トレードで巨人にやって来た久米と立岡のプロ入り時の評価はどのようなものだったのか?そして、その評価はどのように変わって行ったのか?

  • 舎人
    2012年06月19日 04:42 visibility30992
先週の水曜日13日に巨人とソフトバンクの2対2のトレードが発表されました。私は夜までこのことを知らずにいたのですが、茶柱さんからのメールで初めて知ったのでした。巨人から出されるのはロメロと福元、共に一軍での出番がなくファームでくすぶっている選手です。ロメロは昨年、一時は一軍で抑えの切り札に抜擢されながらも疲れがたまりやすい体質なのか、シーズンが深まるにつれて徐々にキレを失い、生彩を欠いて行くようになりました。今年は新外国人のマシソンが安定した活躍を見せているため、他の外国人投手のケガでもない限り一軍から呼ばれることはない状態でした。それと、今年のロメロを見て思ったことは、昨年よりも球筋は安定しているものの、どうも球威に欠け、迫力不足な気がします。制球を気にするあまり、荒々しい本来の持ち味まで消えてしまった気がします。そのために、なんだか凡庸な投手に見えて仕方ありませんでした。制球が心配でもまだ、昨年までの打者を力で圧倒する投球をしてくれた方が一軍へ近づけた気がしました。一方の福元は昨年、育成から支配下選手になったものの、これはどうも実力というよりも、その野球に取り組む姿勢や、他の育成選手に与える影響を鑑みて支配下に引き揚げた意味合いが強い気がしました。守備を期待されて入団したものの、川相監督からもあまり守備は評価されていない感じでしたし、実際、普通に守れる程度で、名手とはいかない感じでした。また、小技もあまり上手くありません。ただ、打撃だけは年々成長をしていた気がします。しかし、年齢的にも今年の夏で29歳を迎える訳ですから、その打撃の成長も今後はそれほど期待できないでしょう。要するに今使ってもらえなければ意味のない選手なのだと思います。



清武さんは福元の支配下昇格について、二軍のスタッフからの強い要望があって(原監督の意向を確認せずに)支配下に引き揚げたと話しています。そのことが清武さんと原監督の衝突の原因の1つではないかと囁かれたりしました。しかし、今回のトレードにそのような確執めいたことは関係なかったと思います。ロメロにしても福元にしても、体力作りや技術アップの段階の選手ではないのです。にもかかわらず、巨人にいては出番が回ってこない。言わば“死に駒”となっているのですから放出してあげた方が本人のためでもあるのです。おそらくロメロはソフトバンクの本拠地ヤフードームでは、一発を気にせず、ノビノビと投げ込むことで昨年の良い時の状態に戻るかもしれません。大きな戦力になると私は思います。また、福元も走攻守抜きん出たものはなくても、バックアップ要員としては内外野守れる便利な選手だと思ってもらえるかもしれません。二人にとってこのトレードは間違いなくプラスになると私は思います。



トレードの当日、茶柱さんからいただいたメールに注目すべきことが書いてありました。『このトレードで留意すべきことは育成出身の選手を育てて、ドラフト上位で入団した選手と交換したことです』ロメロと福元に今までつぎ込んできた費用は、年俸や契約金の全てを足しても、二人で1億円は行っていないでしょう。それに対し、久米のプロ入り時の契約金は8000万円、立岡は6000万円だそうです。これだけでロメロと福元の総経費を上回ってしまう。さらに年俸や年間のランニングコストとかを加えれば、ロメロたちの3倍以上久米と立岡にはつぎ込まれてきたのではないかと思います。巨人は廉価で仕入れた素材で作った料理を提供する代わりに、高級食材を手に入れたようなものです。すぐ食べるという点ではソフトバンクが得したかもしれませんが、巨人はこのトレードで普通ではできない素晴らしい料理を作ることが可能になったのかもしれません。もっともその食材は、高いだけで期待ほどの味でなかったり、やや痛んでいる可能性もありますが・・



しかし、久米も立岡も、アマチュア野球には疎い私でもドラフト時名前が出ていたのを覚えていた選手でした。久米はドラフト3位、立岡は2位です。巨人でいえば一岡や鬼屋敷がトレードに出されてしまったようなものです。大卒5年目の久米はまだしも、高卒4年目の立岡は大田や橋本と同期です。あまりに見切りが早いと思います。あれほど高かった彼らがどのように評価が変わったのか?それを当時の新聞や雑誌などから調べてみることにしました。



