「そこに愛はあるのかい!?」シティのカカへのオファーについて
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学
2009年01月19日 22:57 visibility646
マンチェスターシティ(以下シティ)が、カカの獲得を目指してACミランに138億円の移籍金でオファーを出し自由交渉権を得たというニュースが流れた。
ミラン側も移籍を承諾し、あとはカカ本人の判断にかかってくることになったらしい。
一人のスポーツ選手の獲得に138億円なんて尋常じゃない。
シティは去年までタイのタクシン首相がオーナーだったが、それをUAEの投資グループADUGが買い取って、世界一の金持ちクラブになった。
チェルシーのアブラモビッチオーナーもそうだけど、サッカー界に石油マネーが大量に注ぎ込まれている。
石油はいつか枯渇する。
だから、UAEをはじめ中東の原油生産国は、その時に向けて石油で儲けた金を投資して、国策として金が金を生み出す仕組みを作ることに躍起になっている。
世界中に放映権が売れるサッカーというコンテンツもその一環というわけだ。
大学のサッカーサークルに入った時、希望のポジションを聞かれ、フランコバレージが好きだったのでリベロをやらせてもらったくらい、当時のACミランが大好きだった。
アルバイトでお金を貯めて、サンシーロに生観戦にも行った。
ACミランといえばその当時も「ミラン帝国」といわれてイタリア国内外を問わず無敵で、欧州最高のビッグクラブだった。それは今でもそんなに変わらないと思う。
そんなわけで、ミランの大エースをイギリスのユナイテッドじゃない方のクラブが買い取ろうとしているなんて、どうも自分の中でピンと来ない。
もちろん、プロサッカーである以上、お金で選手が移籍していくことは当たり前だ。
だけど。
UAEの投資グループの人たちは本当にサッカーが好きなのかな?
シティというクラブを愛しているのかな?
カカという選手をチーム戦術として必要と感じているのかな?
どうも疑問だらけだ。
かつての「銀河系」とか呼ばれたレアルが商業目当てでベッカムを獲得しチームのバランスを崩した時のことを思い出してしまう(皮肉なことにそのベッカムは今ミランにいるけど)。
ADUGの人たちがサッカーにお金儲けの情熱を失ってしまって、「いちや〜めた」と土俵から下りてしまった時、シティというクラブはどうなってしまうのだろう?
それはチェルシーにも同じことが言えるのだけど。
オーナー所有クラブにするにせよ、ソシオを募る共同所有クラブにするにせよ、心からサッカーを愛する人たちによって運営されるのが、最も選手にとってもサポーターにとってもクラブにとっても幸せなことじゃないかと思う。
シティのカカへのオファーのニュースは、私にとってそんなことを考えさせるニュースでした。■
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