2015:J2:2節:A:vs大分トリニータ「リアリスト勝利に飢えた男たち」その3
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杉野雅昭
2015年03月16日 00:55 visibility95
4、試合考察
4-1:10千明 聖典と8渡邊 一仁がスタメンの理由の考察
開幕戦のレビューと検証の記事にて10千明 聖典の守備での貢献は、実証済み。
今回は、8渡邊 一仁と10千明 聖典の組み合わせについて考察する。
8渡邊 一仁は、守備範囲が広く、ボールを持った選手に寄せて行く。
接触を恐れないその果敢な守備は、激しい接触でのイエローカードを考えてもボールを保持する選手にとっては、怖い選手である。
また、きっちり守備をサボらず寄せる事で、ミドルシュートのコースを切ったり、シュート自体を封じる事も可能である。
上手く嵌れば、ボール奪取からのカウンターにも繋がる。
しかし、この試合では、両チーム前がかりとなる事もなく、バランス重視の戦いを展開したためカウンターというシーンは、ほぼなかった。
戦評で述べた通り、DHの似た構成の対決は、大分側に分があった事で、大分が、主導権を握った。
空中戦と奪取力、1対1の強さを兼ね備えた35ダニエルの守備力というのは、目を見張るものがあった。
33兵働 昭弘は、視野の広さ、得点力、プレースキッカーと攻撃のスキルが高い。
この試合では、この大分の二人に軍配が上がった。
しかし、岡山の二人も二人だけの良さがある。
8渡邊 一仁は、守備に力が偏った35ダニエルに対して、8渡邊 一仁は、運動量が多く、攻守での貢献は、高い。
10千明 聖典もテクニックがあり、難しいセカンドボール処理を上手くし、マイボールに繋げたり、攻撃的パスにチャレンジできる可能性が非常に高くなる。
動の8渡邊 一仁の静の10千明 聖典。
この二人で、バイタルエリアの守備バランスを保ち、出しどころを抑え、スペースを消すといった狙いを持って守れている。
この二人に加えて、DFラインと連動した動きを見せ、上手くボール奪取に繋げていた。
守備の堅さを考えれば、この二人が、ベストである事は、疑いの余地はない。
二人とも潰すタイプであれば、スペースが出来る可能性が高くなる。
この組み合わせによって、バランスを保つことで、堅守を築くことができ、2試合完封に繋がっている。
監督の中で、まず守備から入り、状況に応じて、攻撃に繋げるという意図を感じられる。
また、この試合では、8渡邊 一仁が、得点に繋がった効果的楔形のパス。
10千明 聖典は、岐阜戦ではなかった、オーバーラップなどを見せた。
昨季と違って、ボランチ経由の攻撃こそ減ったが、チームの攻守のバランスを安定させ、堅実なサッカーを可能としている。
4-2:スペースの無い対戦チームに対する戦い方の考察
この試合でもロングパスを織り交ぜた攻撃が目立った。
スペースが無かった分、14押谷 祐樹が、背負うプレーが多くなった。
また、19片山 瑛一も空中戦でなかなか勝てずに、ボールロストが目立った。
その結果、33伊藤 大介が、あまりボールに絡めなかった。
前線に起点が出来たうえで、初めて33伊藤 大介が、活きるのであり、この試合苦しかった。
改善策を考えるならば、DH経由の攻撃を増やしたい所。
得点に繋がったシーンもDHの8渡邊 一仁の楔形パスからであり、この形を増やしたい。
そのためにCBとの関係性、DHと前線との距離感。
全体をよりコンパクトに保ち、プレスとラインコントロールを上手く組み合わせる。
現状、ラインが低すぎる事もなく、防戦一方にならないものの多少改善の余地はある。
4-3:WBの駆け引きの考察
両チームとも背後のスペースに気を使っていた。
