山口先発転向を原監督が明言(86605,7)

噂では流れていましたが,「来季は山口を先発でスタートさせます」と原監督自身が明言したとのこと.


 


「今の野球は後ろ(リリーフ)が大切であり,その要の投手をどうして先発に回すのか?しかも,藤井の獲得で高橋尚の穴は埋まったのに.」と,最初は頭に来ましたが,そんなことは,原監督は百も承知の筈なので,(報道されている先発:山口に対する期待以外に)私なりに理由を考えました.前提にあるのは,今季からのV5を原監督は本気で考えているということです.


 


1.今季のような山口依存を続けるのは危険である.


来季の優勝だけを考えるのなら,山口リリーフの方が良いに決まっている.でも,山口に過度に依存した今季のような使い方(73試合登板)をしていたら,山口は1-2年でつぶれてしまう.その時に慌てて対処しようとしても立て直しがきかない.さらに,もし,山口がその使用に耐えたとしても,それは,個人の資質(タフさ)によるものであり,指揮官として正しい戦略ではない.


 


2.山口をリリーフでおいておく限り,現場としては使わずにはいられない.


先発転向などさせず,リリーフとして大事に使えばよいという議論もあるだろうが(私もこの意見),リリーフとして使えば必ず結果をだす投手を,あえて使わないというのは(どの試合も勝ちたい)現場では困難である.


 


3.先発・リリーフ双方の競争を促す.


おそらく,これが最大の目的かもしれない.


前も書いたように,左の先発は層が薄く,枠を2つと考えれば,内海も藤井も立場は安泰だった.だが,山口が入ることで,当然競争が生じる.3人ともよければ,左の先発枠が3つとなり,右の先発枠が経るから,右の先発投手もうかうかできない.同様に,今まで大きな壁だった山口がいなくなって,左のリリーフ枠が一つ空くので,若手リリーフのチャンスが増える.深田・古川あたりも必死で練習に取り組むだろう.


つまり,山口を先発に転向させることで,全体の底上げが図れる.チーム内競争がなければ,V5なんてできる訳ないですからね.


 


4.「山口を先発でスタートさせる」と言っているのであって,「山口を来季は先発で使い続ける」とは言っていない.キャンプ・オープン戦で,山口の先発としての結果が思わしく無かった場合や,リリーフ陣の底上げが不十分な時は,「山口をリリーフに戻す」という含みを持たせているように思える.


 


まあ,この決断の結果がどうなるかはわかりませんが,常にチャレンジする原監督の姿勢には敬意を表します.年齢も50台になり,今年のような結果を出せば,普通は「守りに入る」のに,そういうところは全然ありません.昨年WBC監督を引き受けたのと同じ姿勢でしょう.ファンとしては見守っていくしかないと思います.率直に言って,来季に関しては,


 


山口先発による勝ち星<山口がリリーフにいないせいで落とす試合


 


だと思いますが,それにファンや首脳陣がどれくらい耐えられますかね.


 


 いまから思えば,山口先発転向のために,ドラフトでもドラフト以外でもリリーフ投手をたくさん獲得したのでしょうね.藤井獲得はたぶん想定外だったと思うが,当初の方針を貫いたということでしょう.


 


付記:要は「内海が頼りない,内海に頼れない.」ということです.


 


 

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