昨日のスクール内シングルス大会(長文です)
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よし
2010年04月05日 19:20 visibility73
昨日の夕方の5時半から、スクール内でのシングルスの大会があった。
前にも何度かご紹介したことがあるけれど、僕レベルからしたら鬼としか言いようのないプレイヤーが集まる、月例での大会だ。
大会の方式は、12名が4名ごとの3ブロックに分かれて総当たり戦を行ない、各ブロックの上位2名が決勝トーナメントに進出するというもの。
はっきりいって、この決勝トーナメントは僕にはほとんど関係がない。
予選のブロック戦でボコボコにされて、3試合をしただけですごすごと引き下がるというのが毎回のパターンとなっているからだ。
たまに、僕と同じ程度のレベルで無謀にも参加してくるメンバーがいて、そのメンバーが同じブロックになれば1勝を得る可能性が生じるものの、たいていは全敗という結果に終わっている。
そういう大会が昨日の夕方からあったわけです。
スクールについてクジを引いて、ブロックが決定。
僕はBブロックとなった。
同じブロックになった顔ぶれを見ると、今日はもしかしたら全敗はないかもという希望が芽生える。
この大会に出てきているのを見るのは初めてのS島さん。シングルスの大会に出る人とは知らなかったのだけれど、以前は出ていたらしい。レベル的には、僕とそう大きな差はないはず。
もうひとりは、超シコラーのSHIMさん。僕の文章には何度もシコラーキングのI井ちゃんという人物が登場してくるのだけれど、そのI井ちゃん以上のシコラーで、僕は今までに2回対戦して、2回とも相手のペースに巻き込まれたまま一方的に負けてしまっている。
そして、最後のひとりは超ダイナマイトサーブの持ち主のO本さん。この人は、僕がいままで出会った中で、もっとも破壊力のあるサービスを打ってくる人で、このシングルスの大会でも、常に上位にランクしている人だ。さいたま市の大会では、Aクラスにランクされている。
つまり、今回のブロックの中には、いつもの鬼というようなレベルの人は1人しかいなかったのである。
これは、大チャンス。
うまいことS島さんとSHIMさんを倒せば、決勝トーナメント出場の道が開けるのだ。
第1回戦の相手はS島さん。
最初のゲームをサービスだけで一方的にとると、「うわあ、まったく歯が立たないよ」と言っていたが、その次のリターンでは逆にあっという間にゲームをとられてしまう。
そこからシーソーゲームが始まるが、なんとかひとつブレイクして、6−4で辛勝。
ひとつ休んで、第2回戦は超シコラーのSHIMさん。
とにかく、たいていのボールはラケットをうまくあわせて返してくる人だ。その点に関しては、ものすごい技術だと思う。
しかし、サーブが緩いという弱点があるので、可能な限りリターンは初球から攻めることにする。でも、それでムリをしすぎて前回は自滅しているので、自滅しない程度に攻めるということを自分のテーマとする。
ボールはことごとくバックに集中させることにする。
そして、これがいちばん大事なことなのだけれど、長いラリーには突き合わない。相手のペースに合わせて長いラリーを続けてしまうと、絶対に勝てないことは実証済みなので、タイミングを見て強打してネットに詰めるという戦略をとることとする。
自分の動きもよかったこともあって、この作戦が大成功で、なんと6−0のストレートで勝ってしまう。
SHIMさんは、スクール内で、いままで僕と同じランクのプレイヤーには負けたことがなかったということで、むちゃくちゃ悔しがり、「ああ、悔しい。うう、悔しい。次は絶対に負けない」と、随分本気で悔しがっていた。
どうやら、SHIMさんの「やっつけてやるリスト」に名前が載ってしまったようです。
そして休みなしで第3回戦に突入。相手は超ダイナマイトサーブのO本さん。
以前、O本さんの試合を後ろで見たことがあるのだけれど、後ろで見ていても恐怖を覚えるほどのものすごいサービスを打つ。
