2017:J2:38節:H:vsザスパクサツ群馬「サッカーの怖さを感じた試合」

岡山vs群馬:2-1
得点者:9山岸 祐也(15岡田 翔平)、8石毛 秀樹(FK)、24赤嶺 真吾(19片山 瑛一)
観客数:9,436人

1、チーム情報&評点

評価基準

良:1~5:悪

審判

主審:藤田 和也:2.5
副審:村田 裕介、小曾根 潮:2.5

H:岡山

監督

長澤 徹:2.5

スタメン

24赤嶺 真吾:2.0
30豊川 雄太:2.5、8石毛 秀樹:2.0
11三村 真:2.5、16関戸 健二:2.5、5渡邊 一仁:2.5、2澤口 雅彦:2.5
14喜山 康平:2.5、33張 碩元(チャン・ソグォン):2.5、19片山 瑛一:2.5
22一森 純:2.5

リザーブ

GK:13櫛引 政敏
DF:6竹田 忠嗣、31下口 稚葉、21加地 亮
MF:7伊藤 大介、10大竹 洋平
FW:20藤本 佳希

途中交代

30豊川 雄太→20藤本 佳希:2.5

 

A:群馬

監督

森下 仁志:3.0

スタメン

33姜 修一(カン・スイル):2.5
15岡田 翔平:2.5、9山岸 祐也:2.5
16市川 恵多:3.0、30松下 裕樹:3.0、28岡庭 裕貴:3.0、7高橋 駿太:3.0
4坪内 秀介:3.0、3川岸 祐輔:3.0、19一柳 夢吾:3.0
1清水 慶記:3.0

リザーブ

GK:41牲川 歩見
DF:2船津 徹也、43呂 成海(ヨ・ソンヘ)
MF:27出岡 大輝
FW:11永井 雄一郎、14石田 雅俊、26高井 和馬

途中交代

16市川 恵多→2船津 徹也:3.0
30松下 裕樹→27出岡 大輝:3.0
15岡田 翔平→26高井 和馬:評価不可

2、得点経過

A:群馬:0-1:9山岸 祐也(9山岸 祐也)

 GKの1清水 慶記が自陣からFKを蹴ってきた所で、岡山の選手が、33姜 修一(カン・スイル)に競り負け前線へ頭で送られます。岡山の選手が、一度はクリアしますが、再び33姜 修一(カン・スイル)の下へいき、再び頭で前に送られてしまいます。今度は15岡田 翔平へ通ってしまい、15岡田 翔平がシュート打とうとトラップしたところをかっさらう形で、9山岸 祐也にダイレクトボレーシュートを許します。このシュートが右隅に突き刺さり、群馬に先制を許しました。

 一度クリアした事で、少し隙が出た所を2次攻撃を受けて、シュートまでいかれたというシーンでした。こういったシーンでのクリア精度に改善の余地があると同時に、シュートを打たせない寄せて行く守備というのをもっと徹底していって欲しいです。

H:岡山:1-1:8石毛 秀樹(FK)

 岡山の自陣からGKの22一森 純のFKから始まった流れで、30豊川 雄太が競ろうとしたところで、抑えつけられて得たFK。
 ペナルティエリア手前にセットされたボールの左側に右利きの8石毛 秀樹、右側に左利きの11三村 真が立ちました。岡山の選手は、壁の中央に立ち視線を遮りと同時に飛ばない事で、キッカーに選択肢を持たせる位置に付きました。蹴ったのは、8石毛 秀樹で、中央ではなく、左側の群馬の選手が飛んだ2人の選手の頭と頭の間を抜けて行き、GKも飛びつきますが、コースが良く届かず、直接FKを決まり岡山が同点に追いつくことに成功しました。

 中央で、巧くブラインドを作るという作戦により、GKの反応を遅らせる事に成功し、最後の一伸びで触られる事を防ぎました。8石毛 秀樹の蹴ったボールはそこまで速くなかった事を考えても基本的な作戦ですが、大きかったと思います。後は、群馬の2選手の頭と頭の間を通して、左隅下に決めたキック精度も素晴らしかったと思います。本当に綺麗で見事な直接FKでのゴールであったと思います。

H:岡山:2-1:24赤嶺 真吾(19片山 瑛一)

