2017:J2:39節:A:vs湘南ベルマーレ「優勝を阻止できなかったが戦い抜いた試合」

湘南vs岡山:1-1
得点者:8山田 直輝(9ジネイ)、10大竹 洋平
観客数:8,780人

1、チーム情報&評点

評価基準

良:1~5:悪

審判

主審:木村 博之:2.5
副審:聳城 巧、桜井 大介:2.5

A:岡山

監督

長澤 徹:2.5

スタメン

24赤嶺 真吾:2.5
30豊川 雄太:3.0、8石毛 秀樹:2.5
11三村 真:3.0、16関戸 健二:2.5、5渡邊 一仁:2.5、2澤口 雅彦:2.5
14喜山 康平:2.5、39篠原 弘次郎:3.0、19片山 瑛一:2.5
22一森 純:2.5

リザーブ

GK:13櫛引 政敏
DF:6竹田 忠嗣
MF:17朴 亨鎮(パク・ヒョンジン)、21加地 亮、27塚川 孝輝、10大竹 洋平
FW:20藤本 佳希

途中交代

2澤口 雅彦→10大竹 洋平:2.0
11三村 真→17朴 亨鎮(パク・ヒョンジン):2.5
30豊川 雄太→27塚川 孝輝:3.0

 

H:湘南

監督

曺 貴裁(チョ・キジェ):2.5

スタメン

9テルマリオ・デ・アラウージョ・サクラメント(ジネイ):2.0
8山田 直輝:2.0、2菊地 俊介:2.5
42高橋 諒:3.0、5秋野 央樹:2.5、6石川 俊輝:2.5、36岡本 拓也:2.5
29杉岡 大暉:2.5、4アンドレ・ルイス・バイーア・ドス・サントス・ヴィアナ(アンドレ・バイア):2.5、13山根 視来:2.5
1秋元 陽太:1.5

リザーブ

GK:31後藤 雅明
DF:3岡崎 亮平
MF:14藤田 征也、16齊藤 未月、22下田 北斗
FW:10ドラガン・ムルジャ、17端戸 仁

途中交代

42高橋 諒→3岡崎 亮平:2.5
8山田 直輝→10ドラガン・ムルジャ:3.0
9テルマリオ・デ・アラウージョ・サクラメント(ジネイ)→端戸 仁:3.0

2、得点経過

H:湘南:1-0:9ジネイ(8山田 直輝)

 1秋元 陽太のゴールキックが流れた所で、反応した5渡邊 一仁と8山田 直輝が向かいます。5渡邊 一仁が追いつきますが、雨でボールが止まってしまい8山田 直輝にかっさわられてしまいます。そのまま8山田 直輝にサイド深くに侵入されてしまいます。5渡邊 一仁が引き続き対応しますが、フェイントから8山田 直輝がクロス入れられます。その先の落下点に9テルマリオ・デ・アラウージョ・サクラメント(ジネイ)が、フリーランから巧く入られて、高い打点のヘッディングシュートを打たれてしまいました。22一森 純も反応しますが、僅かに届かず先制ゴールを許してしまい前節同様に嫌な時間での失点となってしまいました。

 8山田 直輝のクロスの精度も高かったですが、9テルマリオ・デ・アラウージョ・サクラメント(ジネイ)ゴールに入っていく動きと決定力は、素晴らしかったと思います。また、こういったシーンを見ても感じるのは、ここで、跳ね返す事が出来る絶対的なCBこそいればと感じる失点でした。

A:岡山:1-1:10大竹 洋平

 27塚川 孝輝がセカンドボールを回収し、16関戸 健二に預けます。パスを受けた16関戸 健二が、ドリブルで巧く緩急を使って、右サイドに抜け出ると、そこからクロスを入れます。その先にフリーでいた24赤嶺 真吾が左足でシュートを放ちます。一度は1秋元 陽太にセーブされるも毀れ球に詰めていた10大竹 洋平が押し込んで、岡山が土壇場で同点に追いつくことに成功しました。

 このシーンに限らず27塚川 孝輝が拾ったように、岡山がチームとしてセカンドボールを拾えており、そこから巧く得点まで繋げる事が出来たシーンであったと思います。16関戸 健二独特のドリブルでの突破も見事でしたし、24赤嶺 真吾もストライカーらしく、シュートまで迷いなく、打てていたのも良かったと思います。そして、何より10大竹 洋平のゴールへの執念。そういったものが感じた泥臭いゴールではありましたが、岡山らしい良いゴールであったと思います。

