山口鉄也は大野豊になって欲しい

  • 舎人
    2010年04月13日 18:16 visibility178

セ・リーグは対戦相手が一巡し、巨人は単独首位に立ちました。
試さなくてはいけない選手が多すぎて、
開幕してからもオープン戦のような戦い方をしていながらのこの位置は、
出来過ぎであることは言うまでもなく、
見切りを付けるべき点に見切りが付けられず、
この先かえってチームに災いするのではないかと心配な位です。
例えば、昨年のマイケル並みに不安定な小林より、
福田や野間口の方が、実力も将来性も上ではないのか?
エドガーに6番を任せられないと分かったのなら、
8番セカンドは他の将来性のある選手を起用した方がいいのではないか?などなど・・
今の巨人は結果として勝っているだけで、チーム状態がいいかどうか正直分かりません。
しかし、このように好結果が出ると、
思い切った選手や編成の見極めが阻害される懸念があると私は思います。
もっとも、どんな球団も多かれ少なかれ見切り発車しているのだから、
そんな心配は不要なのかもしれませんが・・

さて巨人が盤石ではない象徴が山口のリリーフ再転向です。
クルーンのケガが大きな理由とのことですが、私が思うにそれは方便であって、
原監督は山口をリリーフに戻したくて仕方なかったのだと思います。
山口が思ったより先発に順応していないのと、
代わりにリリーフとして期待した小林と土本が不安定だということが理由です。
さらに、久保が絶好調、西村に一本立ちの気配があり、
オビスポももうすぐ一軍に復帰のメドが立ったことで、
山口の先発に固執する必要がなくなったこともあると思います。
先発は内海、ゴンザレス、東野、藤井、西村、オビスポ(久保)として、
山口には昨年と同じ役割を演じてもらった方が
チームは安定するでしょうし、私もその方がいいと思います。
しかし、心配なのはこんな身勝手な起用に振り回される山口のこと。
何年か前も林を先発に転向させると表明しておきながら、
結局開幕前にチーム事情からという理由で取り止めリリーフ固定でした。
今回の山口はシーズンが開幕してからの再転向です。
調整が全く違う先発からの再転向、
いくら慣れ親しんだリリーフとはいえ心配です。
また、山口の将来を考えても、こんな起用はどうなのかと思えてしまいます。

私は山口をクルーンの後の抑えに期待していました。
クルーンの後釜は越智を推す意見が多いのですが、
私は修羅場での肝の座り方は山口の方が上だと思うからです。
山口の使いすぎが心配というのが、
原監督の山口を先発にしようとした一つの理由とのことですが、
それならば基本的に1イニング限定で、
イニングまたぎもない抑えにする方がいいと思うのです。

土曜日の試合でフラフラしながらも、山口は先発初勝利をしました。
あの時の投球を見ると、あながち先発の適性も無い訳ではないと思わせるものでした。
私は山口に将来、岩瀬のような投手になって欲しいと思っていましたが、
あの時の投球を見て私は山口にはこの先、広島で活躍した大野豊になって欲しいと思いました。
80年代、巨人の最大のライバル球団は広島でしたが、
その中で最も脅威に感じたのは大野でした。
他にも北別府や川口など好投手はいましたが、大野に感じた脅威はその汎用性です。
巨人と広島が暑い首位争いをしていた83年、大野はリリーフでした。
球威キレともに当時最高のサウスポーであるとともに、
信頼感抜群のリリーバーでした。
しかし、7月2日先日までリリーフだった大野が突如先発として登板したのです。
結果は大野の完封勝利でした。
「そんなのありかよ」と当時高校生だった私は敵ながら「凄い!」と思ったことを覚えいます。

山口も大野も共にテスト入団、プロに入りたての頃は球威も大したことがありませんでした。
それが努力をして経験を積むうちにリーグ屈指の投手になっていったのです。
特に大野はリリーフとしても先発としても一流でした。
脅威の汎用性だったと思います。

こんな使い方をされた大野でしたが選手寿命は長く、43歳まで現役でした。
しかも40台になっても140キロ台をの速球をビシビシ投げ込んでいました。
そんな偉大な大野のような投手に山口がならないかなと私は思っています。

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