東北の旅(その六)

『奇跡の一本松』を見学した時、旅行前の母の言葉を思い出しました。



『あんなもの』に数億円かけるなんて、勿体ないわね。





それは、現地を訪れていない人の言葉です。



何キロも先の景色が一望できる異常さ。





カーナビに映る景色は、そこにありません。



この光景を、常に見ながら、生活をしている方には、『あんなもの』が希望の光になるかもしれない。



復興もままならず、行方不明者もまだ何千人も存在する中、現地の者ではない私たちが、とやかくいうことではありません。




駐車場に戻ると、BRTが停まっていました。





三陸鉄道が被災し運行されていない地区をバスが代行しているようです。




16時頃
イベント会場の高田小学校へ向かいます。



受付で、イベントの記事を見たことを伝えると、17時過ぎから、佐々木さんたちに寄るトランペットの演奏が行われることを教えて頂きます。



時間があるので、イベントを見て回ることにしました。



フランクフルトや焼きそば、かき氷などの出店や秋田県を中心に活動しているNPO団体による輪投げやバルーンアートなど、縁日や学祭といった感じでした。



メインのステージでは、地元の高校生達が、演奏をしています。



午前中は、吹奏楽部。
午後は、軽音楽部の演奏となっていました。



17時半頃
佐々木さんとプロのトランペット奏者の方が、ステージに上がり、演奏が始まります。






曲目は、
Kiroroさんの『Best Friend』でした。



もう大丈夫心配ないと泣きそうな私の側で

いつも変わらない笑顔でささやいてくれた

まだまだまだやれるよ

だって、いつでも輝いてる

時には急ぎすぎて見失う事もあるよ 仕方ない

ずっと見守っているからって笑顔で

いつものように抱きしめた

あなたの笑顔に何度助けられただろう


ありがとう

ありがとう

Best Friend





トランペットの音色を聴いていると歌詞が浮かびあがり、


いつの間にか、涙が頬をつたっていました。




当たり前の生活が、目の前から失われたことを体験していない私が、発することは、きれい事でしかありません。



当事者に寄り添うことは、出来ないと感じてます。




ただ、自分の出来る限りのことを精一杯やる。




それは、チャリティーフットサルを続け、情報を発信し続けること。




来年も、この祭りに参加し、若人たちの輝きを『何かしら』手助けが出来ればと思います。





(つづく)






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