EURO共催国が節目のイベントを実施

ワルシャワ国立競技場で初の試合となる29日の

ポーランド対ポルトガル戦は、

UEFA EURO 2012本大会開幕まで残り100日の節目を祝うメインイベントとなった。

5万5000人の大観衆が見守ったこの親善試合は、

両者譲らず0-0の引き分けに終わった。

ワルシャワ国立競技場ではこの試合に先立ち、

今年1月にポーランドのトップバンドが出演した小規模な音楽祭が開催されている。

試合後、UEFA.comのインタビューに応じたポルトガル代表FWクリスチアーノ・ロナウドは、

「素敵なスタジアムだね。とてもいい」とコメント。

ワルシャワ出身のポーランド代表GKボイチェフ・シュチェンスニは、

「スタジアムの中も外も素晴らしい。雰囲気はとても大切だけど、

今日は本当に最高だった」と語った。

巨大なかごを思わせるこのスタジアムは、外観にポーランド国旗の赤と白を配色。

最大の特徴は屋根にあり、

ここから延びるケーブルでセンターサークルの30メートル上空に

尖塔が吊り下げられている。

ビスワ川の河岸、旧10周年スタジアムの跡地に建設された

新スタジアムについて、ポーランド・サッカー協会（PZPN）の

グジェゴジュ・ラトー会長は「本当に素晴らしい、

正にファンタスティックなスタジアムだ」と述べた。

ポーランドはUEFA EURO 2012開催に向け、

アレナ・グダニスクとウロツワフ市立競技場、

そしてこのワルシャワ国立競技場の3スタジアムを新たに建設している。

「祖国にこれほど素晴らしいスタジアムが完成し、

ポーランド代表がここでプレーできることを心から誇りに思う」と語ったのは、

代表チームの主将を務めるヤクブ・ブワシュチコフスキ。

新たなスタジアムにはゴールが必要だが、

FWロベルト・レバンドフスキはそれも時間の問題だと考えている。

「記念すべき初ゴールは、

ギリシャを迎える6月8日の開幕戦でポーランドの選手が決めると思うよ」

29日にはそのほか、ポーランドとウクライナの各試合開催都市で

以下のようなイベントが行われた。

ポーランドのスポーツ大臣ヨアンナ・ムハ氏は、

ウロツワフ空港の新ターミナル完成祝典に出席。

国内のインフラ整備が順調に進んでいるとの見解を示し、

「空港の改修工事や道路整備といった最重要分野が片付き、

ほぼすべての準備が整った。

EURO観戦に訪れるファンがウクライナへ出国する際、

手続きを簡略化できる特別なシステムも導入した」と話した。

ワルシャワではサッカーミュージアムもオープンした。

会場にはユルゲン・クリンスマンやジネディーヌ・ジダン、

ルイス・フィーゴなど往年の名選手が着用したユニフォームのほか、

ポーランドで最も成功を収めた指導者、

カジミエルズ・ゴルスキ氏にまつわる記念品の数々が展示されている。

ポーランドの人気テレビ番組『Kawa czy Herbata』（紅茶それともコーヒーの意）は、

すべての放送枠を使ってEUROを特集した。

EUROアンバサダーのズビグニェフ・ボニエク氏は、

「私たちは、ポーランド代表チームが素晴らしいプレーを見せてくれることを夢見ている。

しかしこの大会は、すでにヨーロッパと私たちポーランドの距離を縮めてくれた」

と語っている。

さらにグダニスクでは、パベウ・アダモビッツ市長が

メインストリートでのダンスパーティーを先導。

ポズナニでは『Show Yourself at EURO（EUROで有名になろう）』

コンテストが終了し、優勝者の巨大ポスターが街中に掲示された。

一方、ウクライナでも準備作業のペースが上がっている。

キエフではウクライナとポーランドの首都を結ぶテレビ中継が行われ、

ウクライナのボリス・コレスニコフ副首相や

ポーランドのスポーツ大臣ムハ氏などが出演。

コレスニコフ副首相は「両国の開催準備はほぼ終了した。

ウクライナのインフラは大幅に進歩を遂げている」とコメントした。

ドネツクでは市立公園で記念イベントが開催され、

市章をかたどった重さ200キログラムのケーキが来園者に振る舞われた。

またリビウでは、屋外スケートリンクで

フィギュアスケートのエキシビションと氷上サッカーが行われている。

また、ハリコフではEUROボランティアがソーシャルメディアを活用し、

市内中心部でいくつものフラッシュモブを実施。

地元メディアはUEFA EURO 2012クイズへの参加を視聴者に呼び掛けた。