ファジアーノ岡山2017シーズン前考察Part6「TRM愛媛FC」その3

4、1本目と2本目の組み合わせ考察

前線の3人(CF:19片山 瑛一、ST:7伊藤 大介・10大竹 洋平→8石毛 秀樹)

19片山 瑛一の1トップに、シャドーに7伊藤 大介と10大竹 洋平。
やはり、前線にボールが収まらないので、攻撃の形をなかなか作れなかった。
それでも19片山 瑛一は、前回よりコンディションが上がっており、裏への動きも増えて、体を張ったプレーが出来ていました。
10大竹 洋平は見るたびに目立ったプレーが減っているものの左足でのパスやクロスには、随所にクオリティの高さを感じるプレーもあった。
運動量や守備の貢献度は、後半途中から入った8石毛 秀樹の方があった。
1本目と2本目は、無失点という事で、守備におけるタスクは、大きくないもののレベルが上がればより求められる。
前回同様にこのポジションでの起用を模索していることを考えると、守備の評価は高くないようだ。
DHは、比較的怪我人の少ないポジションで、計算できる人数が揃っていることを考えると、ここでの起用にならざる得ないが、24赤嶺 真吾不在でどこまで戦えるかという不安は拭えなかった。

中盤の4人(左WB:11三村 真、DH:16関戸 健二・2澤口 雅彦→27塚川 孝、右WB:26田中 奏一→28加藤 健人)

11三村 真は良くも悪くもドリブラー。
パスを呼ぶ声でのコーチングや動きの回数というのは、多くない。
時にシュートを狙う姿勢もあり、17朴 亨鎮(パク・ヒョンジン)と違って、相手陣深く入らないと仕事できない事を考えると、逆サイドからサイドチェンジが欲しい。
逆サイドの26田中 奏一は、良くも悪くも猪突猛進で、どんどん進んでいくが、やはりアクティブ。
素晴らしいインターセプトから一気にカウンターも最後のパスやクロスのメッセージ性に乏しい。
これは、26田中 奏一の特性上仕方ないが、受け手である中の選手が、最低限こういったボールが欲しいとかの要求があってものいいのではないか。
長年見ていると不器用な選手というか大雑把な選手なので、速いボールを足元にとか少しずつコミュニケーションを取って解決していって欲しい。
こうして2人を考えて見ると昨季のサイドチェンジの少なさを感じる。
局面局面になりがちなので、ここに逆サイドを使える余裕があり、フィジカルと技術的にサイドチェンジが使えれる選手が居ればと強く感じる。
DHの16関戸 健二に関しては、大いに期待できるというのが正直な感想。
ボールキープであったり、シュート意識というのは、流石で、運動量も多い。
ただ、やはり守備で目立ったかと言われればそうではなく、ファールを恐れないプレーも時には求められる。
2澤口 雅彦に関しては、やはりボールを奪われる癖がある。
主戦場が、サイドの選手なので、どうしてもボールを持ってしまう癖もあり、360度見ないといけないというポジション的宿命もあり、前回のTRMでもあったボールロストというシーンは増えてくるだろう。
この辺り、慣れてこないとDHとしては考えづらい。
その点27塚川 孝輝は、接触を恐れない攻守でプレーには強いフィジカルを感じ、攻守での安定感が大きく、誰とでも組めるのは強みかと感じます。
28加藤 健人は、少しクールが印象を持つものの様々なポジションを任させられる便利屋になりつつある。
ユース3年所属枠という事もあり、ユースからハイレベルな選手が居ない限り、穴埋めという形からのスタートになると思われるが、トップチームで練習する中で、戦力として期待できる選手に成長してほしい。
左右WBの11三村 真・26田中 奏一・28加藤 健人と、DH2澤口 雅彦に関しては、実戦では要改善すべき点はまだあり、特に右WBでの28加藤 健人とDHでの2澤口 雅彦は、まだ実戦で起用できる段階では無さそうであった。
無難なプレーが出来て当たり前で、どれだけインパクトが残せるかというのも1つのポイントで、そういった意味では、アピール不足=そのポジションにおける個の力不足といえる。

守備陣(左CB:14喜山 康平、中CB:6竹田 忠嗣、右CB:39篠原 弘次郎、GK:13櫛引 政敏→1椎名 一馬)

ビルトアップは流石なんですが、守備は酷いレベルでした。
よくこれで、1本目と2本目を無失点にできたという印象でした。
何が酷いかというと、ハイボール処理でどたばたしてた事です。
11喜山 康平と6竹田 忠嗣がフリーでジャンプしてクリアに行って触れず、頭の上で超えていく事が何度もあったという事実は看過できない強い不安を抱きました。
13櫛引 政敏に関しては、飛び出してパンチングして愛媛の選手にパスの様な形になってましたが、余裕があるシーンだったと思いますし、やはりそこが見えていないという事であり、失点していても不思議ではなかったです。
事実は、岡山の選手がゴールのライン上でクリアしましたからね。
やはりこういった部分は、経験不足であったり、ゲーム感が鈍っているからだと思いますが、それぐらい安定感に欠けてました。
更に39篠原 弘次郎もクロス処理に対して、あわやオウンゴールというシーンもあった。
今季の岡山は、昨季まではあった安定感というのは損なわれており、全体的にまだまだ怖さがあります。
ただ、無失点に抑えられたのは、約束事があるからだと思います。
その1つが、サイドのスペースへパスが出された時に中央の6竹田 忠嗣がサイドに対応に行き、179センチとしてこの日のDFラインの3人で一番高い14喜山 康平が、左からポジションを入れ替わって、中央で待つという形もとっていました。
空中戦の強さに関しては、気休め程度ではありますが、こういった細かいプレーといのは、事前に決めていなければできないプレーである。
そう考えると、シュートを打たれていて、随所にミスであったり、不安定さを感じるもののチームとしての守備の組織力というのは、高いものがあり、一定のレベルで、修正・改善・成長・対応・などが出来ている証拠である。
また、1椎名 一馬のコーチングの大きさも流石で、少なからず効果はあるように感じました。
愛媛の攻撃の質が高くないととしても、岡山が、チームとして一定の約束事出来ている事を考えれば、ある程度戦えるという手応えも感じ、チーム作りは、怪我人が多数出ている状況であるが、開幕に向けて状態が上がってきているように感じました。

その4に続く。

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