本人に聞いたところ、まず、普通に打ち返してくる相手はいないそうだ。面をあわせて返してくるのが精一杯であるとのこと。
S島さん、SHIMさんとの試合では、この超ダイナマイトサーブを打たずに、露骨に体力温存をはかったプレイをしていたのだけれど、僕もすでに2回勝って決勝トーナメント進出は決まっているのだし、体力を使うような試合もしたくなかったので、「ガンガン打って、あっさり試合を決めちゃって下さい」とリクエストを出す。どうせ負けるのだったら、体力を残しておきたいではありませんか。
そして、いまだかつて体験したことのないサービスとの闘いが始まるのだった。
1ゲーム目はO本さんのサービス。
本気で恐怖を覚えるようなド迫力のサービスに、なんとかラケットを合わせるが、ラケットをはじかれてボールはぜんぜん見当違いの方向へと飛んで行ってしまう。
あまりのすごさに、思わず笑ってしまう。
もう笑うしかない。
本当に声をあげて笑ってしまう。
すごいよ。凄すぎるよ。
O本さんは、セカンドサービスもファーストとまったく同じで、全力で打ち込んでくる。そのため、ダブルフォールトも多い。3回に1回ぐらいの頻度でダブルフォールトになるのだけれど、3回に2回がサービスエースになるのだったら、ぜんぜん問題はないという計算になる。
しかし、こっちだってただ呆然とアホのように笑ってばかりじゃない。なんとかラケットを合わせて、相手のコートへとボールを入れる。本当になんとか返ったというレベルのボールでしかないので、ヘロヘロの山なりボールがかろうじてネットを超えただけ。
ところが、O本さんはそこからの攻撃ができないではありませんか。
どうも、全力のサービスを打った後は、力の加減がうまくできないらしいのです。とんでもない弱点があったのです。
コースを狙って緩く返してくるボールに走り込んで、それを打ち込む。うおっ、超格上のO本さんから、実力で1ポイントを奪ったぞ!
さらにダブルフォールトが重なって、なんと1ゲーム目をこの僕がとってしまう。
2ゲーム目は、とにかくスライスサーブ、フラットサーブ、スピンサーブを織り交ぜて、そのすべてを全力で打ち込んでO本さんを翻弄し、なんとなんと2−0に持ちこんでしまう。
まわりからは「おいおい、このままだと勝っちゃうんじゃないのお」とからかい半分の声がかかるが、この時点では誰もそんなことを本気で思ってなどいない。ちょっと本気になっているのは、この僕だけだ。
ここからは、もう無我夢中。
自分のサービスは必死になってキープする。
ラリーとなってもO本さんは決して強打をせずにやわらかいタッチのボールで、コースを狙ってくるので、ひたすらコースを予測して走りこみ、返して返して返しまくって、チャンスが来たときには遠慮なく打ち込んでポイントを狙い、すかさずネットに走り込んで、それが返ってきても確実にポイントをとる。
そして、リターンの時には、空気が焦げ付きそうないきおいのサービスに、とにかくラケットを出し、もしそのリターンがネットを超えれば、必死にくらいついてそれを自分のポイントにつなげる。
それにしても、この猛烈なサービスを受けるのって、なんか、なんか、ものすごく楽しい!
「うわあっ、このサービスを受けるのって、すっごく楽しいぞお!」
思わず、ギャラリーにそう言うと、「うわっ、よしさん、ドM!」、隣のコートで試合をしていたH本さんから突っ込みが入る。
でも、本当に、ものすごく楽しい。
なんだか、ジェットコースターに乗っている時の「うっわ〜っ! ものすごく怖いけれど、ものすごく楽しいっ!」ていう時の感覚によく似ているような気がする。
なんか、エンドルフィンが大量に出てきてるんじゃないの!って感じ。
サービスを待ちかまえるだけで、ナチュラルトリップしちゃってるって感じ。
すっごい楽しい。
そしてふと気がつくと、勝っていたのでした。
信じられない。
だって、相手はさいたま市Aクラスですよ。
僕はさいたま市Cクラス2回戦敗退ですよ。
それが勝ってしまうだなんて。
しかも、ゲームカウントは6−3です。
誰も予想していなかった結果でありました。
いったい、どうやって勝ったのだろう?
