広島の歴史を見守って来た野球場(広島県営球場・コカコーラウェスト球場)

  • Mr.black
    2017年07月14日 12:03 visibility3940

 

今回、高校野球広島大会を観戦したのは「広島(県)総合グランド野球場」。

通称は「県営球場」で、現在はネーミングライツにより「コカコーラ・ウェスト広島総合グランド野球場」となっています。

 

 

名称から「ここではコカコーラ社の飲料しか売っていないのでは?」と予想していましたが、その読み通りでした。(笑)

場内・場外ともに売店などは出ていませんでした。自販機はたった1台なので売り切れのリスクがあり、ここで観戦する時は飲食物持参が必須ですね。

 

 

内野クレー、外野天然芝。 

両翼92m、センター113mとかなり狭いグランドです。

ご覧のようにバックネット裏から1・3塁側のスタンドは直線的なのでファールゾーンが広い所があり、下手な場所にボールが転がると余計な進塁を許してしまうリスクがあります。守備側は大変です。

照明はありません。

 

 

 

バックネット裏は長イス。1・3塁側はコンクリート階段席です。

この日は幸い曇り空だったので助かりましたが、炎天では非常に暑くなると思われます。

 

 

外野は前面がコンクリート、後面が芝生席の混在型。

 

 

ところで収容数がこのように表示してあるのですが、かなり眉唾な数値だと思います。

これだと合計13,250人収容ですが、「いくら何でも外野スタンドが僅かな広さしかないのに内野の倍以上入るわけないでしょうが~」と突っ込みたくなります。

見た感じでは全体で6~7,000人くらいがやっとと思います。

 

 

スコアボードは右中間寄り。磁気反転式です。

得点部と選手名表示部で多少方式が違うのか、色合いに差がありました。 

 

 

 

この球場は石垣が目立つ構造で、なおかつ通路の天井が低くて圧迫感がありました。

 

 

 

そしてこの球場は数奇な運命をたどっています。

完成したのは1941年12月。

こけら落としは12月7日だったそうですが、その翌日に太平洋戦争が開戦となり、開場記念の試合中に大本営発令が度々アナウンスされていたと言われています。

 

原爆投下でこの場所がどのような被害状況だったのかはよくわかっていませんが、被爆者たちがこの周辺に避難していたとも。

 

そして戦後に広島カープが創設されると、この球場が本拠地となります。

ただ、当時はまだスタンドがしっかりした状態ではなかったので、やがて新球場の建設が求められます。そこで有名な「たる募金」が行われて「広島市民球場」の完成へと繋がっていくのですね。

 

市民球場が完成してカープがそちらへ移転すると、この県営球場はアマ専用の野球場になります。

その後改修工事が何度か行われて現在の姿になっているそうです。

 

 

戦前・戦後・そして現代と広島の激動の時代を生き抜き、プロアマの野球を見守って来た県営球場。

以前から訪れたかった地へようやく行くことが出来ました。

 

 

最後に交通アクセスを。

広島駅からバス利用になります。「広島ヘリポート行き」あるいは「観音マリーナホップ行き」のどちらかに乗車。乗車時間は結構長く、40分ほどかかります。「総合グランド入口」で下車して球場へは徒歩2~3分です。運賃は訪問時で250円。

路面電車だと結構歩かないといけないので夏はやはりバスの方がいいでしょう。バス便はかなりの本数ありました。

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