戦評 亀田興毅vsウーゴ・ルイス

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    2012年12月05日 11:07 visibility6027

まず…


昨日の試合は今までの亀田興毅の試合の中でも一番いい試合だったと思う


僕は亀田興毅というボクサーを過小評価していました

臆病で打たれ弱い、ただのヘタクソな選手だと思ってましたが、昨日のルイス戦を見て、世界戦線のリングでも戦える選手だと見直しました。


強くはないですよ


ただ忍耐強くて、賢く、うまい選手だと思いました。


ルイスは攻撃力の高い選手でしたが追い足がないという弱点を露呈し、亀田はその逆で、アウトボクシングに徹すると相手の攻撃を殺す技術が高いことを証明しましたが、そこからなかなか攻撃に繋げられないので、そういう意味でルイスと亀田は噛み合わせという点では合わない試合ではありました。


昨日の亀田のスタイルは対戦相手からするとやりにくい


ガードを高く上げ、フットワークを使って相手の周りをサークリングするだけでほとんど自分から打っていかない。


そして隙を見つけては懐に潜り、パンパン!と数発軽いパンチを打って、またサッと離れる…


最初から判定勝ちを狙っていたのでしょう


こういう相手を倒すのは難しいですね


ルイスはジリジリとプレッシャーをかけ、ガードの上からでもパンチを放って、重圧に相手が我慢出来なくなって前に出てくる所にカウンターを合わせて今まで勝ってきました。


昨日もそれと同じ戦法を取ってましたが、亀田と今までのルイスの相手と違った所は、重圧に圧された亀田がそれでも冷静さを保ちサイドに動けたことです。


そしてガードは最後まで下げなかった


ガードを上げながらフットワークを使うのは見た目以上に消耗するのですが、亀田が集中力を切らさず最後までやり遂げたのは評価出来ると思います。


ただ亀田も自分から攻撃出来なかったので、ガードの上からでもポンポン当ててたルイスにポイントが流れてると思ってたのですが、意外と亀田にポイントがいってましたね(苦笑)


最後の3ラウンドはルイスが焦れて雑になり、亀田が有効打を与えてポイントを取っていました。


簡単にいえば前半ルイス、後半亀田という展開で、採点は三人のジャッジも割れたように難しい試合ではありましたが、亀田の勝ちという結果もまぁ納得いく判定だったかなとは思います。


亀田はルイスをよく研究し、自分がルイスに勝つにはこの作戦しかないという戦いを組み立てて欲を出さず最後までそれを遂行しました。


腰を入れたパンチを打たず、いつでも逃げれるようにスピード重視の軽いパンチで、相手を倒すのではなくポイントを取る為のパンチしか打たなかった。


逆にルイスはパンチを強く打とうと意識し過ぎて、近距離になると大振りしていた。


どっちがどうではなく、どっちもボクシングなんです…


しかし、ルイスはどうしてほとんどボディーブローを打たなかったのだろうか?


亀田のようにガードの高い相手を崩すには、まずボディーを打って相手の意識を下(ボディー)に持っていくことが必要不可欠なのに…


今回亀田陣営はルイスと同じメキシコ人のトレーナーを招聘してトレーニングを積んだそうだが、ひょっとしてルイスがボディーブローが打てない選手だという情報を得ていたのではないか?


ボディーが打てない相手だど分かっていれば、顔面のガードだけに神経を充ててれば安心ですし。


この亀田のディフェンシブなスタイルは岡田前監督のサッカー日本代表のスタイルに似てると思いました(笑)


日本代表がW杯などで強豪国と対戦する時、あらかじめ一歩引いてディフェンス重視で戦い、相手に攻めさせておいてこぼれ球を拾ってカウンターで攻め込むというスタイル。


あれを徹底することで日本代表も世界の舞台で堂々と渡り合えるようになった訳ですが、でもあのスタイルが世界のサッカーファンに魅力的なモノとして映るかというのはまた別問題ですけどね(苦笑)


昨日の亀田のボクシングも面白い試合ではなかったけど、それでも神経戦という意味ではなかなかレベルの高い試合だったと思います。


さて、とりあえず上位ランカーのルイスを退けたことで亀田はまた下位ランカーとの防衛戦でお茶を濁すんでしょうね…


せっかくルイスに勝って少し株を上げたのだから、今後はマッチメークもきちんとして欲しいものです。




山中とやったら亀田興毅を男として認めます
















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