2012:U-23:ロンドン五輪準々決勝:日本VSエジプト「日本至上2度目のベスト4進出」

日本VSエジプト:3-0
得点者:11永井、5吉田、
退場者:15サード・サミル

●日本スタメン

11永井
7大津・10東・17清武
3扇原・16山口
2徳永・5吉田・13鈴木・4酒井宏樹
1権田

●リザーブ

GK:18安藤
DF:8山村・12酒井高徳
MF:6村松・14宇佐美
FW:15齋藤・9杉本

●途中交代

11永井→15齋藤、10東→12酒井高徳、17清武→14宇佐美

 

●エジプトスタメン

10エマド・モテアブ
17モハメド・エル・ネニー、5モハメド・アブトレイカ、11モハメド・サラー
8シェハブ・エルディン、14ホッサム・ハッサン
12イスラム・ラマダン、6アハメド・ヘガジー、15サード・サミル、7アハメド・ファティ
1アハメド・エル・シェナウィ

●リザーブ

GK:18モハメド・バッサム
DF:2アハメド・アラー、3アリ・ファティ、4オマール・ガバル
MF:13サレー・ゴマー
FW:9マルワン・モフセン、16アハメド・マグディ

●途中交代

8シェハブ・エルディン→2アハメド・アラー、11モハメド・サラー→4オマール・ガバル、10エマド・モテアブ→9マルワン・モフセン

●戦評

日本が先制すると、エジプトも猛攻を仕掛ける様になった。
攻め合いの様相を予感する展開になったが、エジプトは、CBの15サード・サミルが退場した事で失速。
後半もエジプトは、攻めようとするが、やはり一人少ない事が響いた。
逆に日本が追加点を奪う。
エジプトに追い打ちをかける様に3人交代した後選手に怪我が出た事で、9人で戦う事になった。
こうなると残り時間が、少なかったエジプトは、逆転する力は残っていなかった。
エジプトは、3失点目を喫してしまい3-0で、日本の快勝に終わった。
試合後、エジプトの選手の中に涙ぐむ選手もいたぐらいエジプトとしては、悔しい結果となった。
逆に日本は、次の試合に向けて弾みとなる試合となった。

●レビュー(日本側)

11永井が怪我で、途中交代した後は、エジプトに押し込まれる事になったが、15サード・サミルが退場した事で、日本としては、助かった。
正直、11永井が負傷交代した後に、流れが悪くなった。
エジプトが、一人少なくなったことで、やっと互角のサッカーが出来るようになった。
支配率を見ても劣勢でしたし、退場者が、出ていなければ、どっちに転んでもおかしくなかった。
ただ、この試合を見ても決定力不足は、まだまだ深刻ですね。
もっと決めて良いシーンもあった。
そういったシーンをもっと物に出来るようになれば大きい。
この試合では、エジプトに退場者と怪我の選手が出た事で、3点を取る事が出来たが、今後はより厳しい試合が続くと思います。
守備は、良く頑張ってますね。
4試合中2試合で、退場者が早い時間に出た事が関係しているとはいえ、この守備をベースに頑張って欲しい。

内容的な部分に入れば、11永井は、好守で、存在感のある選手だった。
11永井が、交代した後、流れが悪くなったのは、影響があると思います。
特に前線からのプレスも効いてましたからね。
スペイン戦を考えても非常に有効だと言う事が分かりますね。
結果的に勝つ事が出来たが、11永井が居れば、もっと楽な展開になったと思います。
軽傷で、本当に良かった。
11永井への裏への飛び出しは、非常に有効ですし、今後の活躍に期待したい。

後、エジプトは、裏のスペースのケアが甘かったですね。
劣勢という事もあって、前かがりに来ていたのかもしれませんが、15齋藤の飛び出しに後ろから倒して退場者が出たシーンもそういったシーンでした。
ゴールや退場者が出たシーン以外にもそういったシーンもありましたし、そこを決めないといけないですね。
今の日本だとプレスが甘くて、ラインが高ければ、ああいったシーンを作れる。
それだけ良いパサーが居て、かつチームの成熟度の高さを感じました。

決定力不足以外に課題があるとすれば、4酒井宏樹の攻撃参加。
もっと数を増やしていきたい。
彼のクロスは大きな武器だし、そういったシーンを増やしていかないといけないと思います。
その点2徳永は、流石ですね。
良い攻撃参加を見せていました。

この試合でも、17清武も質の違いを見せてますね。
パスセンスやシュートセンス、ドリブル。
全てを兼ね備えた良い選手。
後は、ゴールと言う結果が、ついてくれば最高なんですけどね。
早く彼のゴールが見たい。

5吉田がOAそして、キャプテンとして抜群の存在感を見せてますね。
ポジショニングの良さが光ってます。
海外で、レギュラーとして活躍しているCBだけありますね。
きっと、決勝に導いてくれると信じてますね。

この調子で、頑張って欲しい。
心配された7大津と11永井の怪我も軽傷で、良かったし、今後の日本の活躍が楽しみ。

●レビュー(エジプト側)

失点後の攻撃は、凄いですね。
特に右サイドの11モハメド・サラーは、素晴らしかったですね。
何度も2徳永の裏のスペースを使ったり、突破したりと能力の高さを見せていました。
本当はもっと5モハメド・アブトレイカを使いたかった所だったと思いますが、なかなかボールが通せて無かったですね。
聞き覚えのある選手だと思いますけど、CWCの常連の選手です。

攻撃は、正直日本以上の物がありましたが、守備は、酷かったです。
もっと守備が良ければ、良いチームだったと思います。
正直退場者が出ていなければ、日本も危なかったと思います。
それだけにエジプトとしては、痛かったし、悔やまれますね。
ただ、予選を勝ち抜いた強いチームと言う事は分かりました。
今後も日本の前に立ち塞がって来るであろうチームになるポテンシャルを秘めていると思いますし、今後の対戦では、好試合が見たいです。

