原巨人の投手・1塁手の2枚替え作戦 (6/9,150245,16)

現在の巨人1軍には,固定した1塁手がおらず,代わりに1塁を守れる選手が,李・高橋由・小笠原・谷・小田嶋・阿部・亀井・古城と8名もいます。原さんは,最近,これを利用して,試合終盤にリリーフを出すとき,次の回でその投手に打順が回りそうな時は,1塁手の所に投手を入れ,投手の所に新たな1塁手をいれるようにしています。まあ,「次の回に投手に打順が回るから・・」ということで,投手交代が遅れて痛打を浴びるケースは結構ありますし,逆に,だめ押しのチャンスで投手に打順が回って決めきれないというケースもあり,固定した1塁手がいないことを逆手にとった面白い作戦です。


 


これをやりだしたのは,今年の4月10日の対中日戦以降です。この試合,1点リードの8回裏の巨人の攻撃,二死1塁で8番打者を中日は敬遠して9番越智と勝負しました。当時,クルーンはおらず越智が守護神でしたので越智の交代はないとふんでの中日の作戦でした。ところが,越智がプロ初ヒットを放ってだめ押し点を奪い巨人が勝ちました。試合後,原監督は,試合に勝ったにも関わらず「8回裏に打席が回ってくる可能性のある打順(9番)に越智をそのまま入れたのは私のミスだっ た.」という趣旨のことを述べていました。そのときのことを教訓にしたのでしょうね。


 


一昨日の楽天戦では,さらにその応用形が出ました。0-0の9回表,一死1・2塁のピンチになったところで,レフト:ラミレスを下げ,ライトから長野をレフトに回し,ファーストから高橋由をライトへ,サード小笠原を1塁へ,そしてサードに寺内をいれたのです。一人の選手の入替(ラミレスと寺内の入替)のみで,レフトとサードの両方の守備固めを行ない,打撃面での戦力低下を最小限にしたものです。これは,高橋由が1塁と外野の両方を守れることを利用したものですが,亀井・谷も1塁と外野を守れるので今後も同様な作戦をしてくると思います。


 


こういうやり方は,レギュラーを固定した「9人野球」とは対極にあるもので,賛否両論あるとは思いますが,戦力の厚みを生かし,若手・ベテランを問わず「控え選手」を活性化させるやり方としてはうまいやり方だと思います。これも原采配の特徴だと思うし,しかも,それは,上述の中日(落合監督)の老獪な策から生まれたものというのが興味深いですね。


 


追記:第1次長嶋監督時代(1975-1980)に,固定したショートがいないとき,長嶋監督は,8番にショートの選手をおいて,チャンスが回ってくるとショートに代打をだし,あえて敬遠させて投手と勝負させ,それがつぶれても,次の回から1番から攻撃するという作戦をとっていた事を思い出しました。固定したショートがいないことに加え,強力な上位打線(3番張本,4番王)を背景に代打陣が豊富にいたことを利用した作戦でしたが,今から思えば,これも相当「斬新でユニークな」作戦でしたね。


 

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