
就任1年目の栗山監督が好成績を残す理由
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舞
2012年09月30日 17:59 visibility58
就任1年目の栗山英樹監督が率いる北海道日本ハムが、パ・リーグの優勝争いをリードしている。絶対的エースのダルビッシュ有(レンジャーズ)が米大リーグに移籍し、田中賢介やケッペル、スレッジは故障で今季絶望。戦力的に厳しい状況で、コーチ経験がなかった栗山監督がなぜ好成績を残すことができるのか?
■「やり切る強さ」がある栗山監督 4番起用に応えた中田翔――栗山監督の指揮官としての特徴は?監督として自分の色を出すことよりも、とにかく選手を信じています。信じて、信じて、信じ抜いて、選手がやりやすいように、萎縮しないようにしています。そのことについて話したんですが、「それしかないでしょ」と笑顔で言っていました。
栗山さんは「優しい」とか「さわやか」というイメージですが、頑固な部分もあって自分が決めたことをやり切る強さがあります。監督として1年目の今季は、選手を信じて、責任は自分が取るということで腹をくくっているように見えます。
そして、栗山さんのこの姿勢が選手に浸透し、チームの好成績につながっていると思います。
――頑固というと、中田翔を4番で起用しつづけましたが?
長く解説者として野球を見られてきたので、選手のタイプを見抜くことに優れています。中田に関しては彼の性格も考えて、まず「4番を任せる」と。そして、結果が出なくても監督はマイナスなことは絶対に言わない。このことを意気に感じた中田は、終盤の大事な時期に力を発揮してきました。今日(23日の埼玉西武戦)の4打点は素晴らしかった。3連敗していたら優勝争いが相当厳しくなる状況の中で、ほかの選手にはできない「4番の仕事」をしましたから。今季を経験して、中田は精神的にも成長したと思います。■斎藤佑樹を開幕投手に起用 吉川の成長――開幕投手を任せた斎藤佑樹は2軍落ちしていますが?
開幕を任せたことも、選手の適性を見たからだと思います。ダルビッシュが大リーグに移籍したあとの開幕投手は、どの選手も投げづらかったはずです。そこで、栗山さんは斎藤の持つ大舞台の経験や運の強さ、伸びしろを考えて起用したのではないでしょうか。
その狙い通りに開幕戦を勝ちましたが、交流戦終盤からは結果を残せなくなりました。やはり、シーズンを戦い抜くには全体的にレベルアップが必要だとみんなが感じました。その結果、この大事な終盤に「斎藤を使え」という声は出てきません。春から夏にかけてチャンスを与えなかったり、ローテの5、6番手で勝利数を増やしていたら、あれだけ注目されている選手ですから、「斎藤を使え」と言われたでしょう。
しかし、十分にチャンスを与えて、一流投手と対決させた中で、現時点では斎藤よりも吉川(光夫)や武田勝の方が、大事な試合の先発としてふさわしいとみんなが理解したわけです。こうした経緯があるので、今は投手も野手も余計なことを考えずに、試合に集中できていると思います。
――吉川(13勝5敗、防御率1.80)にはシーズン前に「今季、駄目ならユニホームを脱がす」と言ったそうですが?
吉川には厳しいですね。それも彼が厳しい言葉に対して落ち込むことなく、自分の考えで動けると信頼しているからだと思います。また、それだけの能力の高さを感じているのでしょう。実際に成績を見ても、吉川がダルビッシュの穴をカバーしたので、日本ハムがこの位置にいると言えます。ケッペル(昨季14勝も今季は右肩手術で未勝利)にアクシデントがなければ、もっとシーズンを楽に過ごせたはずです。
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