3、戦評

数値評

評価基準

良:A~E:悪

A:岡山

攻撃評価:B
守備評価:C
采配評価:B
総合評価:B

H:湘南

攻撃評価:D
守備評価:A
采配評価:B
総合評価:B

文章評

 岡山が、プレーオフ圏への僅かな可能性を信じて、優勝がかかっている湘南の地に乗り込んで勝利を目指すという試合。実はこの試合は、台風の影響で、満足な練習が出来なかった湘南との試合で、アウェーではありますが、岡山が有利な条件で臨むことが出来た試合でした。試合の方は、雨の影響もあり、湘南らしい連動性のあるパスワークというのが、目立ちませんでした。それでも、湘南のボールへの執着心やゴール前での連動したフリーランなど、随所に湘南の良さが見られていて、湘南が有利に進めていました。実際に前半終了間際に湘南が、クロスから高さを活かした得点で、先制しました。それでも後半は、この試合の条件が良かった岡山が、準備が満足に出来ていなかった湘南の運動量が落ちてきたのを後目に、どんどん湘南を攻めたてます。決定機を何度も突くってゴールに迫るもなかなか得点を奪えない展開でしたが、試合終了間際になんとか1点返して、同点に追いつきます。しかし、残された時間で、ゴールへ向かって行くも逆転ゴールまでは奪えず、試合終了。この結果を受けて2017年シーズンでのJ1昇格の可能性は、完全消滅しました。逆に湘南のホームでの優勝を決めて、2018年シーズンに再びJ1で戦って行く事になります。

 何故、この試合湘南が、岡山の猛攻を1失点に抑える事が出来たのか。それは、やはり解説者も仰られていましたが、空中戦の強さが理由と言えると思います。岡山のクロスやセットプレーでの高さに対する跳ね返す力は、岡山以上であったと思います。加えて、攻撃でも岡山に無いクロス精度と高さが湘南にありました。それが、湘南の先制点に繋がりました。逆に岡山は、そういった高さが無いため、苦肉の策として、ショート―コーナーを多く使い、バランスを崩して、好機を何度か作る事に成功しましたが、なかなか得点に繋げる事が出来ませんでした。
 しかし、不思議なもので、いつもなら逆に先制して猛攻を受けて失点するのが、今季の岡山です。この試合では、湘南の準備不足という事もあり、後半戦は有利に進めたの岡山の方でした。そして、この苦しい時間帯の湘南の守り方が、実は岡山みたいな粘り強い物でした。シュートコースを体を張って守り切り、しっかりゴールに蓋をしていました。岡山以上の戦力を持ちながら、岡山の様な献身的なプレーが出来る。それが湘南の強さであったと思います。
 そう考えると、満身創痍であったとは言え、そういった強者である湘南に対して、岡山が後一歩という所で追い詰めたという点は、大いに評価できると思います。

 後は、3枚の交代カードも強力であったと思います。10大竹 洋平は、高い技術を活かしたドリブルやパスで、湘南のゴールに襲い掛かり、ゴールを決めましたし、惜しいシュートもありました。17朴 亨鎮(パク・ヒョンジン)も精度の高いクロスやセットプレーで、好機を作りました。27塚川 孝輝も高さに厚みをもたらし、湘南にプレッシャーを与える事が出来ました。
 ただ、流れが岡山に来ていた事もあるので、今後は、流れが悪い時に流れを変えて、同点、逆転出来る様な采配に期待したいところです。

 そして、触れておきたい点としては、8石毛 秀樹の輝きですね。例えば、サイドのライン際の攻防で、何故か怪我から復帰すると数試合でスタメンに復帰した7伊藤 大介であれば、突破できずバックパスを選択する事が多かったシーンです。8石毛 秀樹は、その狭い所を技術で突破するという選択肢もあります。当然ビックチャンスになります。ただ、某メディアの特集コーナーで、守備の球際の粘りといった部分で、加入当初は、まだまだ出来ていなかったと本人も自覚していた様です。そういった意味では、ある程度スタメンで、出れない試合が増えてくるのも理解できます。しかし、そのパフォーマンスは、高いレベルにあるのも事実で、違いを見せれる貴重な選手であった事を考えると、もっと出場機会があっても良かったと思う選手です。

 最後にこの試合で、今季のJ1昇格の道は絶たれてしまいましたが、仕切り直しの来シーズンに向けて、サポーターに「来季は、今季より期待出来るシーズンにする」といった感じのプレゼンテーションが出来るかどうか。そういった重要な残り3試合になると思います。昇格をかけて戦っているチームですし、岡山のサッカーで、残り3連勝で、終える事を目指して戦いきって欲しいです。

試合評

MOM:1秋元 陽太(湘南)
MIP:10大竹 洋平(岡山)
満足度:7点(10点満点)

岡山から世界へ
To Be Continued

by 杉野 雅昭(masaaki sugino)

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