★WBC★ダブルエリミネーション方式を検証する

  • 隊長53
    2009年02月24日 12:52 visibility8945


WBC予選ラウンド(第1-2ラウンド)は、
ダブルエリミネーション方式にて実施されます。


【ダブルエリミネーション方式】
2度負けた時点で敗退が決まるトーナメント方式。
勝者サイドと敗者サイドの両側から、決勝進出チームが決まる。
(勝者サイド)通常トーナメントのように、全勝1チームが決勝に進む。
(敗者サイド)1敗した時点で敗者サイドのトーナメントに入り、
そこから勝ち上がった1チームが決勝に進む。
http://www.wbctr.jp/summary/
http://eplus.jp/sys/web/sports/baseball/wbc2009/index.html








トーナメントの欠点である組合せによる運不運を極力排除し、
2度負けた時点で敗退が決まるトーナメント方式です。
今回のWBCは非常に良いシステムを導入したという印象です。



とは言うもののやはり、多少の運不運は残っている訳で、
今回はそれを簡単に検証したいと思います。


今、4チームを強い順(互角の場合もあり)にA〜Dとし、
それぞれ2チーム間の強さの関係を
AがBより強い場合をA>B
AとBが互角の場合をA=B
と表す場合、
A〜Dの4チームの戦力分布はすると
以下の8パターンの組合せに分類されます。







1.A>B>C>D(順当)
2.A>B>C=D
3.A>B=C>D
4.A>B=C=D(1強3弱)
5.A=B>C>D
6.A=B>C=D(2強2弱)
7.A=B=C>D(3強1弱)
8.A=B=C=D(四つ巴)








(以下の検証では便宜上、全て
 >の場合、強い方の勝率100% 
 =の場合、両者の勝率50% とします。)



4チームから強いもの順に2チームを選ぶ時、
(2チームの次ラウンド進出チームを決定する時)
1、2、5、6のパターンの場合は、
必ずAとBを選択しなければなりません。




しかし、純粋なトーナメントでは、
AとBが1回戦で当たってしまうと、
AとBを同時に選択できません。



1のパターンの場合だと、B>Cにも関わらず
AとCが次ラウンド進出チームとなってしまいます。
これが、トーメントの欠点である運不運です。



ところが、
ダブルエリミネーション方式だと、
1、2、5、6のパターンの場合、
AとBが必ず次ラウンド進出チームとなります。
【パターン1.2.5.6】
決勝進出確率
A=1
B=1
Bの救済が可能となる訳です。
(例:1のパターン 画像1参照)










また、パターン3、8も実力通り平等な結果が得られます。
【パターン3】
決勝進出確率
A=1  
B=1/2
C=1/2






【パターン8】
決勝進出確率
A=1/2
B=1/2
C=1/2
D=1/2






多少の運不運に左右されるのが、
パターン4、7の『3強1弱』或いは『1強3弱』の場合です。

【パターン7】(画像2参照)
『3強1弱』の場合
決勝進出確率
A=5/8
B=5/8
C=6/8





決勝進出確率
A=5/8
B=6/8
C=5/8




決勝進出確率
A=6/8
B=5/8
C=5/8




1弱のDと最初に対戦するチームが有利になります。
今回のWBC第1ラウンド(東京ラウンド)も、
3強1弱と言っていいでしょうから、
1弱の中国と最初に対戦する日本は有利に展開できます。
日本の第二ラウンド進出確率は6/8=75%です。





【パターン4】(画像3参照)
『1強3弱』の場合
決勝進出確率
A=1    
B=2/8
C=3/8
D=3/8







決勝進出確率
A=1    
B=3/8
C=2/8
D=3/8





決勝進出確率
A=1    
B=3/8
C=3/8
D=2/8





この『1強3弱』パターンも
組合せによる運不運の影響が大きくなります。
1強のAと最初に対戦するかしないかで、
確率が大きく違ってきます。
日本の第二ラウンドはまさにこの図式で
1強キューバ
3弱メキシコ、韓国、日本
となると予想されます。
すると、
日本の決勝トーナメント進出確率は、1強のキューバと
最初に対戦する場合 2/8=25%
最初に対戦しない場合3/8=37.5%
となります。













最初にキューバと対戦しないためには、
第1ラウンド(東京ラウンド)決勝戦も重要になってきます。
しかし、次ラウンド進出が決まった後の試合で
無理にガチンコ試合をする必要はなく、
主力温存で望むべきでしょう。
逆に、それでも勝てるぐらいでないと、
WBC連覇への道のりは厳しいでしょう。







以上のように
ダブルエリミネーション方式は、
『3強1弱』や『1強3弱』の場合に多少バラツキはでますが、
4チームから2チームを選択する予選方式としては、
総じて平等な方式でしょう。
『1試合総当りリーグ戦』が向かない野球にとって、
超短期決戦でいかに効率よく予選をするかにおいては
非常に優れた方法であると思います。








但し、決勝トーナメント、つまり
1チームの優勝チームを決定する
方式としては、もう一捻り工夫が必要です。
確かにほとんどの場合2回負ければ敗退なのですが、
勝者サイドから決勝に勝ち上がった全勝1チームは、
決勝に1回負けただけで敗退となってしまいます。
この点の改善が必要となります。







だから実際、今回のWBCも
第2ラウンドまでの予選がこの方式で、
決勝は通常のトーナメントとなってしまっています。
もう少し改善すれば、この方式でも何とかなったのに残念です。




さて、その改善方法ですが、非常に簡単です。


決勝のみ2試合制とし、
勝者サイド勝ち上がりチームは1勝で優勝、
敗者サイド勝ち上がりチームは2連勝で優勝
とすれば解決します。




勝者サイド勝ち上がりチームに1勝アドバンテージ有りの
2勝先勝の3試合制プレーオフ
と思っていただければ分かり易いでしょうか。
これなら本当に2回負けると敗退となり、
完璧なダブルエリミネーション方式ができあがります。
「ダブルエリミネーション方式プラスワン」
とでも名づけましょうか?(笑)







4チームで超短期のリーグ戦やトーナメントをされようとしている方。
得失点に惑わされずに純粋な勝敗だけで決着できる
「ダブルエリミネーション方式プラスワン」
を試してみてはいかが?(笑)







【パターン7】『3強1弱』の場合



【パターン4】『1強3弱』の場合








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