決して選手に好かれない監督。

  • Miya
    2007年11月02日 10:54 visibility1481


日本一を決めた中日ドラゴンズの記者会見で森野は言った。

 

「今までを振り返ってみても苦しい思い出しかないけど、今は良かったと思う」

 

キャンプの守備練習で救急車を呼びそうなるほどのシゴキを受けた森野ならではの言葉である。

 

救急車というのは冗談ではない。

 

2〜3時間もぶっ通しでノックが続き、脱水症状でドクターストップがかかる。

 

あるいは失神する。

 

尋常ではない。いわゆるシゴキだ。

 

福留は「虫ケラノック」と名づけた。

選手たちがこのシゴキをどう見ているかわかるような命名である。

 

いまどきシゴキは流行らない。

 

スポーツ生理学にのっとって、練習は効率良くやるべきと言われる。

 

いや、シゴキは一歩間違えれば、理不尽な暴力になり得る。

 

というか、見た目は、ほとんどリンチのように見えるだろう。

 

選手たちがそんなことを強いる監督を好きなわけがない。

 

今回の選手たちのコメントを自分が見聞した限りにおいては、

「落合監督のために・・・」とか「監督に恩返ししたかった」という発言は皆無であった。

たしかに森野のやや硬い表情を見れば、

 

「苦しい練習も報われたと今は思う。でもまたあの苦しい練習が待っているかと思うと・・・」

 

というニュアンスを感じないでもない。

 

スポーツ選手なら誰もがわかるその気持ち。

 

それしてもそんなに苦しいのか。

 

・・・・苦しんだろうなあ。

 

福留がシーズン途中なのに手術で戦線離脱したことはちょっと異常に思える。

 

こういう中日というチームの中身と無関係ではないような気もする。

 

虫ケラとまで言っちゃう福留だから・・・。

 

 

 

 

昨年リーグ優勝を決めた落合監督がその試合で号泣した。

 

その中でこんなことを言っている。

 

「キャンプから3年間苦しい練習させてきて、何があっても優勝しなきゃいけない。させなきゃいけない気持ちがあって…。ぐっときました」

 

 

指揮官落合自身でさえも、「ここまでやらせないといけないのか!」と思うようなシゴキを、

心を鬼して選手にやらせてきた、ということだ。

 

だけどそういう厳しい長時間のノックを自らの手でやってくれる監督が他のどこにいるだろうか。

 

落合の体力もすごいが、、気力もすごい。

 

彼の監督としての愛情、プロ意識、責任感のすべてを表わしていると思う。

 

 

 

 

思えば、この日本シリーズは落合監督自身が、

 

「選手たちがかつてないほど、のびのびと自分たちの野球をやっている」

と評するほど、選手たちがシーズンでも見られないような爆発を見せた。

 

指揮官は「リーグ制覇ができない口惜しさを晴らしたのでしょう」と言っているが、

それだけなのだろうか。

 

中日の選手たちがこの鬼指揮官に対して、

「もう俺たちはこれだけできるんだよ!」と思いきりその実力を見せつけたのではないか。

 

だからもういい加減あんなシゴキはやめてくれよーと・・・。

 

 

 

でも、森野はきっと今頃、こう思ってる。

 

「良かったナァ、これでまだコナミカップに残ったから当分試合が続くな・・・。

秋季キャンプが始まれば、どうせまたあのノックだもんなあ。

はあ〜、早く来シーズン始まって欲しいよ〜!」

















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