●得点分析

日本:1得点目(11永井)

17清武がボールを奪われた後、相手選手に猛チャージを仕掛ける。
すると12イスラム・ラマダンが、判断が遅れ、17清武がボールを奪って、裏へ抜け出す。
17清武が、前に転がったボールにダイレクトで、前線へアリークロスを入れる。
これに異次元のスピードで抜け出した11永井が、飛び出したGK1ハメド・エル・シュナウィと11永井を追走したDF15サード・サミルをかわす。
11永井が、落ち着いて無人のゴールに流し込んでゴール。
しかし、11永井が、シュートを放った後に6アハメド・ヘガジーが後ろからボールをクリアしようと蹴りを入れる。
このプレイで、11永井は、負傷交代。

17清武のパスも良かったし、11永井のスピードも素晴らしかった。
彼らの能力の高さを感じるスーパーゴールだと思います。
エジプトしたら12イスラム・ラマダンが、17清武にボールを奪われたのが、悔やまれるでしょうね。

日本:2得点目(5吉田)

ペナルティエリア付近の日本が攻める方向から見て右側の位置からのFK。
3扇原が、蹴ると見せて通り過ぎて時間差で、17清武がニアサイドに早いボールを蹴った。
これにそのスペースに走り込んだ5吉田が、頭からダイブ気味に飛び込んで、ヘッドを放ちそれが決まった。

日本としては、狙い通りのゴールだったと思います。
ニアの空いたスペースを使うという基本に忠実なゴール。
エジプトは、一人少ないとは言え、フリーで、打たせてしまったのは、問題。

日本:3得点目(7大津)

日本側から攻める方に見て、ペナルティエリアから左下辺りのやや遠い位置からのFK。
3扇原は、FKのボールを17清武に預けて、その17清武のパスで、裏へ抜け出す。
4オマール・ガバルも寄せてくるも最後は、諦めて、3扇原は、比較的余裕を持ってクロスを上げることができた。
そのクロスは、2アハメド・アラーと12イスラム・ラマダンの間に行き、その間に7大津が入り込んで、ヘッドを決める。

3扇原のクロスは、完璧でした。
7大津も上手くDFの間に入り込みましたね。
エジプトの4オマール・ガバルは、最後まで追いかけないといけない。

●評点

日本側

GK1権田:6,5:ファインセーブもあったが、空ぶりし、冷や冷やした場面があった。
CB5吉田:7,5:ゴールと的確なポジショニングからの守備で貢献。
CB13鈴木:6,5:CBとして安定感のあるの守備を見せた。
SB2徳永:6,0:安定感のある守備を見せるもミスも目に付いた。
SB4酒井宏樹:5,5:見せ場を作れず。
DH3扇原:7,0:3点目をアシストし、それ以外のシーンでも高精度のボールを蹴っていた。
DH16山口:6,5:攻守に奔走し、献身的プレイでの運動量が光った。
SH7大津:6,5:3点目を決めたが、それ以外のシーンで、もうちょっと頑張って欲しい。
SH17清武:7,5:先制ゴールをアシストし、それ以外のでもセンス溢れるプレイが光った。
OH10東:6,5:前線からのプレスやポジショニングでの献身的プレイで、運動量が光った。
FW11永井:7,0:負傷交代したが、先制ゴールのシーンのスピードを活かしたプレイは、素晴らしかった。

途中交代

15齋藤:6,5:裏へ抜け出し、レッドカードを誘った。
12酒井高徳:6,0:慣れないポジションだが、上手いプレイをした。
14宇佐美:6,0:ドリブルから惜しいシュートを放つもゴールに繋がらなかった。

関塚監督:6,0:12酒井高徳をSHで起用するという柔軟な発想を見せた。

エジプト側

GK1アハメド・エル・シュナウィ:5,0:3失点を防げず。
CB6アハメド・ヘガジー:5,0:CBとして失点を防げなかった。
CB15サード・サミル:4,0:流れを壊す退場を受けてしまった。
SB12イスラム・ラマダン、7アハメド・ファティ:5,0:何度か攻撃参加を見せるも守備では、3失点喫した。
DH8シェハブ・エルディン、14ホッサム・ハッサン:5,5:パスを繋ぎリズムを作るも勝ちには繋がらず。
SH17モハメド・エル・ネニー:5,5:下がってきて、組み立てに参加した。
SH11モハメド・サラー:6,0:右サイドから再三チャンスを作った。
OH5モハメド・アブトレイカ:5,5:持ち味をなかなか発揮できなかった。
FW10エマド・モテアブ:5,5:決定機を作れず。

途中交代

2アハメド・アラー:5,0:代役として入るも失点を防げず。
4オマール・ガバル:5,0:気持ちが切れたプレイがあった。
9マルワン・モフセン:5,0:流れを変えれず。

ハニ・ラムジ監督:5,5:苦しい展開となり、険しい表情をする事が多かった。

審判:6,0:難しいジャッジが迫られたが、上手く裁いたゲームを作った。

●MOM

「5吉田」

無失点に防ぐ安定感ある守備と、相手の士気を下げる追加点。
好守で高い存在感を示した5吉田をMOMに推したい。
本当に良くここまで頑張っている。
この調子で、無失点を続けて欲しい。

●満足度

8点(10点満点)

気持ちの良い快心の勝利だった。
ただ、9点や10点は、準決勝、決勝で出したい。
出せるように日本代表には、頑張って欲しい。

日本から世界へ
To Be Continued

by杉野雅昭

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