まずは二人のドラフト時の評価から見て行きます。



久米勇紀



野球小僧 2007年10月号

評価○ 豪快な腕の振りのサイドハンドは右打者が腰を引く。145キロ前後とスライダー勝負

どんな選手?/桐生一高ではほとんど二塁手をつとめ、投手は大学から専念。それでもサイドハンドから140キロ台の強い速球を投げられるのは非凡な才能。エネルギーロスのない「投」はこれから勉強だ。

注目ポイント!/腕が抜けて飛んでいきそうな腕の振りが財産。これが立ち上がりからフル回転できたら。軸足で腰を押し込んで体重移動ができれば、腕は楽に振れる。

先発タイプ3/5 

リリーフタイプ2/5 

コントロールタイプ3/5 

スピードタイプ4/5

駆け引き C/守・牽制 C

即戦力度1/5



アマチュア野球 Vol.14(07大学生・社会人ドラフト総力特集)

評価BA 高校時代は内野手で、大学から本格的に投手に転向した異色の選手。サイドから投げ込む140キロ台のストレートは威力十分。プレ五輪の日本代表にも選出され、3試合投げて無失点と好投した。



日刊スポーツ 2007年11月20日

ソフトバンク ドラフト3位

栃木県出身 22歳 投手 1985・9・10生 180・75 右右 O型

桐生一高--明治大学

①プロフィル:サイドからの直球は最速148キロを誇る豪腕。甲子園4強の高校時代は内野手、本格的な投手転向は大学からという変わり種

②50m走/遠投:5秒9/105メートル

③家族:父、母、兄



スポーツ報知 2007年11月20日

ソフトバンク ドラフト3位

①出身校:桐生一高ー明治大

②出身地:栃木県

③生年月日、年齢:85・9・10、22歳

④身長・体重、投打:180・75、右右

⑤寸評:内野手から投手に転向して急成長。150キロ近い直球を武器に今夏はプレ五輪日本代表にも選ばれた



スポニチ 2007年11月20日

ソフトバンク ドラフト3位(22歳=栃木 1985・9・10生)

桐生一高(甲子園出場)ー明治大

1メートル80 75キロ 右投右打

大学入学後に内野手から投手に転向した変わり種。右横手からのスライダーの切れは絶品



プロ野球間違いだらけの12球団 2008年版 小関順二著

3巡目の久米勇紀(明大・投手)は桐生一高時代の03年夏の選手権で、2番二塁手でスタメン出場している。どんな選手かほとんど記憶になく、明大に入ってからも1年秋まで野手登録で、本格的に投手に取り組んだのは2年からという晩生タイプである。大きく注目されたのは、星野仙一・日本代表監督が指揮したプレ五輪の代表メンバーに選ばれてからだろう。そのプレ五輪では1次リーグのフランス戦が2回無失点、準決勝のフランス戦が1回無失点、決勝の中国戦が2回無失点という上々の結果を残し、星野監督をして「プレ五輪の立役者と言わしめた。140キロ台前半のストレートに大きな横変化のスライダー、これにシンカーを交えた横の攻めで打者を翻弄する本格・技巧という味わいの投手。投手陣が非常事態に陥っている現在のソフトバンクなら、入り込むスキはいくらでもありそうだ。







立岡宗一郎



野球小僧 2008年10月号

評価◎ 強肩抜群の守備と外野手のわずかなスキを突けば走塁はプロ級。打も今夏は右方向へ痛打

どんな選手?/高校球界の新庄剛志(元日本ハムほか)と呼びたいエネルギッシュで華やかなプレースタイル。自然に動いてそう見えるのは、抜群のスピードと野球センスのせい。根拠があってスキのない走塁に強肩はすでにプロ級。観客を呼べる能力だ。

注目ポイント!/勝つ野球に徹して、中堅から右中間へ打ち返していた今夏。欲望を抑えたプレーは「大人の野球」への第1歩だ。

長距離タイプ4/5 

確実タイプ3/5 

読みタイプ3/5 

対応タイプ4/5

守備力 A/走塁力 A

完成度4/5



アマチュア野球 Vol.19(08ドラフト高校生編)

