モスクワの冷たく悲しい雨

  • 2008年05月22日 23:02 visibility246


・・・チェルシー復活の物語は結局、悲劇で終わる運命だったのだ。


モウリーニョの辞任でグラント新体制が発足。

崩壊しかけたチームが奇跡的に蘇った。

そしてついには決勝の舞台まで辿り着いてしまう。

オーナーの故郷モスクワでの決勝。
そしてランパードの亡き母に捧げる優勝。
プロットは出来上がりだ。

さあ、その物語の前半。

眩いばかりの輝きを放つロナウドがヘッドで先制。
一瞬暗雲が立ち込める。

しかし、すぐにランパード。
母に捧げる同点ゴール。
両手の人差し指を天に向けて掲げた瞬間、
この物語は予定調和なハッピーエンドに向かうように見えた。

PK戦に入ってロナウドが外しランパードが決めた時点で、
物語はほとんど完結しているはずだった。

5人目の裏。蹴るのはチェルシーの大黒柱、テリー。
勝利はほとんど手中に収まっていたはず・・・。

ところが、踏み込んだ軸足が滑って右ポストに当ててしまう。

うずくまるテリーに打ち付けるモスクワの冷たく悲しい雨。

アネルカのキックがファンデルサールにストップされた瞬間、
物語は神様のプロットとは異なるエンディングを迎えた。


でも、それは私にとって、とても素晴らしい物語だった。

This is football ,not soccer.

「フットボール」という物語が、いくつになっても私の心を捉えて離さない理由を再確認させられた試合だった。■










































誰もテリーを責められないでしょう。ここまで辿り着くのにどれほど彼が貢献してきたかを知っているのであれば。

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