CS2のアドバンテージの効果を計算してみました.
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元大阪爺
2009年10月26日 21:46 visibility308
bn2islanderさんから,「 シーズン勝率六割のチームが、シーズン通りの力を発揮した場合、6戦4勝の短期決戦においてアドバンテージがどのように働くか、数学的に検証することは可能でしょうね。」という問題をいただいて,面白そうなので計算してみました.以下,数学の確率計算が苦手な方は結論のみ見てください.
相手は1チームに決まっていますから,シーズン勝率ではなく,直接対決の結果の勝率で考えます.シーズン1位のチームをA,シーズン2位のチームをBとし,AがBに勝つ確率をPとします.Pはそのシーズンでの直接対決の勝率と考えます.簡単にするために引き分けは考えません.
Aが勝つパターンは,3勝,3勝1敗,3勝2敗,3勝3敗でこの3勝3敗の部分が,1勝のアドバンテージがもたらす部分に相当します.以下〇=Aの勝ち,X=Aの負けとします.
3勝は,〇〇〇の一通りで確率はP*P*P=P^3.3勝1敗は,最後は必ず勝っておわりますから,X〇〇〇,〇X〇〇,〇〇X〇の3通り(数学用語でいうと3C1通り)で確率は1つのパターンについて(P^3)*(1-P)で,それが3つありますから3*(P^3)*(1-P),同様に3勝2敗は6通り(4C2通り)で6*(P^3)*(1-P)^2,3勝3敗は10通り(5C2通り)で10*(P^3)*(1-P)^3です.
試みにP=0.5(つまりAとBの勝つ確率は五分五分)とすると,
3勝の確率=0.125
3勝1敗の確率=0.1875
3勝2敗の確率=0.1875
となります.アドバンテージがなければ,このパターンがAの勝つパターンのすべてですから,これを足すと確かに0.5となります.そしてアドバンテージ分は
3勝3敗の確率=0.15625
で合計は0.65625.他方Bチームの勝ちぬく確率は0.34375.アドバンテージがなければ,AとBの直接対決の勝率が五分の場合,CS2を勝ち抜く確率も五分なのですが,アドバンテージがあると,Aの勝ち抜く確率がBの勝ち抜く確率の約2倍になります.
レギュラーシーズンの巨人-中日の直接対決は巨人の16勝8敗で勝率は0.667.これを上記の式のPとすると,巨人(A)のCS2を勝ち抜く確率は,アドバンテージのない場合で0.79,アドバンテージがある場合は0.9となりました.中日はそれぞれ0.21,0.1ですから,アドバンテージがあると巨人の勝ち抜く確率は4倍から9倍とこの場合も約2倍になります.
他方,レギュラーシーズンの日ハム-楽天の直接対決は日ハムの13勝11敗で勝率は0.5417.これを上記の式のPとすると,日ハム(A)のCS2を勝ち抜く確率は,アドバンテージのない場合で0.58,アドバンテージがある場合は0.73となりました.上記と同様に考えると,アドバンテージがあると日ハムの勝ち抜く確率は1.4倍から2.7倍とこの場合も約2倍になります.
逆に直接対決でのAのBに対する勝率が0.4のとき,アドバンテージのない場合で0.32,アドバンテージがある場合は0.46となりました.アドバンテージがあるとAの勝ち抜く確率は0.5倍から0.9倍とこの場合も約2倍になります.
アドバンテージ1勝が入ることで,それがない場合に比べてレギュラーシーズン一位のチームが勝ち抜く確率はおおむね2倍になるようです.あくまでも机上の計算ですが,思った以上に大きなハンデですね.
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