岡山は、豊富な運動量で、上下運動を繰り返し、流れに応じて、高い位置と低い位置をとった。
対して、大分は、左WBの18伊佐 耕平が、守備に偏っていた。
逆に8西 弘則は、右から積極的に仕掛けて、多くのチャンスを演出した。
切れ味鋭いドリブルで、25田所 諒を揺さぶったが、岡山も6竹田 忠嗣やDHの二人と連動した守備で、粘り強く守った。
全体を通してみれば、両チームとも背後のスペースを作らず、上手くバランスを取っていた。
局面局面で、互角の駆け引きで、上がったり、下がったりと得点シーン以外では、素晴らしい判断が目立った。
両チームともチームとしての継続性があり、この時期であるが、高い完成度を誇っていた。
4-4:攻撃の厚みに関する考察
全体的にバランスをとって、リスクを冒す事は、少なかった。
その中で、WBやCBの選手が、機を見て攻撃参加を何度か見せた。
この厚みが、得点の可能性を高める。
しかし、やはりスペースが無いのに上がる事で、ラインを引かれる事で、スペースを消されて密集状態になり、攻撃が成就する確率が下がるだけではなく、自陣がスカスカになりカウンターを受ける危険性が高くなってしまう。
また、高い位置でボールを奪えれば、相手陣地まで近く、短い距離を走るだけので、厚みのある攻撃を仕掛けやすい。
しかし、この試合の様に高いビルドアップ力のあるチーム相手だとボールの奪いどころが、自陣深くとなり、どうしても遅攻になり易く、厚みのあるオーバーラップを仕掛けるタイミングの判断が難しくなり、効果的攻撃が仕掛けづらい。
加えて、ボランチ経由の攻撃も少なく、ロングパスが多くなり、前線に収まらなければ、たちまち攻撃が、息苦しくなる。
この辺り、攻守のバランスに優れるチームに対して、DHの10千明 聖典が、もっと動いてマークを剥がし、フリーで受けて、前線に効果的パスを入れる回数を増やしたい所。
もしくは、飛び道具や起点が欲しい。
4-1:10千明 聖典と8渡邊 一仁がスタメンの理由の考察
開幕戦のレビューと検証の記事にて10千明 聖典の守備での貢献は、実証済み。
今回は、8渡邊 一仁と10千明 聖典の組み合わせについて考察する。
8渡邊 一仁は、守備範囲が広く、ボールを持った選手に寄せて行く。
接触を恐れないその果敢な守備は、激しい接触でのイエローカードを考えてもボールを保持する選手にとっては、怖い選手である。
また、きっちり守備をサボらず寄せる事で、ミドルシュートのコースを切ったり、シュート自体を封じる事も可能である。
上手く嵌れば、ボール奪取からのカウンターにも繋がる。
しかし、この試合では、両チーム前がかりとなる事もなく、バランス重視の戦いを展開したためカウンターというシーンは、ほぼなかった。
戦評で述べた通り、DHの似た構成の対決は、大分側に分があった事で、大分が、主導権を握った。
空中戦と奪取力、1対1の強さを兼ね備えた35ダニエルの守備力というのは、目を見張るものがあった。
33兵働 昭弘は、視野の広さ、得点力、プレースキッカーと攻撃のスキルが高い。
この試合では、この大分の二人に軍配が上がった。
しかし、岡山の二人も二人だけの良さがある。
8渡邊 一仁は、守備に力が偏った35ダニエルに対して、8渡邊 一仁は、運動量が多く、攻守での貢献は、高い。
10千明 聖典もテクニックがあり、難しいセカンドボール処理を上手くし、マイボールに繋げたり、攻撃的パスにチャレンジできる可能性が非常に高くなる。
動の8渡邊 一仁の静の10千明 聖典。
この二人で、バイタルエリアの守備バランスを保ち、出しどころを抑え、スペースを消すといった狙いを持って守れている。
この二人に加えて、DFラインと連動した動きを見せ、上手くボール奪取に繋げていた。
守備の堅さを考えれば、この二人が、ベストである事は、疑いの余地はない。
