バルドラール浦安 藤原潤選手モデル デスポルチ DS-1433
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しゅう太郎
2022年08月13日 17:00 visibility2159
今回はFリーグのバルドラール浦安やフットサル日本代表として長年ご活躍され、今季から浦安のGKコーチに就任された藤原潤さんのデスポルチ別注シューズについて特集させて頂きます!
『デスポルチ DS-1433 藤原潤選手別注』
ディープレッド×カモフラージュレッド
藤原さんのサイズは27.5cm。
全体的な見た目でいうとボアビスタに近いかなという印象ですが、その特注具合が凄すぎてモデル名が付いておらず、「藤原選手モデル」と表現すべきでしょう。
デスポルチの契約選手としてシーズン終了毎にシューズ担当者に細かくフィードバックを行い、長年にわたって改良し続けられてきた1足です。
この藤原さん仕様のモデルが製造された後に発売されることになる、「PRO1」シリーズの1stカラーにも採用されたディープレッドのカラー。
デスポルチの別注シューズと言えば、選手の好みで市販モデルには無い個性的なカラーリングになっている場合が多いですが、藤原さんは「あえて」市販モデルと同じカラーを選び続けられています。
競技者向けのボアビスタに限らず人工皮革モデルまで、幅広く市販品と同じカラーを採用していらしたのが印象的で、私も以前からその理由がとても気になっていました。
仮に私が別注シューズを作るとすれば、市販モデルと同じ色は絶対に選ばないからです笑
「あえて」市販と同じカラーにする理由は契約選手、広告塔としてシューズをカッコよく見せて、少しでも市販モデルの売上に貢献したいという思いであるから、との事です。
私がどの立場で言っているのか分かりませんが、、契約選手の鑑ですね!!
【アッパー素材】
アッパー前足部にはカンガルーレザー、中~後足部の大部分には人工皮革が採用されています。メッシュは一切使っていない特別仕様になっています。
藤原さんのGKというポジションの特性上、どうしてもプレー中にシューズで地面を擦ってしまうので、耐久性を向上させる目的で穴が開きやすいメッシュを非採用としています。
つま先部分は市販品の人工皮革製トゥーガードを取り除いている仕様です。
トゥーガード有りのモデルを着用すると親指の辺りが圧迫されて痛みが生じてしまう為、快適にプレーが出来るようにトゥーガードを除去した形になっています。
先日に紹介させて頂いた松宮充義さん監修のカンピーナスMMは「素足感覚」、「シャペウのし易さ」の実現を目的としてトゥーガードを除去されましたが、藤原さんの場合はまた違う理由でしたね!
ちなみにデスポルチで一番最初にトゥーガードを外したのは藤原さんのシューズだそうです。
市販の各モデルにある前足部の通気孔(ハトメ部刺繍Dマークの下部辺りにある)も存在しません。
過去にこの通気孔が裂けてしまった事から、耐久性向上のためこの加工をあえて行わなかったそうです。
バンプ(シューズの甲からつま先にかけての部分)の範囲も若干狭く、前足部はボアビスタでもテッサでもない、その中間という印象です。
上記画像の白く囲んだ部分(小指の下辺り)にも痛みを感じるという事で、ステッチパターンやレザーの切替えの範囲を変更して調整しています。ゆえにボアビスタともテッサとも断言できない様な見た目になっています。
この辺りはすごく細かい仕様変更だなと感じました…!
トゥーガードを無くした代わりに、ラバーコーティングをつま先周りに施して耐摩擦性を高めています。
藤原さんもトゥーガードの有無で耐久性はあまり変わらないと感じていらっしゃいます。
デスポルチのトゥーガード無しモデルといっても全てが同じ訳ではなく、
ラバーコーティングの有無、つま先内側の補強パーツの有無、そのパーツの種類等、更に細かく分類されます。
今回の藤原選手モデルは、「ラバーコーティング有り、内側補強パーツ無し」の仕様になっているかと思います。
サイド部エナメルのDマーク、強いて言えばカンガルーレザーの部分も市販カラーと若干色合いが異なります。
こちらは意図的ではなく材料の調達時期の違いにより生じたものですが、逆に特別感が出ていて個人的には結構好きです。マニアックですが。
シューズのアウトサイド部分に「藤原 潤」漢字ネームと日本国旗の刺繍が入っています。
日本代表としてもご活躍された藤原さんならではの加工。
他の選手の方のほとんどはローマ字でネーム刺繍を入れているかと思いますので、漢字表記はインパクトがありますね!!
