箱根駅伝予選会の感想
-
ムサベン代表T.KATOH
2020年10月17日 16:01 visibility717
来年1月2日3日に第97回東京箱根間往復大学駅伝競走が開催予定で、
出場権を獲得するための予選会が陸上自衛隊立川駐屯地にて行われた。
前回までは陸上自衛隊立川駐屯地を飛び出し、立川市街を抜け、昭和記念公園まで行く全長21.0975kmの国際陸連公認コースだったが、今回はコロナ対策の一環として、立川駐屯地の滑走路の周回コース全長21.0975kmとなった。
このコースは直前になり、国際陸連の公認コースとなり、この予選会で出たタイムは公認記録として認められるという。
結果は以下の通り。
1位順大10:23:34(10年連続62回目)
2位中大10:26:13(4年連続94回目)
3位城西大10:29:37(2年ぶり16回目)
4位神奈川大10:29:59(11年連続52回目)
5位国士大10:30:38(5年連続49回目)
6位日体大10:30:49(73年連続73回目)
7位山梨学大10:30:50(2年ぶり34回目)
8位法大10:33:31(6年連続81回目)
9位拓大10:33:46(8年連続42回目)
10位専大10:33:59(7年ぶり69回目)
以上本戦出場権獲得
11位筑波大10:34:17
12位中央学大10:34:36
13位麗澤大10:36:07
10位専大と11位筑波大の差はわずか18秒。筑波は「1人2秒早ければ」、ということではあった。
専大は加藤覚監督退任後にカネボウで活躍された伊藤国光氏を招聘し、復活を目指したものの、数年で退任され、その後にOBである長谷川淳氏が監督となった。長谷川氏というと、83回1区出走で、2区の座間紅祢とともに活躍したことが思い浮かぶ。
筑波大学も前回大会で復活出場を遂げたが、箱根駅伝プロジェクトとして、やはりOBの弘山勉氏を招聘し出場権を勝ち取った(今回は僅差で出場権を逃し残念だった)。
個人的にはカレッジスポーツというのは、ただ単に指導力がある有名指導者を招聘すればいいというものではなく、その校風をしっかり認識し、受け入れることができるという指導者でなければならないと思う。
むしろ、その校風を大事にすることができるのは最低条件とさえ思える。
そうすると、やはりOB指導者というのは非常にその条件に沿いやすい。
OB監督で優勝できた大学が、非OB監督に代わってだんだんと戦力が弱まり、ついには出場権を奪えない状況にまでなってしまったという大学もある。監督というのは特にカレッジスポーツにおいては非常に難しいものだと痛感する。
さて、レースのことも触れておこう。
予選会トップに関しては個人的には国士大のヴィンセントあたりがとるのかなと思っていた。
ヴィンセントを初めて見たのが1年生の時の箱根2区だったが、この時の走りが非常に素晴らしかった。
ロードに、特に上りの適性があるのではないかと思った。
今回はほぼ平坦なコースなので上り下りの特性は関係はないのだが、2区の後半を駆け上がれるスタミナというのは非常に優れたものがあると思っていた。
ヴィンセントは2位で、トップは拓大の1年生ジレメティキ。拓大の留学生といえば、現在佐賀のひらまつ病院で活躍する留学生主将だったデレセを思い浮かべる。
拓大は10人通過が14番目であったが、このレメティキの貯金が生きた形となった。
(あまりこういう表記は好きではないのだが)日本人トップは5位の順大三浦龍司。1年生にして初めてのハーフマラソンの大会で大迫傑の持つU-20ハーフマラソン最速タイムを更新するというとてつもない走り。彼の専門は3000m障害で、昨年は高校生ながら実業団や大学生選手とともに、日本選手権に出場した。
3000m障害の選手は強いという自分の中のイメージがあるが、ここまで強いとは思わなかった。
同じ1年生で中大の吉居大和。この吉居は吉居でその大迫傑のタイムと同タイムという、こちらもとてつもない走り。ただやはり、三浦に負けてしまったことが悔しかったのであろう、レース後のインタビューは非常に淡々としていた。
残念だったのは中央学院大。まさか本選出場を逃すとは思わなかったのだが、
選手紹介の時に、前回5区で双子の兄弟対決を3秒差で制したという畝歩夢を取り上げていたのだが、
彼は選手でありながら主務もしていたという。
それにより、裏方で活躍する人材が不足していたのかと、少々気になってしまった。
さらに15kmの通過順位のランクダウンが非常に大きく感じ、このままでは危ない、と危惧したが、その不安が的中してしまった。
やはり、チームとして考えたときに、選手だけでなく、裏方でチームを動かしていく人材というのは、必要なのだな、と思う。選手の負担をできるだけ軽くしないと、と。
その中で、畝は選手としてAチームでプレーしながら、主務としてチーム全体を目配りしなければならなかったというのは、非常に素晴らしい働きをしたと思う。おそらく今後は実業団で競技を継続するだろうが、その経験は今後の競技人生において大きな糧となるだろう。
畝歩夢の双子の弟の在籍する中央大学は2位通過。やはり1年生吉居に目が行ってしまうが、途中まで吉居とともに日本人トップ争いをしていた3年生の森凪也、同じく3年生で強豪西脇工業で活躍した三浦拓朗、5区山上りで健闘した畝など、なかなかの好選手がそろってきた。おそらく中大は吉居を中心としてシード権を獲得してくるのではないかと思う。
予選会からシードをとるのでは?と思えるのはトップ通過の順大。
1年生三浦のすごい走りに目を奪われてしまうのだが、総合記録を見てみると、実は順大の4年生で一番早かった清水が62分38秒という素晴らしいタイムをたたき出したのにチーム9番目の成績。
つまり、3年生までの選手がチーム上位8名を占めているというチーム。そのうち、三浦を含め3人も1年生が入り、2年生も3人、3年生2人という内訳。現在の1年生が上級生になったときの順大はとんでもなく強いのではないかと今から想像してしまう。
私はいくら箱根駅伝が好きでも、陸上は素人なので、どうしてもタイムなどのデータを中心に論じてしまう。もうちょっと選手を見ていろいろと感じたことを述べていければなぁと思ってしまう。
- favorite2 visibility717
- 事務局に通報しました。
chat コメント 件