一部のサポーターの行為だとは思うけれど・・・

先週、ヨーロッパで行われたEURO予選で、イタリア対セルビアの試合が中止になったようですね。報道によると、一部の過激セルビアサポーターらが発炎筒などをグラウンドに投げ込んだりしたからだそうです。



どうしてこんなことが起きたのかは良くわかりませんが、こういった行為はサッカーというスポーツの印象を悪くしてしまうことが多いので、できることならなくして欲しいと思うのですが、どうにかならないのでしょうか？



なかには、民族的対立や、サポーター同士が互いに敵チームを憎み合うことによる感情がサッカーを熱くさせるのだから、むしろ歓迎すべきだ！なんていう人も
いるので、なんとも言い切れない部分があると思いますが、自分としては、こういった危険な雰囲気のもと試合を見るのはあまり好きではありません。



この事件をＵＥＦＡがどう取り締まるのかはわかりませんが、今後このような事件が起きないように、ＵＥＦＡには全力を尽くして欲しいと思います。



自分の昔話になってしまいますが、もうだいぶ昔のことになってしまいますが、2006年のワールドカップ予選のウェールズ対ポーランドの試合を、ウェールズの首都であるカーディフのミレニアムスタジアムで観戦したことがあります。



試合会場には、３階席の一部にポーランド代表サポーターエリアがあったのですが、試合前にポーランド代表サポーターが、そこからロケット花火をフィールド
に向けて飛ばしたのをみたことがあります。（ロケット花火と言っても、日本で使われているのとは火力が全く違う強烈なものです！）



下の階にサポーターがいなかったから(というよりも、観客が少ないため閉鎖されていた)良いものの、もし軌道が間違って、観客がいるエリアにあたったら大変なことになるぞ！と驚いた思い出があります。



彼らの行為を正当化する気はありませんが、確かに発炎筒やロケット花火がスタジアムに舞うこと自体は、決して珍しいことではないかもしれません。特にイタリアや東ヨーロッパではいつもの光景なのかもしれません。



ちなみに、イングランド（プレミアリーグ）では発炎筒を使ったサポーターの光景をみた記憶はないです。

今回中止になったイタリア対セルビアの試合のレフェリーはイングランド人だったと記憶しています。その日のレフェリーが、東ヨーロッパらで普段笛を吹いて
いる審判ではなく、むしろ発炎筒や民族的感情と言うのがあまりサッカーに結びついていない国(イングランドやウェールズの民族的対立というのも、ないわけ
ではないですが・・・)の審判だったというのも、今回の中止に少し関係しているのかなとも思います。



話がそれてしまったので元に戻しますと、その試合後、自分はカーディフのホテルに泊まったのですが、その宿泊先にポーランド代表サポーターも泊まっていま
した。ホテルのロビーでお酒を飲んでいたところ、自分と同じくスタジアムで観戦していたと思われるポーランド人がいたので、色々話をしたのですが、そのと
きにロケット花火の話をしました。



色々と話している中で、ポーランド人が「俺達サポーターの雰囲気はすごかっただろ？」と聞いてきたので、

自分は、「素晴らしかったよ。ただ、ロケット花火が飛ばされたときには驚いたけどね・・・」

と答えたところ、



「あれはおかしい。一部のおかしいやつらが、他のサポーターと喧嘩をふっかけたくてやっているんだ。あれに関してはむしろ謝りたいくらいだ。ごめんなさ
い。」と言っていました。（自分は日本人ですが、ウェールズ代表のシャツを着ていたので、敵のサポーター同士のコミュニケーションと捉えられると思いま
す。）



ポーランド人の名誉のために言っておきますが、そのときに話をしたポーランド人はフレンドリーな良い人でしたし、イギリスにはポーランド移民が結構いるた
めか、ウェールズ人が陣取っている席のところにも子供連れのポーランド人がいたのですが、何も問題は起きていませんでした。



おそらく、今回のセルビアのサポーターも一部の人の行為だと思います。

ただ、一部の行為がむしろ全体の行為と捉えられ、その国のサポーター全体の印象が悪くなるのは、本当に困ったことです。



Ｊリーグのサポーターが問題を起こしたときにも、「一部の人が・・・」という論調が良く出ますが、一部だろうと全部だろうと、最終的には無観客試合などの制裁によって、全てのサポーターが被害にあってしまうのが現実です。



暴動を行った人たちから言わせれば、「オレたちの事情もわからずに色々と言うな！」ということになるのかもしれませんが、無観客試合などの処分になれば、他のサポーターにも影響があるわけですから、こういった事件に関しては厳しい取締りが必要でしょう。



今回の出来事に関して、ＵＥＦＡがどういった処分を下すのか、注目してみていきたいと思います。