踵には藤原さんの背番号「12」が刺繍加工されています。
踵の外側の部分には藤原さんのGKという特殊なポジションに向けての加工が施されています。
人工皮革の素材(市販のトゥーガードに使われている様な厚みのもの)でミッドソールの一部を覆い、耐摩擦性を向上させています。
同じ部分に上からテープを簡易的に貼って補強したり滑りを良くしているGKの方をよく見かけますが、シューズメーカーの製造過程でこの様な加工を行っているのは聞いたことがありません。
世界で唯一、シューズメーカーによるGK向けシューズとしての補強加工がされているのではないかと思います。
この加工による賜物かは分かりませんが、、毎シーズンに使用されるシューズは1~2足と他の契約選手の方に比べて圧倒的に少なかったそうですよ!!
試合用と練習用でシューズは分けておらず、ほぼ毎日着用されているのにこの結果とは、、驚きです!!
【ライニング素材・ヒールカップ】
シュータン裏や踵周りには伸縮性のあるディンプル調のニットライニングを採用。
起毛のスウェードライニングに比べて汗を吸いにくく、全体的に薄手でピタッとした履き心地なのが特徴です。
GKの藤原さんはヒールカップにも「強固さ」を求めており、従来モデルより素材強度を高めて安定性を向上させている「PRO1」モデルよりも更に強度を高くさせた特注ヒールカップが搭載されています。
実際に手で触ってみても市販モデルの硬さとは全く異なる印象です。まさに「ガチガチ」といった表現が相応しいです。
より強度を上げた強固なヒールカップに、踵への食い付きの強い起毛ライニングを合わせると靴ズレが生じやすくなってしまう為、「PRO1」モデルと同じ薄手の人工皮革製のライニングを選択されています。
【中底】
中底には市販品「PRO」シリーズにも搭載の緩衝材のNanNexとほぼ同じ性質を持つ素材が採用されています。
高発泡のシリコンフォームで、温度依存せず圧縮に対しても高い復元性を発揮するのが特徴。
他の契約選手の方からの評判も高い素材です。
【シュータン】
シュータンは表面にメッシュを使っていない人工皮革のタイプ。
こちらは市販品のボアビスタKI PRO1とほぼ同じ仕様になっています。
【インソール】
インソールはスウェード素材のカップインソール。
デスポルチはこのインソールの衝撃吸収材の色や素材で、ある程度の製造時期が推測できてしまいます。
【アウトソール】
アウトソールはボアビスタやテッサライトのシリーズに採用されている競技向けのカーブラスト。
外側に丸みを付けた形状にする事で
ダッシュやランニング動作をよりスムーズに。
【重量】
27.5cm片足で280g。
もちろん足入れもさせて頂きました。27.5cmにしては小さ目な印象もありましたが、さすがに普段より2cmも大きいと実際のプレーで履くのは厳しい感じです。
このシューズを履くときだけ足が2cm伸びないかな。。。
履きたいがあまり、足を伸ばす整形手術を考えるレベルです。笑
こちらは写真だけでもかなり貴重な藤原さんの初代別注シューズです。
シュライカー大阪在籍時代のモデルとお伺いしましたので、12~13年ほど前になりますでしょうか。
当時はボアビスタ等のモデルは存在していなかったのでサンルイスがベースになっています。アッパーはオールカンガルーの特別仕様でネーム刺繡は「FUJIWARA」のローマ字。
藤原さんの足の為の加工、GKというポジションに向けての加工が複数個所において行われており、
初代モデルを見た後に今回のシューズを見ると、その改良具合に驚かされます。
市販カラーと同じですが中身は全くの別物。
藤原選手モデルであり、デスポルチによる世界で唯一の「GK専用フットサルシューズ」としても仕上がっています。
ではまた次回!
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