乗り越えて。

  • えつこ
    2012年03月06日 09:00 visibility100

日本代表対アメリカ代表。
日本が初めて90分間で勝利を掴んだ試合、ということになりました。
まずはただ勝利に歓喜し、順位決定戦を勝ち取りに行ってほしいと思います。


序盤からペースを握る日本、高い位置をキープして陣形を出来る限りコンパクトにしながらプレッシングを仕掛けていく。その結果アメリカはボールを自分たちでは持てずにいた。彼女たちが守備に追われる時間が続き、日本が徹底した攻撃をぶつけた。
本来ならそこで一度は決めたかったものの、ゴール前での精度が低かったのとアメリカのGKソロを筆頭とした守備陣が日本の攻撃の選択肢(シュートコースやパスの出し先)を削ったことが影響した。

攻めつつも決められない日本のゴールネットをアメリカは揺らす。ハイボールを的確に落とし、そこにしっかり合わせた見事な攻撃。オフサイドの判定(誤審ではない)で無効になる。その後はアメリカがペースを取り戻し始めたが、冷静に守りきった。

後半はアメリカが前半の課題を修正し、強引に過ぎる攻撃を減らして日本の守備を確実に崩すための繋ぎを増やした。そんな時にも飛んでくる急なロングボールも恐怖をもたらす。

プレスがかかりにくくなり始めると、アメリカのボール保持が増え、形勢は逆転していた。被シュート数は時間を追うごとに増え、耐える時間が続く。しかし逆転していたのはそれだけではなく、フィニッシュの精度もそうだった。ポストに当てたり最後の守備に耐えきれずシュートを枠から外していた。

辛くなっていた日本も選手交代により、本当に手放しかけたペースを取り戻し始める。フレッシュな選手たちがチーム全体で落ちていた運動量をこなしてくれたことで、ボール保持もしやすくなったのだろう。
そして貴重なCK。宮間さんがファーサイドへボールを打ち込むと、そこに入った高瀬ちゃんがヘッドで合わせた。待望の先制点。
宮間さんの的確なキックも素晴らしかったが、高瀬ちゃんも素晴らしかった。相手のマークをゴールから離れるようにして外してフリーになって相手の背後をとった。そうしながら頭で合わせるのは難しいのだが、それをしっかり決めたことは本当に素晴らしい。


残っていた時間を全力で守りきった日本が勝利を掴んだ。


澤さんの不在は当然大きかった。彼女が前線に飛び出せば相手ディフェンスをより混乱させることも出来ただろう。しかし「その時」は確実にやってくる。それがアメリカ相手でこの状況になったことは、ある意味大きなチャンスだとも思っていた。
そうして掴んだ結果なのだ、誇っていい。
だからといって澤さんの力はまだまだ必要だと思う。あと少し、彼女の想いとプレーが乗った日本代表であるべき、ただ、今回の結果で得たものは大いなるもの。


当然課題はある。フィニッシュ、ゴール前で詰まったときの工夫もそうだし、ゲームメイクの為に大野さんや永里さんが下がったときにどうしても前線の枚数が足りずに相手を押し込めなかったりしたのは気になってしまう。

とはいえ、試合後のインタビューで鮫島さんも「課題は課題として持ち帰る」と言っていたように、その中で勝利したことを収穫とすることも必要。



高瀬ちゃんが決めたというのは凄く嬉しいです。なでしこJAPANの中では唯一同い年の選手ですから尚更です。
このまま、誰が出てもクオリティを落とさないようにしていければ、もっと強くなれる。
男子代表が足りないのは、そこだと思っている。

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