2017:A代表:ワールドカップアジア最終予選:8戦目:A:vsイラク「過酷な環境によるアクシデントへの対応に失敗し、勝利を逃すも王手」
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杉野雅昭
2017年06月14日 21:26 visibility205
イラクvs日本:1-1
得点者:15大迫 勇也(4本田 圭佑)、19マフディ・カミル
1、チーム情報&評点
評価基準
良:1~5:悪
A:日本
監督
ヴァヒド・ハリルホジッチ:3.5
スタメン
15大迫 勇也:2.5
11久保 勇也:3.0、8原口 元気:2.5、4本田 圭佑:2.5
14井手口 陽介:3.0、6遠藤 航:2.5
5長友 佑都:2.5、3昌子 源:2.5、22吉田 麻也:3.0、19酒井 宏樹:3.0
1川島 永嗣:3.0
リザーブ
GK:12東口 順昭、23中村 航輔
DF:13三浦 弦太、20槙野 智章、2宇賀神 友弥、21酒井 高徳
MF:16山口 蛍、17今野 泰幸、7倉田 秋
FW:10乾 貴士、18浅野 拓磨、9岡崎 慎司
途中交代
14井手口 陽介→17今野 泰幸:3.0
8原口 元気→7倉田 秋:3.0
19酒井 宏樹→21酒井 高徳:2.5
H:イラク
監督
バシム・カシム:2.5
スタメン
8モハナド・アブドゥルラヒーム・カッラル:2.5
19マフディ・カミル:2.0、10アラー・アブドゥルザフラ:2.5、9アハメド・ヤシーン:2.5
5ブルワ・ヌーリ:2.5、21サード・アブドゥルアミール:2.5
6アリ・アドナン:2.5、22レビン・スラカ:2.5、2アハメド・イブラヒム:2.5、23ワリード・サリム:2.5
12モハンメド・カッシド:2.5
リザーブ
GK:1ジャラル・ハッサン、20ファハド・タリブ
DF:3アリ・バフジャト、4ムスタファ・ナディム、14スアド・ナティク
MF:11フマム・タリク、13バシャル・レサン、15アハメド・アブドゥルリダ
FW:7ハンマディ・アフマド、17アムジェド・アットワン、18アイメン・フセイン
途中交代
9アハメド・ヤシーン→11フマム・タリク:2.0
19マフディ・カミル→13バシャル・レサン:2.5
5ブルワ・ヌーリ→17アムジェド・アットワン:評価不可
2、得点経過
A:日本:0-1:15大迫 勇也(4本田 圭佑)
15大迫 勇也が粘って、最後に8原口 元気がシュートで、右CKを日本が獲得します。その右CKを4本田 圭佑が蹴り、精度の高いボールを入れると、15大迫 勇也が戻りながらヘッドで合わせて、GK12モハンメド・カッシドが、手を伸ばすも届かず、日本が先制。
4本田 圭佑の左足というのは、やはり精度が高いボールが配給されますね。そういったセットプレーを活かして、追加点を奪いたかったですが、なかなか上手く行きませんでした。
H:イラク:1-1:19マフディ・カミル
イラクが、サイドからスピードを一気に上げて、ゴール前まで迫ってきます。日本も奪いきろうとチャレンジするも奪いきれずペナルティエリア内まで侵入されます。最後に22吉田 麻也がクリアする時間があったが、GK1川島 永嗣に任せるも22吉田 麻也と8モハナド・アブドゥルラヒーム・カッラルの足が絡まって、キャッチできず毀れてしまいます。これに反応した19マフディ・カミルが右隅に押し込んで同点に追いつかれてしまいます。
色々な不運が重なってしまったの失点。日本は、こういったシーンでシュートが打てない事が多くて、逆にシュートまで行かれてしまった事で、決められてしまった。悔しいですけど、決めるべき所で決めなければこういった展開になってしまうという典型的な失点パターンであったと思います。
3、戦評
数値評
評価基準
良:A~E:悪
A:日本
攻撃評価:D
守備評価:C
采配評価:E
総合評価:D
H:イラク
攻撃評価:D
守備評価:C
采配評価:C
総合評価:C
文章評