評価BA 九州No.1と評判の大型外野手。下級生のころからセンスは飛び抜けたものがあったが、体の成長に伴い、プレーに迫力が出てきた。三拍子揃っており、地元・ソフトバンクなどが熱い視線を送っている。



日刊スポーツ 2008年10月31日

ソフトバンク ドラフト2位

熊本出身 18歳 内野手 1990・5・18生 180・78 右右 A型

鎮西高

①プロフィル:身体能力が高く走攻守3拍子そろう九州屈指の逸材。強肩を生かした外野からのレーザービームで観客を魅了する。チームの主将として活躍。

②50m走/遠投:5秒9/105メートル

「宙返りも継承!!」さすが秋山2世

「秋山2世」が、トリプル3と宙返りも受け継ぐ。「守備、走塁が自分の売り。打撃も鍛えて、スピードあふれる選手になりたい」と笑顔を見せた。野球部の江上寛恭監督(41)は「3割30本30盗塁ができる、スケールの大きな選手になってほしい。まず、宙返りの練習をさせる」と同じ熊本県出身の秋山監督の偉業とパフォーマンス継承へハッパをかけた。



スポーツ報知 2008年10月31日

ソフトバンク ドラフト2位

①出身校:鎮西高

②出身地:熊本県

③生年月日、年齢:90・5・18、18歳

④身長・体重、投打:180・78、右右

⑤寸評:全身バネのような体で50メートル5秒9、遠投110メートル。高校通算28本塁打と三拍子そろった逸材



スポニチ 2008年10月31日

ソフトバンク ドラフト2位(18歳=熊本 1990・5・18生)

鎮西高(県大会8強)

1メートル80 78キロ 右投右打

高校通算28本塁打の長打力と広角に打ち分ける打撃はセンス抜群。50メートル5秒9の秋山2世



プロ野球間違いだらけの12球団 2009年版 小関順二著

2位・立岡宗一郎(鎮西高・内野&外野手)は、「秋山二世」の異名をとる強打者だ。宮崎キャンプでひときわ目立ったのは背番号「7」。昨年まで大村直之(オリックス)が付けていた背番号を高校卒の新人が付けている、それだけで期待の高さがうかがわれる。高校生がはじめてプロのキャンプに参加すると体のひ弱さが目立つ。胸板の厚みがなく、平板な印象があるのだ。しかし、立岡にはそういう薄っぺらさがない。一軍の練習に参加していた福田秀平(高校卒3年目)ですら依然として体作りの途上にあるのに、である。08年センバツ大会の決勝を見ずに熊本に飛び、春季熊本大会の準決勝を見たのは、立岡の評判が高かったからだ。バッティングはゆったりと「2」で始動し、ステップも慎重に粘り強く出す。気に入らないのはボールに対して斜めに入っていくインステップとヘッドが出ないスイング。観戦ノートには「悪い時の清原みたい」と書いた。そういう悪癖を抱えながら、立岡のバットからは強い打球が放たれた。そして、第2打席の遊撃ゴロのときの一塁到達は4.25秒と、俊足であることを示すタイムが弾き出された。シートノックではセンターの定位置からホームまで強い球筋のワンバウンド返球を見せ、4回と7回の攻撃のときにはブルペンに走って投球練習をするという二刀流。立岡は140キロを超える本格派右腕という側面も持っているのだ。ソフトバンクの高校卒は育たないと書いたが、その閉塞状態を破るのは立岡だと思う。





二人とも素晴らしい評価です!久米はサイドから投げる豪速球投手、立岡は走攻守揃ったアスリート型の選手だという評価が定着していたようです。なんだかこれなら上位指名も納得がいく評価です。