決勝トーナメントに出られるだけでも青天の霹靂だというのに、なんとブロック1位だったので、決勝トーナメントはシード枠に入ってしまい、この時点で4位が確定してしまったのであります。
決勝トーナメント初戦の相手はI井さん。シコラーキングのI井ちゃんとは別で、やっぱり鬼のように強い。
ところが、今日はこのI井さんが、ぜんぜん怖いと感じられない。
特にサービスは、O本さんのダイナマイトサービスの相手をした後なので、ぜんぜん遅く感じられてしまう。
前にI井さんと対戦したときには、攻められる前に攻めなければやられてしまうという焦りが強くて、自滅してしまうことが多かったのだけれど、今日はラリーを続けてチャンスを待って、ここぞというところで攻撃に出るという余裕がある。
もちろん、相手はこちらよりずっと格上なので簡単にポイントをとらせてはくれないのだけれど、途中までは完全に同等に戦うことができた。
しかし、3−3と並んだあたりから、攻撃ができなくなってしまう。
ううっ、体力が尽きてしまった。
この日は、朝早くから家を出て、さいたま市の大会に参加し、自分の会場から息子の参加している会場まで移動したりとずっと動き回っていたので、正直言ってスクールに到着した時点でいい加減ぐったりとしていたのでした。
それでも、いままではなんとか体力が持っていたのだけれど、ここにきて急激に体力が切れてしまったのでした。
そうなると、もう一歩が踏み込めていないままラケットを振ってしまうし、腰もちゃんと落ちていないしで、攻撃の精度が明らかに落ちてしまう。
結局、3ゲームとれたところまでが精一杯で、3−6で負けてしまう。
だけど、試合が終わったところで、I井さんから「3−3まではしびれる試合だったねえ」というセリフを引き出せたのは大きな収穫であります。
そして、3・4位決定戦の相手が、O本さんを破り、S久間さんに負けたH本さん。
本日、7試合目のシングルスゲームであります。
H本さんは、強烈な両手バックハンドを得意とする人で、僕も両手バックハンドのアドバイスをいろいろとしてもらっている。
昨年度のこのシングルス大会の年間最高得点獲得者でもあり、はっきりいってまったく歯が立たない…かと思いきや、けっこう相性がよくって、勝てないまでもいい試合をさせてもらっている。
そして今日は……わはは、ふたりとももう足が動いていません。
お互いに手打ちでミスっては「足が出てないよ!」と声を掛け合うというていたらく。
それでも「両手バックハンドの神髄をお見せしましょう」などといいながら、強烈なショットを打ち込まれたりして、かなり一方的に追い詰められるが、せめて1ゲームでもとりたいという執念で必死にくらいつく。
そして、ヘロヘロになりながらも渾身のサービスでエースをとったりして「へっへっ、サービスに魂をこめさせていただきました」などと減らず口をたたきながらポイントを重ね、なんとかかんとか3−6という善戦と呼んで言い結果に持ちこむことができたのでした。
夕方の5時半から始めた大会で、終わったのがなんと11時10分。
優勝決定戦が先に終わってしまったので、最後にコートにいるのは僕とH本さんだけという寂しい状況でありました。
全試合が終わったところで、表彰式と記念品の贈呈。4位の僕はグリップテープ2本をいただきました。
3位はH本さん、2位はI井さん、1位はS久間さん。
全員の記念品贈呈が終わったところで、支配人から「今日はなんといってもよしさんが頑張りました。おめでとうございます」とひと言があって、全員から暖かい拍手をいただいたのでした。
感動!
- 事務局に通報しました。
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