ハリル監督 「最初の冒険だ」

 


◆KIRIN チャレンジカップ2015 日本V.S.チュニジア(27日・大分スポーツ公園総合競技場)◆ 


 



 


サッカー日本代表(FIFAランク53位)は今夜、バヒド・ハリルホジッチ監督の初陣となるチュニジア代表との国際親善試合に臨む。初陣となるだけに、スタメンや布陣、戦術などあらゆる面で注目が集まる。来日から間もない指揮官は、香川真司や本田圭佑の常連メンバーに宇佐美貴史、永井謙佑ら新戦力を加え、親善試合としては異例の31名を招集した(負傷離脱により最終的には30~29名)。メンバー発表会見では、「競争が始まるということを心得ておいてほしい」と語っており、全選手が新たにポジションを勝ち取る必要がある。初陣でアピールに成功するのは誰か。26日は試合会場の大分スポーツ公園総合競技場で前日練習と公式会見が行われた。


 


2018年ロシアW杯出場を目標に置く指揮官は「これは最初の冒険だ。この冒険がロシアに続くと思っている」と新しい船出への決意を力強く語った。必勝を誓うとともに新戦力の投入を示唆。これまでの主力選手だけに頼らない“ハリル流”戦術で、日本代表監督としての第一歩を踏み出す。
 
表情こそ変えないが、ハリルホジッチ監督の言葉には希望があふれていた。初陣の試合会場で行われた公式会見。「本当に楽しみ。最初の冒険だ。この冒険がロシアに続くと期待している。観光客としてではなく、私はW杯に行きたい」。八百長疑惑でのアギーレ前監督の解任で巡ってきた日本代表監督の座。ロシアW杯に向け再び歩みを進めるため、最高のスタートを切ると誓った。
 
“ハリル流”で、これまでの流れを変える。注目の先発については大胆な選手起用を示唆した。「明日は新しい選手を出場させる。これまで、たくさんプレーしてこなかった選手。この2試合(日本V.S.ウズベキスタン戦は、31日・東京スタジアム)で、できるだけたくさんの選手を出したい」。スター選手でも例外はなし。将来を見据え、不動の先発だったFW本田、GK川島らをベンチスタートさせる可能性を明言した。縦への速さを求める戦い方を重視するため、FW永井、武藤らの起用が浮上した。
 
競争意識をあおる狙いもある。チュニジア戦は、体調不良でこの日の練習を欠席したFW乾が復帰すれば29人をベンチ入りさせ、6人の交代枠を使って多くの選手をピッチに送り出す考え。ハリルホジッチ監督は「次も多くの選手を呼ぶとは決めていない。チャンスをモノにしてほしい」と話せば、DF吉田は「今回はトライアウト。一人ひとりアピールしないといけない」と危機感を強めた。ロシアW杯に向けての“サバイバルレース”は、すでに火ぶたを切っている。
 
初陣を控えピリピリムードも高まってきた。選手たちには試合後の取材に対して「早く切り上げるように」と、受ける質問は“1問限定”にするよう通達。実際は複数受けた選手もいたが、選手の横にはマンツーマンでスタッフを配置し、3分をメドに取材対応を終了。(非公開練習や入念なミーティングで、チームの士気向上と規律をもたらしてきた指揮官は、練習後の取材対応も各選手3分に区切り、プレーに集中させる方針をとった。試合前の会見では、新戦力を起用することも示唆。全員横一線のサバイバルを課し、チーム力の底上げを図る)情報漏えいも嫌うだけに、徹底した管理態勢を敷いている。








 


公式練習後のミックスゾーン。続々と取材対応に現れた代表選手たちにスタッフが「マンマーク」の形で付き添った。時計を確認し、取材が長引く前に打ち切って、帰りのバスに向かうことを促す。慣れないやり方に、報道陣はもちろん選手も戸惑った様子。ひと言ふた言で、自ら対応を打ち切る選手もいた。


 


ザッケローニ監督もアギーレ監督も、選手の取材対応に制限は設けなかった。中には10分前後も話す選手すらいた。この変化について、広報担当は「話す内容の問題ではなく、プレーに集中させたいという監督の意向」と説明。各自の取材対応を3分間に限定するチーム方針を明かした。


 



 


会見後に行われた約1時間半の公式練習では黙々とピッチの周りを走った後、円陣で約7分半選手たちにゲキ。その後は選手たちを直接指導した。「選手たちにはヴィクトワール(フランス語で勝利)の言葉を伝えた。いろいろな変化を起こしたが良い試合になるだろう」。日本再興を託された“東欧の名将”の手腕が、いよいよベールを脱ぐ。


 



 




 






















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