その彼らが、その後どのようなプロとしての道を歩んだのか。まずは年度別成績



久米一軍成績

2008年 40試合 4勝1敗 3S 15H 36回  防御率3.25

2009年 18試合 1勝0敗 0S 01H 19回  防御率2.37

2010年 04試合 0勝0敗 0S 00H 03回  防御率18.00

2011年 登板なし

2012年 登板なし



久米二軍成績

2008年 08試合 0勝0敗 0S 08回  防御率6.75

2009年 登板なし

2010年 24試合 1勝0敗 1S 23回1/3  防御率1.16

2011年 32試合 2勝1敗 2S 43回  防御率1.26

2012年 19試合 1勝4敗 1S 25回1/3  防御率4.62



立岡一軍成績

2009年 出場なし

2010年 01試合 0打-0安 0本 0点 0盗塁 率.000 出塁.000

2011年 出場なし

2012年 出場なし



立岡二軍成績

2009年 61試合 108打-24安 2本 15点 2盗 率.222 出塁.236

2010年 45試合 067打-12安 0本 07点 6盗 率.179 出塁.247

2011年 14試合 024打-07安 0本 01点 0盗 率.292 出塁.320

2012年 34試合 088打-21安 1本 05点 3盗 率.239 出塁.244





久米は新人の時だけ、後はファームの肥やしのような投手に成り下がっています。立岡に至ってはほとんど鳴かず飛ばず、同期のトップランナー西武浅村に比べるまでもなく、巨人の大田や橋本に比べても、この数字はさみしいものがあります。なんだか年々力強さが無くなってきて、ただの俊足選手に成ってしまったような印象です。



彼らの評価がどのように変わって行ったのか?野球小僧の選手名鑑「世界野球小僧」と週刊ベースボールの選手名鑑の紹介を各年度ごとに見てみます。





2008年



野球小僧世界選手名鑑2008



久米勇紀(新人)

どんな選手?/身体能力の高いサイドスロー。抜群の体のバネが魅力。桐生一高当時はおもに二塁手を務め、大学から投手に専念した。それでも140キロ台の強い真っすぐを投げられる才能は非凡。

観戦ポイント/抜けて飛んでいきそうなほどの腕の振り。

お節介アドバイス/昨年は安定感こそ増したが小さくまとまり、本来の姿が影を潜めた。多少、荒れ球の方が打者は嫌がるはず。ガンガン攻めていた下級生時の投球スタイルを取り戻そう。

先発タイプ2/5 

リリーフタイプ3/5 

コントロールタイプ3/5 

スピードタイプ3/5

駆け引き C/守・牽制 B

活躍予想 梅↑



週刊ベースボール選手名鑑2008年



背番号39 久米勇紀=1年目 年俸:1200万円

一番の思い出:大学入学後にやりたかった投手に転向できたこと。

寸評:高校時代は一番・二塁(主将)として甲子園に出場。大学入学後に投手に転向して才能を開花させた。東京六大学通算9勝







2009年



野球小僧世界選手名鑑2009



久米勇紀(2年目)

どんな選手?/セットアッパー候補。昨季は新人ながらチーム最多の19ホールドをマーク。シーズン後半はへばったが、前半は馬原不在の苦しい救援陣の中心で奮戦した。

観戦ポイント/MAX147キロの威力あるストレート。投球割合は66%を占める。

お節介アドバイス/左打者に被打率4割と痛打され、対左を一番良く抑えたシンカーも被打率.286だった。このボールの精度を上げ、真っすぐに頼りすぎない組み立てをしよう。

先発タイプ1/5 

リリーフタイプ4/5 

コントロールタイプ2/5 

スピードタイプ4/5

駆け引き C/守・牽制 B

活躍予想 竹↓



立岡宗一郎(新人) 

どんな選手?/身体能力とエネルギーの塊のような新鋭。高校時は通算28弾の強打と俊足・強肩の外野手で鳴らした。ドラフトでは内野手として指名され、新たな戦いに挑む。

観戦ポイント/臨機応変な走塁。相手外野手の捕球体勢にスキがあると、暴走にも見える二進を決行してベースを奪う。スピードとともに一瞬の判断感覚が抜群。勝利に貢献できる快速だ。

お節介アドバイス/動きの初動、スイングの振り出し。瞬発力系の強化をぜひ。

長距離タイプ3/5 

確実タイプ2/5 

読みタイプ1/5 

対応タイプ4/5

守備力 C/走塁力 C

活躍予想 梅↑



週刊ベースボール選手名鑑2009年



背番号39 久米勇紀=2年目 年俸:2500万円△

一番の思い出:プロ初登板でパ・リーグ49年ぶり新人開幕戦勝利投手に

寸評:中継ぎ陣の柱として期待のサイド右腕



背番号7 立岡宗一郎=1年目 年俸:700万円

一番の思い出:練習試合でバックスクリーンに2打席連続本塁打を打ったこと

寸評:高卒深新人ながら与えられた背番号が1ケタ台ということからも期待の大きさがうかがえる。攻守走三拍子そろった身体能力抜群の「秋山二世だ」







2010年



野球小僧世界選手名鑑2010



久米勇紀(3年目)

