対イエメン戦 久しぶりの日本代表観戦
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べろぞぐる
2006年09月07日 12:16 visibility55
イエメンのピッチはかなり酷かった。
テレビの画面を通してでも伝わってくる不整備。きっと実際に戦っていた選手達は、更に酷い状態に苦しんでいたと思う。
でも、『でも』である。
それこそ試合の前日にはピッチが酷い、狭いと言う事は日本にいる僕達にも伝わって来たし、練習をしている選手達は実感があったはずだ。それなのに、何故に昨日の日の丸を付けて戦っていた選手達は、ショートパスを繋ぐサッカーをしようとしていたのだろうか?昨日、久しぶりに日本代表の観戦をした僕の心に沸きあがった疑問である。
確かに僕も、細かいパスを繋ぎフォローの動きを早くしていく事は、体格的に劣る日本が世界で戦うために必要な手段だと思う。それに耐えるだけの技術と体力を日本の選手は勝ち得る力があるとも思う。日本人は、大きなものを大雑把に扱うよりも、より緻密で精巧なものを作り上げる事に長けているし、パワーとフィジカルで列強を打ちのめすには、産まれてから肉しか食べないミラクル日本人を11人準備することが必要だし、それは非現実的だとも思う。
それでも、ピッチ条件が余りにも粗悪で、素人の僕の目からでもボールコントロールに正確さを求めるのは難しい事が分かっている芝で、まるで細かくパスを繋いでサッカーをする事が何よりも大切だと考えているようなサッカーを展開したチームには、それこそオシム監督が唱える『考えるサッカー』が実践出来ているとは思えなかった。ロスタイムの決勝点も、巻の頭に当ててこぼれを我那覇が押し込んだが、クロスから巻の頭を経由してゴールに入るまで、ボールは地面に一回しか着いていないはずだ。
ピッチがボールを弾ませるような状態なら、浮いた状態のボールの方が遥かに効率的に、しかも正確に扱えるはずだし、昨日の日本は空中戦でもイエメンを圧倒していた。なのに、サイドの選手は中に切れ込んで真ん中の相手DFが待ち構えている所に楔を打ち、クリアと言う失敗を繰り返す。ようやく焦り始めた後半の30分過ぎからいわゆるパワープレーで長いボールを上げ始めた辺りからイエメンのDFの処理の難しさが格段に上がっていたし、現実そこから決勝点が生まれた事も事実だ。
確かに、真ん中を固めた相手にはペナルティボックスの際を使っての楔のパスなどは効果的だ。それは間違いなく事実だし、むしろ正攻法中の正攻法だと思う。
でも、正攻法の効率が悪ければ、それ以外の手を選手が主体的に考える事が出来なければ、効果的に試合を進める事は出来ない。僕の意見としては、昨日のスタメンであればまずはサイドから巻にとにかく当てて見る事が必要だったと思う。勿論、それはものすごく効率が悪い攻撃かもしれないが、昨日のピッチ状態を考えれば、ドリブル突破や細かいワンツーパスで狭い所を抜ける努力よりも効率が良かったように感じた。
オシムの提唱する『考えながら走るサッカー』の定着は当分お預けになる気配だ・・・。
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