二人とも潰すタイプであれば、スペースが出来る可能性が高くなる。
この組み合わせによって、バランスを保つことで、堅守を築くことができ、2試合完封に繋がっている。
監督の中で、まず守備から入り、状況に応じて、攻撃に繋げるという意図を感じられる。
また、この試合では、8渡邊 一仁が、得点に繋がった効果的楔形のパス。
10千明 聖典は、岐阜戦ではなかった、オーバーラップなどを見せた。
昨季と違って、ボランチ経由の攻撃こそ減ったが、チームの攻守のバランスを安定させ、堅実なサッカーを可能としている。
4-2:スペースの無い対戦チームに対する戦い方の考察
この試合でもロングパスを織り交ぜた攻撃が目立った。
スペースが無かった分、14押谷 祐樹が、背負うプレーが多くなった。
また、19片山 瑛一も空中戦でなかなか勝てずに、ボールロストが目立った。
その結果、33伊藤 大介が、あまりボールに絡めなかった。
前線に起点が出来たうえで、初めて33伊藤 大介が、活きるのであり、この試合苦しかった。
改善策を考えるならば、DH経由の攻撃を増やしたい所。
得点に繋がったシーンもDHの8渡邊 一仁の楔形パスからであり、この形を増やしたい。
そのためにCBとの関係性、DHと前線との距離感。
全体をよりコンパクトに保ち、プレスとラインコントロールを上手く組み合わせる。
現状、ラインが低すぎる事もなく、防戦一方にならないものの多少改善の余地はある。
4-3:WBの駆け引きの考察
両チームとも背後のスペースに気を使っていた。
岡山は、豊富な運動量で、上下運動を繰り返し、流れに応じて、高い位置と低い位置をとった。
対して、大分は、左WBの18伊佐 耕平が、守備に偏っていた。
逆に8西 弘則は、右から積極的に仕掛けて、多くのチャンスを演出した。
切れ味鋭いドリブルで、25田所 諒を揺さぶったが、岡山も6竹田 忠嗣やDHの二人と連動した守備で、粘り強く守った。
全体を通してみれば、両チームとも背後のスペースを作らず、上手くバランスを取っていた。
局面局面で、互角の駆け引きで、上がったり、下がったりと得点シーン以外では、素晴らしい判断が目立った。
両チームともチームとしての継続性があり、この時期であるが、高い完成度を誇っていた。
4-4:攻撃の厚みに関する考察
全体的にバランスをとって、リスクを冒す事は、少なかった。
その中で、WBやCBの選手が、機を見て攻撃参加を何度か見せた。
この厚みが、得点の可能性を高める。
しかし、やはりスペースが無いのに上がる事で、ラインを引かれる事で、スペースを消されて密集状態になり、攻撃が成就する確率が下がるだけではなく、自陣がスカスカになりカウンターを受ける危険性が高くなってしまう。
また、高い位置でボールを奪えれば、相手陣地まで近く、短い距離を走るだけので、厚みのある攻撃を仕掛けやすい。
しかし、この試合の様に高いビルドアップ力のあるチーム相手だとボールの奪いどころが、自陣深くとなり、どうしても遅攻になり易く、厚みのあるオーバーラップを仕掛けるタイミングの判断が難しくなり、効果的攻撃が仕掛けづらい。
加えて、ボランチ経由の攻撃も少なく、ロングパスが多くなり、前線に収まらなければ、たちまち攻撃が、息苦しくなる。
この辺り、攻守のバランスに優れるチームに対して、DHの10千明 聖典が、もっと動いてマークを剥がし、フリーで受けて、前線に効果的パスを入れる回数を増やしたい所。
もしくは、飛び道具や起点が欲しい。
その4に続く。
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- 事務局に通報しました。
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