野球読書日記「俺たちのパシフィックリーグ 近鉄バファローズ1988」
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こじっく
2022年09月09日 19:52 visibility285
野球読書日記の三冊目です。
去年は野球を観に行かない代わりに野球の本をよく買いました。今年は娘が音楽に興味を持ち始めたので娘にCDやDVDを買わねばならず、あまり野球の本が買えていません。娘の成長を喜びつつも、寂しいなぁ。
さて、この一冊を読んで思い出したこと。
「あ、そう言えば近鉄は1986年もあと少しで優勝だった」。
そうです。終盤、西武と熾烈な優勝争いを繰り広げました。129試合目に負けるまで近鉄は優勝の可能性があったのです。
そこまで詳しいことは忘れていましたが、小学校5年生だった私は毎朝、新聞で西武清原選手の打撃成績と西武と近鉄の勝敗を確認してから登校していました。一番好きな阪神が掛布選手の信じられない様な低迷もあり勝率5割がやっとだったので、関心は専らパリーグでした。
そんなことも思い出しながら、あの頃の近鉄と10.19に思いを馳せます。
10.19って何であんなに多くの人の心を掴んでやまないのか。大石大二郎さんがインタビューでとてもよいことを言われていたので引用します。
「プロ野球って、みんなが一丸となるこ とが難しいんです。 誰かが試合に出ると いうことは誰かが控えに回るということ で、試合に出ていない人が試合に出てい る人を本気で応援するということは、基 本的にはありえない。でも、10・19は違 った。全員が百パーセント、チームのた めにひとつになっていた。ここで打てば 年俸が上がるとか、そんなことを考えて いた人も1人もいなかったと思うよ。優 勝したいから、勝ちたいから、打席に立 っている人をみんなで応援した。だから 僕のプロ野球生活の中で、この10.19が 一番いい日だったんです」(31頁)
あの激闘の中に身を置いた大石さんだから語れる言葉ですね。そして、見事に10.19の感動の本質を言い当てている。
そしてこの日に日本中を駆けめぐったもうひとつの大ニュース「阪急も身売りだ!」。
この日から3ヶ月を待たずに昭和の終焉。
あの時を生きていた日本人の心にいつまでも10.19のドラマは記憶され続けることでしょう。
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