どんな選手?/右の中継ぎ候補。08年は大奮投も、昨季は6月に右手首を骨折して18試合に止まった。それでも、対イニング先頭では被打率.056。救援投手としてのポテンシャルの高さを示した。しっかりケガを完治させて、今季は巻き返したい。

観戦ポイント/投げっぷりのよさ。特に真っすぐは被打率.154と抜群だ。

お節介アドバイス/得点圏の場面でよく打たれて被打率.333だった。走者を背負った時の組み立てが課題になる。

先発タイプ1/5 

リリーフタイプ3/5 

コントロールタイプ2/5 

スピードタイプ3/5

駆け引き B/守・牽制 B

活躍予想 竹↑



立岡宗一郎(2年目) 

どんな選手?/未体験ゾーンに挑む俊足選手。高校時は外野も、昨季は二塁、三塁、遊撃を守る。16失策と苦渋をなめながら、夏場からはマルチ安打を再三マークし、打に頭角の兆しが。

観戦ポイント/盗塁。50メートル5秒8の俊足も昨季はウエスタンで2盗塁のみ。スタートで右足にすっと体重を落とす感覚を覚えたい。

お節介アドバイス/時間がかかると思われた打の進境が著しい。足で相手内野陣にプレッシャーをかけられる打者に。

長距離タイプ2/5 

確実タイプ2/5 

読みタイプ2/5 

対応タイプ2/5

守備力 C/走塁力 C

活躍予想 梅↑



週刊ベースボール選手名鑑2010年



背番号39 久米勇紀=3年目 年俸:2100万円▼

一番の思い出:プロ初登板でパ・リーグ49年ぶり新人開幕戦勝利投手に

寸評:新人年の獅子奮迅の投球を復活させる。



背番号7 立岡宗一郎=2年目 年俸:700万円±

一番の思い出:練習試合でバックスクリーンに2打席連続本塁打を打ったこと

寸評:プロ入り後に本格的に内野手に転向。今季は実戦でさらなるアピールだ







2011年



野球小僧世界選手名鑑2011



久米勇紀(4年目)

どんな選手?/第一線に返り咲きたいサイドハンド。1年目には主にセットアッパーとして40試合に登板。内外角をスライダー、シュート、フォークで揺さぶる貴重な中継ぎとして活躍したが、2年目は6月に右手首を骨折。昨季はファームでの登板で防御率1.16。復活ののろしを上げた。

観戦ポイント/電光石火の牽制球。マウンド周りの打球処理も見事で、さすが内野手出身だ。

お節介アドバイス/立て直し方、すべてわかっているはず。

先発タイプ1/5 

リリーフタイプ3/5 

コントロールタイプ2/5 

スピードタイプ3/5

駆け引き B/守・牽制 B

活躍予想 竹↑



立岡宗一郎(2年目) 

どんな選手?/内野手修行中の快足選手。プロで始めた内野手を懸命に勉強。主に三塁、二塁を守りまだ守備率も低いが、ずば抜けた身体能力が将来性だ。A組スタートの今キャンプでからどこまでしがみつけたか。

観戦ポイント/ロングでのベースランニング。50メートル5秒台、ピューマのような躍動感あふれる華麗な走塁だ。

お節介アドバイス/昨季の初昇格は枠が空いていたための「体験昇格」。次は実力で上がって、落ちてこない確かな「結果」を。

長距離タイプ1/5 

確実タイプ2/5 

読みタイプ1/5 

対応タイプ2/5

守備力 C/走塁力 B

活躍予想 梅↑



週刊ベースボール選手名鑑2011年



背番号39 久米勇紀=4年目 年俸:1500万円▼

一番の思い出:プロ初登板でパ・リーグ49年ぶり新人開幕戦勝利投手に

寸評:2年目の故障以降、力を発揮できていない。50試合登板をクリアし、強力救援陣の仲間入りへ



背番号7 立岡宗一郎=3年目 年俸:710万円△

一番の思い出:代走でプロ初出場。ペタジーニの本塁打で初得点をマーク

寸評:初めて大舞台を踏んだ経験を生かす。今宮に負けられない







久米に関しては新人の年の栄光をもう一度といった感じの評価が続きますが、球威に関してはどんどん評価を下げて行っています。また、立岡に関しては長打も期待できるアスリート型の評価が、完全に俊足を生かす選手と言う評価に切り替えています。



