Jリーグがなぜ迫力が無く感じるのか・・・


私だけに限らず、Jリーグの試合をご覧になる方で同じ感想をお持ちの方も多いと思います。

球際の激しさだったりプレーのスピード感であったり、海外のサッカーを視聴した後であればあるほど、その感覚は大きくなるのではないでしょうか。


一つ興味深いコラムを見つけました(http://www.footballchannel.jp/2016/02/06/post136135/):引用 フットボールチャンネル」

Jリーグとブンデスリーガのトラッキングデーターの比較です。

ブンデスリーガと言えば王者バイエルンや武藤選手のいるマインツなど、現在日本人選手が多く在籍しているリーグでもあります。


そのブンデスリーガで1番の平均走行距離を誇っているのはマインツで、その距離約119km。王者バイエルンは約111kmとなっており、バイエルンはブンデスリーガで最も平均走行距離の短いチームです。ブンデスリーガ全体での平均は、約114kmとなっています。


同じ視点でJリーグを見てみると、1番の平均走行距離を誇るのが湘南ベルマーレです。昨季の戦いぶりを見ると肯けると思います。その距離約115km。Jリーグ王者のサンフィレッチェ広島はJリーグ18チーム中の14位、平均走行距離は約111kmとバイエルンと同じです。ちなみに最下位は名古屋グランパスの約107km。またJリーグ全体での平均走行距離は約111kmとなっています。


ブンデスリーガとJリーグの最上位と最下位の差は、同じ4km。平均では3kmJリーグが劣っている事になります。


次にスプリント回数です。ブンデスリーガで1番の平均スプリント回数を誇るのはストゥッツガルトの約227回、最下位はダルムシュタットの約176回でブンデスリーガ平均が約200回となっている。

Jリーグでは、1番の平均スプリント回数を誇るのも湘南ベルマーレで174回、最下位はヴァンフォーレ甲府の129回、J王者のサンフィレッチェ広島も130回と甲府とほぼ同じです。Jリーグ平均は152回となっています。


ここで大きな差があることが分かります。

Jリーグ1番のスプリントチームの湘南ベルマーレは、ブンデス最下位のダルムシュタットに及ばないと言う事になります。スプリント回数では、最上位で53回、最下位で47回、平均で48回の差があると言う事になります。


このスプリント回数のカウントは、例えばDFラインの裏へボールが出てチャンスになる場面を想像して下さい。この場面で2人の選手がスプリントすれば「2回」、4人の選手がスプリントすれば「4回」というカウントになります。(スプリントとは24km/hのハイスピードランニングを指しています)


平均走行距離の「4kmの差」が「約50回の差」であるとは言い難いかもしれませんが、実際に走行距離もスプリントもJリーグはブンデスリーガより劣っているのは事実です。

このコラムを見て私自身が持った感想は、データーに表れた「アグレッシブさ」の差です。

もっと多くの選手が1つチャンスにスプリントすれば、多くの相手選手もスプリントして戻る必要があり、もっとスピード感のあるアグレッシブな展開がJリーグでも見られるかもしれません。


サッカー本来の「ゴールを奪う」ために多くの選手が絡むことにより、多くの選手が「ボールを奪う」ために激しくチャレンジすることになるのではないでしょうか。

ポジションやバランスばかりを気にして、チャンスにそのポジションやバランスを崩してでも前へ出る意識が少ないのは、失点を恐れすぎて勇気を持てないだけではないでしょうか。

最終的なフィニッシュの精度が低いために、「ボールを奪われる前提でのバランス」ではなく、「ゴールを奪う前提でのバランス」を考えられれば、もっとゴール前へ多くの選手が出現する迫力あるゲームが見られるかもしれません。


ポゼッションスタイルを構築した、グラルディオラ監督のチームでさえJ最多スプリントの湘南ベルマーレを上回っている事実を、もう一度考えないといけないと思います。

今のJリーグトラッキングデーターを参考にチームを考えると、世界で戦うためにはラインを下げ最終的にボールを奪った所から、少ない人数でのカウンターという構図になりそうです。

それを世界と同じようなパフォーマンスで互角に渡り合おうと思うなら、今シーズンの各クラブはもっとアグレッシブにゲームを進める必要があると思います。


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