2016:FUJI ZEROX SUPER CUP:サンフレッチェ広島vsガンバ大阪「完成度に差」その2

2、戦評

Jリーグで、タイトルに一番近い両チーム対戦。
G大阪は、ACLでベスト4。
サンフレッチェ広島は、CWCで3位。
国際大会でも結果を残している。
そして、今季もその強さを発揮するのか。
2016年シーズンを占う一戦が、今ここに始まる。

前半の序盤は、互いに繋ぎ合う展開。
ボールの奪いどころをなかなか見つけられない両チームだったが、時間が経つにつれて、ボール奪取にトライして、デュエルが増えてくる。
そんな中一つの良い形ががあり、39宇佐美 貴史の良いボール奪取からショートカウンター。
その流れからシュートまで行くも得点ならなかったものの前半の最大のチャンスであった。
一方で、広島は、サイド攻撃からのクロスをチャンスを窺う。
セットプレーなども何度かあったが、最後の所で、的確なポジショニングなどでシュートを打たせない良い守備が多かった。
攻守の入れ替えが速く、非常にスリリングな展開ではあったが、互いにシュートまで行くシーンを何度か作るも、決定機までは作れず、両チームの守備の良さが際立つ前半だった。

後半頭からG大阪は、39宇佐美 貴史と9アデミウソンをポジションを入れ替えて臨む。
サイドから立て続けにチャンスを作る。
左サイドからの攻撃は防がれるが、2次攻撃の右サイドの33塩谷 司のクロスに11佐藤 寿人がかかとで合わせて、広島先制。
更に5丹羽 大輝に対する非常に難しいジャッジだったが、クロスに対して、両手を挙げていて顔に当たったが誤審で、広島のPK。
そのPKを10浅野 拓磨が、しっかり決めて、広島追加点。
G大阪も2枚代えで、攻勢に出る。
すると終盤に差し掛かる所で、カウンターから13阿部 浩之のクロスに39宇佐美 貴史が、頭で決めて1点返して、2-1。
広島も失点直後9ピーター・ウタカを投入して、ギアを1つ上げる。
するとCKの毀れ球を9ピーター・ウタカが、強烈なシュートをゴールに決めて、広島追加点で、3-1。
G大阪は、25藤本 淳吾を投入するも流れは変わらず、広島ペースで進む。
広島がそのまま逃げ切り、広島の快勝に終わった。
この結果を得て、広島のゼロックススーパーカップは、広島の優勝で、シーズンをスタートした。

3、試合評

チーム評

広島

攻守共に益々、組織力が高まったというのが、正直な感想。
攻める時には、ボール回しからの遅攻から全方向へのパスを通じて揺さぶり、サイドと中央でバランス良く攻めている。
カウンターへの移行もスムーズで、良い形を作れていた。
守備時には、攻守の入れ替えが速く、素早く帰陣し、後ろからボールを奪う良い守備が多かった。
また、それを可能としているのが、守備時の数的有利を作る事で、スペースを埋める事が出来ている動きである。
攻撃時のフリーランとポジショニングにより、リスクを最小限に抑えている。
そのため危険なカウンターを受けるシーンは少なかった。
カウンターで攻められてもペースダウンさせて、そこで前方から戻ってきて、ボール奪取に繋げるという構図である。
後ろから前方までのビルトアップ共に隙が無く、この試合を見る限りは、連覇に死角なしと言える。

G大阪

広島のボール回しに対して、巧く奪い取るというシーンが少なく、狙いであるカウンターにあまり繋げれなかった。
それがこの試合の敗因と言える。
また奪った後からポゼッションやカウンターに繋げる所が上手く、行かないシーンが目立った。
そういった事もあり、2次攻撃を受けるというのも少なくなかった。
G大阪としては、広島の様に繋ぐ技術と組織力の高いチームに対して、どうボールを奪うのか。
そういった対策を進めなければ、広島に勝つのは非常に難しい。
勿論、両チームACLを戦うという事で、消耗する中で、この試合の様なパフォーマンス維持出来るのも難しく、また、G大阪自身も完成度を上がる事を考えれば、勝機も十分あるが、現段階では、僅かな差ではるがこのレベルの高いゲームにおいては、大きな差があった。
しかしながら選手としての個の力の高さを発揮したシーンもあり、シュートまで持っていき、惜しいシーンも作っていた。
そういった個の力を活かす意味でもチームとしての組織力というのを高めて行きたい。

その3に続く。

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