にシュートを放ち、セルティックの最終ラインを上げさせない。

 

こんな時こそ、中村のセットプレーで流れを変えたい。

60分、 ペナルティーエリア右手前でマクギーディが倒され、絶好の位置でFKを獲得。

もちろんキッカーは中村。何度も壁が近いと主審にアピールし、蹴るタイミングを覗う。

一度フェイントを入れてからファーへ蹴ったボールは、

GKマクレガーに読まれライン外へ弾き出される。チャンスを物にできなかった。

 

 

セルティックは69分にもCKからゴールに迫るシーンを作るも決めきれず、

それ以降の20分間はレンジャーズに怒涛の攻撃を許した。

 

それを何とか耐え凌ぐと、試合は後半を終了し延長戦へと突入。

 

 

 

 

早い時間での先制ゴール

 

 

延長始まって間もない1分、左サイド深い位置でマクドナルドがFKを獲得。

ハートリーは後半で交代していたため、キッカーは中村。

短い助走から放たれたボールはオデイの頭へピンポイントで合う。

オデイのヘディングシュートが決まり、セルティックが先制!!

 

セルティック・ユースアカデミー卒業生の若武者が、大舞台で大仕事をやってのけた。

この得点にはストラカンもはしゃぎ回る! 



 

 

この早い時間で先制点を奪えたのは大きく、ここからセルティックがペースを握り始める。

 

5分に中村のパスを受けたブラウンがわずかに枠の上を超えるミドルシュート。

10分にも中村のスルーパスからサマラスが1対1になるも決めきれず。

 

レンジャーズにも焦りの色が見え始め、11分にはイラついたファーガソンが

セルティックのレノンコーチにいちゃもんをつけ、一触即発の雰囲気に。

 

 

ここで延長前半が終了し、エンドを変え後半。

 

 

 

後半は1点の余裕からか、セルティックにミスはなくなり、

逆にレンジャーズは連動性がなくなり、パワープレーに頼るしかなくなった。

 

迎えた延長後半17分、マクギーディがペナルティーエリアでファウルを受けPKを獲得。

これを本人が直接決め、セルティックがダメ押しのゴール!

 

 

 

試合はここでタイムアップを迎え、

セルティックがコオペレイティブ・インシュランスの栄冠を手にした。



 

 

 

良くも悪くも両チームらしさが出た試合

 

 

試合を総括すると、セルティックの完勝とまでは言い切れない。

レンジャーズにも十分勝つチャンスはあった。

どちらに転んでもおかしくない試合ではあったと思う。

 

でも最終的にはセルティックが勝利を手にした。

あまり良い試合内容でなくてもきちんと物にする辺りはさすがだ。

ここがセルティックの強さでもある。

 

一方のレンジャーズとすれば、90分間では終始ペースを握っていただけに、

運がなかったとしか言いようがない。

リーグタイトル奪取に全力をかけてくることだろう。

 

 

何はともあれ、セルティック優勝おめでとう。

次節は3月22日のリーグ、ダンディーU戦。

2冠を目指し、リーグでも奮闘を期待したい。

 

 

 

 

 

【選手採点】

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GK 1 ボルツ 6.5

ファインセーブを連発。改めて能力の高さを証明した

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DF 2 ヒンケル 6.0

守備で走り回る。攻撃でも何度か好クロスを上げた

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DF 22 ルーフェンス 6.5

守備だけでなく、攻撃でも決定的なチャンスを作った

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DF 4 マクマナス 6.0

高さで競り負けなかった

――――――――――――――――――――

DF 48 オデイ 7.0

ゴールだけでなく、守備でも安定したパフォーマンス

――――――――――――――――――――

→ DF 12 ウィルソン 5.5

久しぶりの実戦復帰も、ミスはなかった

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MF 5 コールドウェル 5.5

フィジカルでは負けなかったが、パスミスが多すぎた

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MF 11 ハートリー 6.0

珍しい右サイドでの出場もミスなくこなす

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→ FW 9 サマラス 5.5

サイドを動き回って起点を作るも、無念の負傷退場

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→ FW 10 V.O ヘッセリンク -

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MF 8 S.ブラウン 7.5

尋常じゃない運動量。本人曰く「まだやれた」

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MF 25 中村俊輔 6.0

オデイの値千金ゴールをアシスト

――――――――――――――――――――

FW 46 マクギーディ 6.5

積極的に仕掛けた姿勢は○。もう少し周りを使えれば…

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FW 7 マクドナルド 6.0

ゴールはなくとも前線の潰れ役として貢献

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