そして、今年の選手名鑑はそれぞれどのような感じになっているか・・







2012年



野球小僧世界選手名鑑2012



久米勇紀

どんな選手?/復調を期待したい右の中継ぎ候補。プロ1年目の08年にセットアッパーの地位を確立したが、その後は成績が下降。昨季はついに一軍のマウンドを踏めずに終わった。今季は巻き返したい。

観戦ポイント/横手投げ特有の投球スタイル。直球、スライダー、シンカーを巧妙に組み立てて打者を翻弄する。

お節介アドバイス/1軍には右のサイドハンドがいない。個性を押し出して、ルーキーイヤー以来の輝きを取り戻そう。

先発タイプ1/5 

リリーフタイプ3/5 

コントロールタイプ2/5 

スピードタイプ2/5

駆け引き B/守・牽制 B

活躍予想 竹↓



立岡宗一郎 

どんな選手?/明石、福田を追って足とバットに磨きをかける若手。2軍出場は14試合にとどまり、1年のほとんどを3軍のリードオフマンといてプレーした昨季。3軍では「ノンプロ」相手とはいえ連続20盗塁以上失敗なしの成果を上げ、将来1軍へ切り込む武器をはっきり認識できた年になった。

観戦ポイント/スピード・精度兼備の外野守備

お節介アドバイス/走力、守備力をウリに1軍に食い込もう。「右打ち」は大きな希少価値になる。

長距離タイプ2/5 

確実タイプ2/5 

読みタイプ1/5 

対応タイプ2/5

守備力 C/走塁力 C

活躍予想 梅↑



週刊ベースボール選手名鑑2012年



背番号39 久米勇紀=5年目 年俸:1250万円▼

一番の思い出:プロ初登板でパ・リーグ49年ぶり新人開幕戦勝利投手に

寸評:プロ1年目以降は長く低迷が続く。「水鉄砲」と呼ばれたキレの鋭さを取り戻す



背番号68 立岡宗一郎=4年目 年俸:600万円▼

一番の思い出:代走でプロ初出場。ペタジーニの本塁打で初得点をマーク

寸評:1ケタ背番号を「はく奪」された悔しさは、最も本人が感じているはず。巻き返しの一年にしたい







久米は今年の選手名鑑にも新人の時の輝きを取り戻すようにコメントされています。そして、立岡に関しては打に関して何にも触れられておらず、守備走塁で生き残れといった感じのコメントです。



久米は豪速球投手ではなかったのか?2年目の手首のケガくらいでそんなにパフォーマンスが落ちてしまうのか?立岡は長打力があったはずなのに、どこをどう間違えて守備走塁の軽量選手になってしまったのか?それとも噂どおり「都市伝説」だったのか?そんな疑問が沸々と湧いてきます。



私は巨人のファームウォッチャーとして、見たことがある選手のことならば、ほとんどの選手のことをある程度納得できる説明ができると思います。しかし、久米にしても立岡にしても他球団の選手だったので、全く事情が分かりません。こうやって彼らの情報を仕込んだので、次は本当のところを球場で考えてみたいと思っています。



どうやら久米はアンダースローに挑戦しているとか。球速はさらに遅くなって120キロ台だとか。これが本当に良い方向なのか、同タイプだった会田コーチあたりとよく相談して欲しいと思います。また、立岡は慣れない内野守備に悩まされて打撃まで小さくなってしまった感がありますが、巨人では内野外野どちらで行くのか?内野ならライバルは中井だろうし、外野なら大田でしょう。二人の刺激には間違いなくなると思います。お互いを刺激し合ってそれぞれが伸びて行って欲しいと思いますが、立岡にはこのトレードを期にもう一度自分の本来のスケールの大きさを確認したらどうかと思います。ドラフト時のイメージでは立岡の完成型は長野です。



ともあれ、このトレードが両球団やそれぞれの選手に意味のあるものになって欲しいと願いたいと思います。

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