東北の旅(その参)

私たち兄弟もそうでしたが、小さい頃から自然に触れる機会があることは、とても有り難いことだと思います。



車などの騒音よりも、鳥たちのさえずりや、虫たちの羽音を聞き、


川原を歩くことでバランス感覚を養い、どの草に触れると切り傷が出来るのか、注意力と判断力が身に付きました。



野菜の甘みや苦み、どのようにして、食卓に運ばれるのか?



自然との接する機会がたくさんあります。接しながら、共に生きていかなければならない環境があります。




その自然と暮らす方々の挨拶と笑顔。



街ですれ違う方々が、老若男女問わずに、笑顔で話しかけてくれます。



たとえば、


『おはよう。今日も暑いねー』


『おはようございます!』


『どこのワラシ(子供)だ?』


『そこの○○の家の孫です』


『あー、○○の家の孫かー』


『かあちゃんは、元気にしってか?』


『はい。元気にしてます。』


『いつ、けぇる(帰る)んだ?』


『明日です。』


『きーつけてけぇれよ(気を付けて帰れよ)。』


『ありがとうございます。』



なんて感じで、おじいちゃんやおばあちゃんだと最後に、にっこり微笑んでくれます。



都心では、少なくなった光景が、田舎では、当たり前にありました。




昨今は、嫌な事件が多発しています。



挨拶や笑顔が、防犯に役立つと私は、思っています。




こんなことを考えながら、16日の夕方、私は、一人で盛岡へ向かう新幹線に乗っていました。



今年で、三回目となる被災地を巡る旅。



初めて、訪れた時の衝撃は、今でも忘れることは出来ません。




何か劇的な変化は、あるのだろうか?




震災から二年半が、あっという間に経過しています。




仙台を経由して、盛岡駅に着くと、昨年と同じく、花火の音が聞こえてきました。



田舎と実家に、無事に着いたことを知らせ、じゃじゃ麺を食べて、早めに就寝。



翌日は、盛岡市内から宮古市~陸前高田市~宿泊地の宮城県・気仙沼市を目指します。



(つづく)





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