スピードの差

  • soultrans
    2006年06月15日 00:14 visibility42

今回のワールドカップについては、やはり前半早々の得点が多い。

今ちょうどやっているスペイン-ウクライナも早々にスペインが2点を奪取した。
今までになく、得点が取りやすく、取られやすい展開になっている。
そして特に感じられているのは、サイドプレーヤーの存在。
ドリブル突破ができる、クロスの精度が高いなど、様々な特徴を持ったプレーヤーが各国に存在して、その威力を発揮している。
一方で、中盤あるいはボランチからの早いタテへのボールを取りにいく強力なFWの選手も多い。
そして、今回のワールドカップで行われている攻撃のスピードは圧倒的に早い。
どこの国が早い、ということはなく(多少の差はあるが)、圧倒的に展開が早くなっている。
早い、というのには、つまり、早くないチームも実はある。
それは日本代表のことになる。
日本代表は、攻撃への手数が圧倒的に多い。その分、人数を経由する訳だが、そのときに、途中で前に進む事が出来なくなる。
ペナルティエリアの前。ここで更に手数がかかる。中央に切り込むことがあってもシュートにいけない。シュートを打つタイミングが取れたときには、既にスライディングが目の前。

そういうことが多い。

そう考えると、やはり中田英のしていることは正しいと思うことがある。ただ、中田のパスは、世界的に見てもかなり速い方だと思う。それも平均的に速い。このパスを足元で受け取れるFWがいればと思うことが何度もあった。
その一方で、往々にして中田のパスは速すぎることもある。
展開を早くするためには、攻撃のスピードそのものを早くする必要はあるが、パスそのものは、決して速くなくても良いはず。ただ、そのためには、周囲の押し上げが必要だ。つまり、これも中田の言っていた走ること、が必要ということになる。
パスそのものには日本の技術は非常に高いものがあると思う。ただし、よく評論家の人たちが「日本の高いパスワークが武器ですから・・・」という言葉を良く聞くが、本当に武器といえるだろうか?
相手にボールを取られずまわすことができる、というのがどれだけ相手の脅威になるのだろうか?
最終的に、シュートに持っていく事が出来なければ、仮にボールポゼッションが高くても、得点の匂いはしない。
それ以前に、先日のオーストラリア戦では、当たりの激しいオーストラリア相手に、ボールポゼッションすら上回れなかった。特に、日本はオーストラリアのような良く動き、良く当たってくるチームには自慢のパスも通らなくなる。

結局、ゲーム展開そのものがスピーディになればなるほど、日本のプレーは後手後手に回ることが多くなってくる。こうしたスピードの展開は、プレッシャーを抱えた大きな大会でなければ体感する事は難しいと思う。
僕らがワールドカップで感じる緊張感がほかの大会やリーグ戦と違うのと同じだと思う。
こればっかりは、やっぱりヨーロッパでやっている選手の方が上手。
全体のスピード、プレーの質というものは、多分体感しなければ対応できない。
足の速さではなく、プレー全体の早さ、これが一番、日本が世界と差がある部分の一つだと思う。
たった3回のワールドカップで、これを実現するのは、残念ながら身体能力的にも、体力的にも難しいのではないだろうか?


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