「二塁:重信」への違和感・・何のためにクルーズ・脇谷・山本を取ったのか?

「由伸改革第1弾」と称して,「二塁:重信」が提唱されていますが,私は違和感を覚えます.

以下にその理由を述べます.

・巨人の2塁手難はずっと続いていて,それでフロントはクルーズ・脇谷獲得に昨オフ踏み切った筈です.クルーズはセカンドだけでなくショートも守れて,打率250,本塁打15本,打点60-70が見込める選手です(今年も81試合で,打率252,11本塁打,37打点).セリーグには,山田選手や菊池選手という化け物みたいな2塁手がいますが,そういう選手を除くと,このような長打・打点が(実績として)見込める2塁手はいません.年齢も32歳と若く,中長期的に巨人にとっては大きな戦力になると期待して獲得した筈です.保険として,脇谷も取り,若手としてはドラフトで山本も取りました.要は,短期~長期も視野に入れて,昨オフに2塁手を3人も取ったわけです.そのフロントの意図と,現場の意図との乖離が気になります.「クルーズの態度が悪い」といった理由で,ひっくり返してよいようなものではありません.

・俊足の外野手を2塁に転向させようという試みは,巨人では過去に何度もやってきて斬新さもなく,かつ,失敗もしています.先日,引退を表明した鈴木尚も,橋本も挑戦して結局やめています.橋本はケガまでしてしまいました.当たり前ですが,プロ野球の2塁手は,そう簡単に務まるポジションではありません.

・立岡は今は外野手ですが,元々内野手で,2軍でセカンドを守ったりもしています.プロでの実績は立岡の方が上で,年齢差もあまりありません(立岡:26歳,重信:23歳).また,山本もドラフト下位(5位)で獲得した選手ながら,1軍で27試合に出場し,打率256で守備でも良い所を見せ,結果をだしました.このような状況下で,なぜ重信(87試合で打率190)を持ち上げるのかが疑問です.

*先日発表された,「1軍首脳陣のほぼ全員残留→だれも責任を取らない」という人事も,優勝を逃した巨人としては異例で,フロント側の極端な弱腰を感じます.フロントとしては,無理矢理監督になってもらった高橋監督に対して遠慮があるのでしょうが,短期的視野に走りがちな現場と長期的視野に立てるフロントとは,適度な緊張関係を保ちつつバランスのとれた力関係でなければなりません.原前監督が,ナベツネ氏と組んで,前々GMを追い出してから,巨人のフロントと現場とはおかしな力関係になりました.残念ながら,その余波はまだ続いているようです.

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