
奇跡は起こった(富山県立新湊高校)
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篠山鳳明
2025年09月09日 07:20 visibility123
北陸の湊町に起きた奇跡(富山県立新湊高校)
第96回の都市対抗野球も今日が決勝戦です。
決勝戦は
岡崎市(三菱自動車岡崎)🆚春日井市(王子製紙春日)との一戦
岡崎市は東海地区第四代表
春日井市に到っては東海地区第六代表のギリギリでの出場で有った。
勝負と言うのはわからない
早々と前年度優勝の三菱EASTや優勝候補のTOYOTAやENEOSが敗れる中どちらかと言うと二次予選下位のチームが決勝戦に残る。
この様なトーナメント戦は実力や選手層の厚さよりも、チームの勢いがだいじなのかなぁ?とも思ってしまう。
そんな中
昨日行われた準決勝の第一試合の大阪市(日本生命)🆚岡崎市(三菱岡崎)では大阪市の監督が池田高校の元エースの梶田茂生氏であるという事は、ある方が既に投稿されてました。
その梶田氏が優勝した第58回センバツ大会を思い出した時に
『新湊旋風』が吹き荒れた方をご存知な方も記憶に多いと思います。
1986年(昭和61年)にその男は選抜の春まだ浅い肌寒さが残る甲子園のマウンドに立っていた。
その名は酒井盛政投手。
決して華麗ではない、純朴だった。
圧巻ではないが真摯だった。豪快ではないが実直だった。
春夏通じて富山県ではベスト4という県内最高成績を残している。
選抜大会
一回戦は愛知県の近藤真一がいた享栄高校倒し、二回戦では前年度の秋季関東大会覇者の優勝候補の筆頭の拓大紅陵も倒してしまう。
そうなると人口三万人の町からは甲子園へ大応援団を繰り出し、試合のTV中継時には街中の道路には人っ子ひとりも居なくなり、商店街は臨時休業になってしまう、それだけ湊町の野球熱は熱かったのだ。
気性が荒い湊町の人達は、時には人情味に溢れて居る。
だからこそ、『おらが街の息子たち』と言うことで応援したのであろうか?。
準々決勝も京都西を延長14回戦い競り勝ったのだ。
プロが目を付ける素材なんて一人もいない、富山県の湊町に集まったそこらに居る野球好きの少年達が、高校に行って野球をやってるだけなのだ。
しかも選抜参加校での前年度の秋季大会の打率は最低で有った。
それをプロの素材がいるテームをなぎ倒して行くある意味これ程爽快な事は無いであろう。
その中心にいたのが酒井盛次なのだ。
酒井の家は家庭の事情で母子家庭であったが、母親が寂しい思いをさせまいと小学1年時にグラブを買い与え、小学6年に新湊が甲子園に初出場した時にアルプススタンドから応援している。
その時に自分も甲子園に出場して親孝行したいと誓ったそうだ。
惜しくも準決勝で高村祐がエースだった宇都宮南に3-8で屈したが、富山県勢としては最高位の実績を残した。
酒井はその後は地元の社会人野球の伏木海運に入社して野球を続けた。
とかく
華やかな選手に眼が行きがちだが、私はこの様な地道で真摯に野球に向き合って来た選手達にもスポットライトをあてたいと思っている。
☆『高校野球 忘れじのヒーロー 』
(平成17年9月15日発刊)ベースボールマガジン社より写真引用。
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