この試合に勝利か引き分けで、ホームでのオーストラリア戦での王手というシチュエーションで迎えてこの試合。怪我人が多発していた事で、初尽くしのスタメンで臨む事になりました。ただ、層の厚さという部分で、ある程度戦える時間を作る事ができました。しかし、気温が高い中で、高い標高での試合で、厳しい試合となりました。結果的にそこが、悪い方向に働きセットプレーから15大迫 勇也のゴールで先制するも終盤に追いつかれて、辛うじて引き分けという試合に終わりました。しかし、次戦勝てばW杯出場決定という条件を作る事ができた点は、大きく、最低限の結果を残せた点は、ポジティブに捉える事ができると思います。さて、それでは、この試合について述べて行きたいと思います。
まず一番に触れておくべき点は、交代采配です。数値評で采配評価をE評価としましたが、何故悪い評価なのかについて述べて行きます。
やはり、8原口 元気を代えて7倉田 秋を投入した点。実は、これが枠が残っていなければ、妥当な采配だったと思います。8原口 元気は、前半からハードワークし、攻守で存在感が際立っていました。その前のプレーで、フリーでのシュートを大きく吹かしていました。このプレーが、交代材料とはしては、十分でした。
しかし、この時には、90分間持たずに足を攣る事が多い11久保 裕也と、不自然な走り方をしていた19酒井 宏樹が残っていました。ここで、この2人を代えることが出来て居れば、もっとチャンスを作れた可能性は、十分あると思います。
だから私は、矛盾した表現となりますが、間違っていませんが、間違っていたという采配であったと個人的には見ています。2人を怪我で交代するというアクシデントが、最後に響いた試合であったと言えると思います。
結論も繰り返しになりますが、日本のサッカー文化であれば、8原口 元気を交代させるのではなく、11久保 裕也に代えて10乾 貴士であったと思います。しかし、守備を考えると7倉田 秋で、正解であったと思いますし、私もそこを代える事を考えるのではないかと思いました。だからこの采配を完全な失策としてだけで考えるのではなく、何故失策だったのかを深く考えて、しっかり認識して欲して頂けたらと思っています。
さて、続いて2列目の考察に移りたいと思います。左から14久保 裕也、8原口 元気、4本田 圭佑の狙いをどう考えるかです。ここまでの起用を考えるのであれば、左に8原口 元気、真ん中に4本田 圭佑、右に14久保 裕也という配置であったと思います。ここでポイントなるのが、8原口 元気のプレースタイルであり、14久保 裕也と4本田 圭佑と異なっています。8原口 元気は、攻守で運動量豊富で走り切る選手です。ドリブルで持ち上がって得点に絡んだり、お膳立てしたりと日本の選手の中では色々な役割をハイレベルでこなす事ができる貴重な選手です。そして、運動量豊富なので、ピッチを縦横無尽に走り回り、色んな所へ顔を出していました。何より良い点は、8原口 元気に良い縦に速いパスが通った時に、そのままスピードに乗ってゴール前に迫っていく推進力がある点です。こういったプレーは、14久保 裕也や4本田 圭佑に出来ません。そうすると、必然的にトップ下は、8原口 元気となってきます。14久保 裕也は、守備をしっかりしますが、90分間だと厳しい選手で、4本田 圭佑は、守備での貢献度の低い選手です。こういった面を考えると、必然的に右サイド適性の高い4本田 圭佑が、右WGとなり、消去法で、左WGは、11久保 裕也となります。
決して、ヴァヒド・ハリルホジッチ監督が、選手の適性を無視した起用ではなく、怪我人が出ている選手の中で、守備と攻撃のバランスを上手く保とうとする意図があると推測できます。確かに、近年の日本代表の監督は、サッカーの方向性は違っています。しかし、そういった文化を軽視してきたことから、そういったサッカーを志向しているヴァヒド・ハリルホジッチ監督に対する評価は、低くなっています。是非、こういった評価に対して、結果で、監督として成果を挙げて納得させて頂きたいです。そのために次の試合のホームでのオーストラリア戦で、しっかり勝利して、W杯出場を決定して頂けると信じています。
試合評
MOM:11フマム・タリク(イラク)
MIP:8原口 元気(日本)
満足度:2点(10点満点)
日本から世界へ
To Be Continued
by 杉野 雅昭(masaaki sugino)
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