CiNEMA ReVIEW 35

“屋根裏の散歩者” (2016)


(ネタバレ注意です。)

言わずと知れた江戸川乱歩原作の映画化である。
当時の時代背景を再現しようとする演出は、その努力は感じられ、そこそこ楽しむことはできた。だが、郷田に毒殺される遠藤と婚約者の黒木直子、浮気相手の大内照子の性的関係、遠藤の性癖の描写が全編の2/3?を占め、後半、漸く事件が起こる。探偵小説ではなく文芸?ポルノである。確かに、少年探偵団シリーズでない乱歩の作品は、シュールであったりエロティックであったりするが、あまりにも被害者遠藤の性癖の解明にウエイトを置きすぎて、明智探偵の活躍を期待して観ると肩透かしを喰う。
インターネットの普及により、無修正のAVがいくらでも観られる昨今、この作品の性描写の方が反ってエロいかも知れない。何はともあれ、乱歩作品という大義名分があるので女性も大手を振って観ることができるポルノ作品である(笑)






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