2012年ファジアーノ岡山総括(守備編)「ファジナチオ」

1、前書き

さて、次は、守備編です。
守備は、私は、苦手分野ですので1回のみです。
今季のファジを語る上で、重要な部分かなと思うので、頑張ってみます。
それでは、宜しくお願いします。

 

2、人海戦術に加えてリトリートした守備

人海戦術:損害を無視し、圧倒的な兵力を投入して、数の力で敵を圧倒する戦術。
今回の岡山の守備においての損害とは、攻撃。
攻撃の人数を犠牲にして、守備に人数をかける事が、今季の堅い守備に繋がった。
内訳、3枚のCBに加えて、左右のWBとDHの二人にGKを加えて8人で守る。
最終ラインは、5人で、守りスペースを与えなかった。
この基本戦術により、裏を取られる事は、少なかった。
また、深くまで切り込まれる事も少なく、シュートコースを限定する事により、危険なシーンを少なくする事が出来た。
時には、シャドーも守備に加わる事で、FWを一人前線に残す事も何度かあった。
これにより、ドリブルやパスコース限定させ、相手の持ち味を消す事が出来た。
来季は、守備の個の力をあげて、攻撃にある程度比重を置きたい。

3、戦術中林

攻撃では、「戦術川又」だったが、守備では、「戦術中林」。
1対1での強さとシュートへの抜群の反応と、キャッチ率の高さ。
これらにより守備する際は、ある程度シュートを打たせる守備をする事が出来た。
岡山は、シュートを打たせない守備では無く、打たせる守備をしていた。
実際に被シュートが多くても失点数は、少なかった。
もし、他のGKであればもっと失点してもおかしくない試合は、何度もあったし、今季の様に大量失点を少なくする事は、難しかっただろう。
ファインセーブで、攻守で、チームの士気をあげる事が出来た。
そういった意味では、GKながら攻撃に好影響を及ぼしたのも間違いないと思います。
来季もGKながら攻守の要として、守護神として降臨して欲しい。

4、セットプレイの守備時のゾーンディフェンス

今季からCKやFKの守備時にゾーンディフェンスを採用。
しかもただ単にゾーンディフェンスするのではなく、前線に選手を残さず、全員で守るゾーンディフェンスを採用した。
CK時にゴールに蓋をした様に選手が、ゴール前を固めた。
実際20試合?ぐらいセットプレイからの失点が無かった通りセットプレイからの失点が激減した。
一方で、得点力がダウンしている事も間違いない。
2の項目に通じる部分があるが、ゴールライン上で、8千明や14仙石がクリアしたり、GKの正面だったり、ポストだったりと運も今季はあった。
こういった運も多くの人数を割いた成果とも言える。
来季もこのセットプレイの守備を継続し、1点を争う勝負に持って行きたい。

5、成長著しいCB

今季の堅守を支えた要因の一つとして、CBの選手の成長も言える。
一柳、4近藤といった選手がCBというポジション苦しむ中、3後藤、18竹田、5植田といった選手は、高いパフォーマンスを見せた。
3後藤は、柔軟性を活かした1対1の強さを見せた。
スライディングタックルの巧さは、間違いなくチーム1。
18竹田は、頭脳的なプレイで、DFラインを統率。
読みと的確なポジショニングで、広範囲をカバーした。
第二GKとも言える素晴らしい働きだった。
5植田は、空中戦の強さに加えて、密着マークからの長い足や身体能力といったフィジカルを活かした潰す守備が、際立っていた。
22篠原も荒削りながらCBの一角に食い込む試合もあり成長を見せた。
一柳は、退団が決定したが、4近藤は、まだ更改されていない。
4近藤が、来季残るなら3バックにそろそろ慣れてCBの層を厚くして欲しい。
GK1中林の活躍が目立つ中、地味にCBの選手も素晴らしい働きを見せてくれた。
来季も主軸が、残っており、安定した守備は、健在の筈。

6、DHの主力二人の守備の貢献

DHの核となった8千明と14仙石の守備面の貢献度は大きい。
8千明は、上背が無いながら頭脳的プレイで、インターセプトしたり、トラップした所を狙ってボール奪取し、そこから攻撃に繋げた。
14仙石は、球際に厳しくいった。
スライディングタックルで、危険な芽を摘んでいた。
この二人が、攻撃的な選手な様で、守備的な選手だと感じた。
やはりその部分で、29大屋や36関戸が、レギュラーになれなかったのは、その辺りになる。
∴来季新加入の島田君もどれだけ守備出来るかもスタメンになれるかの鍵を握っている。
攻守両面から結果的に守備に貢献出来た二人の牙城を誰が、崩すか注目したい。

7、総括

今季は、攻撃を犠牲した上での堅守だった。
そういった意味では、手放しでは喜べない側面もある。
ただ、近年のJクラブの中で、これだけ守備に重きを置いたチームは、難しい。
そう考えるとこのスタイルを継続して独自のサッカーを確立する。
そういう方針であった方が良い。
恐らく今季のストーブリーグを考えると選手獲得よりは、育成により守備力をあげていく。
その姿勢は、評価されるべきだし、手堅いチーム作りと感じる。
影山体制の継続を考えても試合での守備力だけでなく、フロントの堅守さも際立つ。
こういったチームだからこそ今季の失点数の少なさはあるし、結果もついて来ている。
間違いなく、クラブの堅守に磨きがかかっているし、来季こそJ1最少失点で、J1昇格して欲しい。

岡山から世界へ

To Be Continued

by 杉野 雅昭


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