秋季大会放浪記〜京都・伝統の一戦?(後)
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仲本
2010年09月05日 19:07 visibility249
(西京のユニフォームは飾りのついた「S」の文字。山城はニューヨーク・ヤンキーススタイルで「YH」の組み合わせ)
京都の高校秋季大会・山城−西京戦の続き。
おっちゃんは今日は車で来たのだが駐車場が分からないのでとりあえずその辺の人に聞いてみようということで声をかけてきたのだった。で、そのまま世間話になった。おっちゃんには子供が二人いて、西京・山城にそれぞれ進みどちらも野球部だったそうだ。「西京の先生は長いことがんばってやってはる。あそこに座ってる人や。」「昔は西京商業って言うてましたよね?」「そう、一昔前は商業やから女の子ばっかりやった。名前変わってしばらくたつと、進学する人間も多くなったし、地下鉄もできて便利になった。10年ほど前、西京からプロに行った子もおるんやで。壮行会やって送り出したんやが、結局1軍にはちょっとしかおらんかった。2年の時に西京極でホームラン打ってな、それであいつ誰やっていう話になったんや…、」「へええ〜。」ひとしきり話すと、車止めれるとこ探してくる、と言っておっちゃんは歩いて行ってしまった。おまけの話が聞けて得した気分ではある。
人がいなくなると道端に立ちっぱなしというのも疲れてきた。隣の池の木陰に座ってしばし休憩する。このあたりは景観保護地域とかでむやみに宅地化されていない。景色には癒される。しかし暑い(この日も京都は最高気温が35度を超える日だったそうだ)。
せっかくなのでグラウンドに入ってみることにした。入口に一人野球部の子が立っていたが、ちょっと見ていっていいかい、と声をかけて入る。ここには校舎はなく、グラウンドとクラブ棟だけがある。両翼91mと広さは十分。スコアボードは控えの部員が得点板をひっかける方式だ。同じようにしてボールカウントもちゃんと表示される。入口に近い一塁側に投球練習場がある。そのネット越しにグラウンドを見ることにした。3−2で山城リードの中盤、西京は一死3塁のチャンスを作るが、スクイズ失敗で追いつけず。
投球練習場では西京の1番の子が何度も投球練習をしていた。いつ交代するんだろうと思いながら見ていると、得点3−2のまま、8回にマウンドに上がった。ただ、この日はややコントロールにバラツキがあったようだ。満塁のピンチにタイムリーと押し出しで2点を失うのだが、外野手がしきりにエースに声をかけていた。「点は取り返す!おまえは球威で押して行ったら大丈夫や!うおー!」ってな感じである。とりあえず声出しとけ的な部分もあるのだろうが、とにかく新チームはこの布陣で夏まで戦わないといけないのだ。エースが簡単に折れてしまっては野手も困るのである。気持ちが通じたか、続くピンチはファウルフライと三振で切り抜けた。
9回の表、西京はノーアウトからヒットのランナーを出すが、続く打者の内野ゴロが併殺打。最後の打者も打ち取られて万事休す。5−2、この日の伝統校対決は山城の勝利となった。
(画像2枚目・3枚目。三塁側・山城、一塁側・西京の横断幕)
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