野球読書日記「次の一球は?野球脳を鍛える配球問題集」

  この本の著者の川村卓先生は筑波大学体育系准教授を務めておられます。

 恐らく高校生の読み手を想定した著作と思われますが、読み易く、理路整然とした記述は中学生が配球を勉強する第一歩にも最適かと思います。きっと苦心して収集されたと思われる高校・大学野球の試合を分析したデータも惜しみなく注ぎ込まれ、根拠のある配球論が展開されています。野球を科学するとはこういうことなのですね。大変良い本だと思います。

 数は少ないですが、配球にまつわるコラムも面白いです。

 

 「ソフトバンクの工藤監督の現役時代、フルカウントからキャッチャ ーのサインに7回ほど首を振ったのを見たことがあります。そして 混乱しているバッターに対して、 ど真ん中にストレートを投げて三 振を取りました。このときに何を考えていたのか尋ねると『最初か らやろうと考えていました』との答え。とても高度な駆け引きです」(133頁)

 

 工藤公康さんの現役時代、時にオーバーアクションにさえ見たマウンド上での表情や動きが思い出されます。こうして狙いがピタリと当たった時の爽快感はたまらないでしょうね。

 とにかく中学生、高校生のプレイヤーの皆さんにお勧めの一冊です。

 

 

 

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