 岡山のFKを8石毛 秀樹が蹴り、群馬が、何度か跳ね返し続けるも岡山もセカンドボールを拾っては中央に入れていく事を繰り返します。その流れが続いていき、一度は、ハーフエリア付近まで、クリアされてしまうも押上げ仕切れなかった群馬の守備に対して、16関戸 健二が1トラップの後に中央にロングパスを入れます。これに19片山 瑛一が競り勝ち、その先に居た24赤嶺 真吾がダイレクトボレーシュートを放ち、GK1清水 慶記も動けない右隅に決まって岡山が逆転に成功しました。

 セカンドボールへの反応や、クリア精度、攻守の切り替えや、ラインの上げるスピード。こういった物が、このシーンでは群馬に足りず、そこを突く事をしっかり続けた事によって生まれた得点であると思います。

3、戦評

数値評

評価基準

良:A~E:悪

H:岡山

攻撃評価:B
守備評価:B
采配評価:C
総合評価:B

A:群馬

攻撃評価:D
守備評価:D
采配評価:C
総合評価:D

文章評

 台風により開催が心配された試合で、実際に水浸しのピッチ状態でした。それでもなんとか無事に開催されました。そんな中で、4連敗中の岡山が迎えたのは、21位以下が決定し、降格の可能性が非常に高まっている群馬でした。雨の中という事で、両チームともボールが止まったりして、思い通りのプレーが出来ず、前へのロングパスが増えるという展開でした。一進一退の攻防の中、前半終了間際に一瞬の隙を突かれて、失点してしまい群馬に先制を許してしまいました。後半は、8石毛 秀樹のFKで同点に追いつくと群馬の勢いが弱まり、主導権を握って攻める様になった岡山が、エースである24赤嶺 真吾のゴールで、逆転に成功しました。このまま逃げ切り、連敗ストップで、久々の勝利という結果になりました。

 勝敗を分けたポイントですが、24赤嶺 真吾と33張 碩元(チャン・ソグォン)の存在が挙げれると思います。24赤嶺 真吾が居る事で、前線での空中戦での強さを活かしたポストプレーにより前線の起点を作る事ができ、33張 碩元(チャン・ソグォン)がいることで、この試合のピッチコンディションで多くなるロングパスに対して、自陣深くでの跳ね返す力で、ロングパスに対する抑止力になっていました。この状況下では、非常に心強い存在でした。やはり、ロングパスが多くなるピッチコンディションの中で、空中戦に強い選手が居るだけ、攻守での効果は大きく、少なからず勝敗に影響したと思います。特に24赤嶺 真吾は、決勝ゴールを決めましたし、雨によるピッチコンディションを見たプレーも出来ていました。

 ただ、一番の勝因というのは、最後まで諦めずに戦い抜いた事であると思います。群馬も諦めた訳ではないですが、同点に追いつかれて勢いが完全に失った事を考えてもチームとしての苦しい時に戦える自分達のスタイルを確立出来てなかったのが痛かったと思います。この点は、4連敗中だった岡山にも当て嵌まっていましたが、やはり、降格の確率が高い群馬の方が、チームとしてのすがるサッカーが、構築出来ていなかった事になります。岡山の90分間走り切るサッカーと全員で守る高い守備意識。こういった岡山の良さが、この試合の逆転勝利に繋がったと思います。

 しかし、今季も終盤に弱いというデータ通り、ここまで4連敗していた事を考えてもチームとして成熟したチームに対して、如何に勝つかという部分で課題が多い段階から抜け出せずにいます。来季に向けての宿題が終えるために、4試合残っていますので、内容と結果の部分でしっかりやり遂げて来季を良いシーズンするために残り4試合ですが、大事にして欲しいです。

 最後に群馬は、この試合での敗戦を受けてのJ2の現在の勝ち点の順位と、J3の状況を考えると、降格の可能性は極めて高くなりました。そういった背景もあり、普段なら来ない筈の岡山のメインスタンドに群馬の選手達が挨拶しに来られました。この時に、岡山のサポーターから群馬の選手に対して、拍手と激励の声を送るという一幕がありました。試合中は好敵手ですが、試合が終われば、仲間の様な存在で、Jリーグの暖かさというのを感じたと同時にサッカーの怖さとも感じました。岡山も今後どういった立場になっていくかは、誰にも分かりませんが、全力で、今後も応援していきたいと改めて感じました。残り4試合ですが、何れも格上ともいえるチームで、そういったチームに対して、どこまで戦えるか楽しみです。

試合評

MOM:8石毛 秀樹(岡山)
MIP:9山岸 祐也(群馬)
満足度:6点(10点満点)

岡山から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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