俺から見たクラシコ(21’4’11)

第30節、レアル・マドリード対バルセロナ、クラシコです。

 

バルサはCBの真ん中にアラウホ、デ・ヨングを中盤に上げて、グリーズマンをベンチに置きました。一方、レアル・マドリードはリバプール戦で得点を奪ったアセンシオをベンチに置き、右WGの位置にバルベルデを起用してきました。

 

スタジアムはサンティアゴ・ベルナベウの改修工事のため、アルフレド・ディ・ステファノです。

 

前半

序盤は両チームともに前からプレスをかけて中盤の潰し合いが始まりました。

 

バルベルデは、アルバの上がりを警戒してポジションをとり、アルバが高い位置まで来るとDFラインにまで下がって対応します。

 

一方、バルサはリバプール戦を見て対策を練ったのか、クロース、モドリッチに縦パスを出させないようにデ・ヨング、ペドリが警戒します。

 

お互い相手の良さを消そうとした布陣になりました。

 

12分、バルベルデが自陣右サイドからドリブルで持ち上がり、アルバをかわして中にドリブル。DFを引き付けて右サイドを駆け上がったバスケスにパス。バスケスはトラップから前に持ち出しニアへクロス。走り込んだベンゼマがバックヒールでニアサイドに決めます。

 

レアルが初めてのシュートチャンスをつかみ先制します。

 

1点を奪われたバルサですが、レアルを押し込み始めます。また、左サイドからのクロスでチャンスを作りますが、クルトワの好守にはばまれたり、中に合わなかったりとシュートまで持ち込めません。レアルは1点のリードを得て、戦術が明確になり、カウンター狙いにシフトします。

 

27分、左60度くらいからクロースのフリーキック。クロースはニアを狙いシュート。壁の横にいたデストに当たりコースが変わり、ニアのカバーに入ったアルバの頭をかすめてゴール。

 

レアルが2-0とリードを広げます。

 

37分、レアルのカウンター。自陣でベンゼマがモドリッチに落とし、モドリッチが左のヴィニシウスにスルーパス。ヴィニシウスはDFを引き付けてファーサイドへクロス。バルベルデが受けてシュート。左ポストに直撃。跳ね返ったボールをバスケスがシュートしますが、テア・シュテーゲンがファインセーブ。

 

直後にレアルのコーナーキック。サインプレーでファーサイドの送られたボールをバルベルデがダイレクトボレー。ヴィニシウスに当たりこぼれたボールをミリトンがシュートもDFがブロック。

 

45分、メッシが右コーナーキックから直接ゴールを狙いますがファーポストに嫌われます。

 

47分、左からデンベレのコーナーキック。ファーサイドに抜けたボールをメッシがトラップして角度のないところからシュート。クルトワが完全にコースを塞ぎセーブ。

 

前半は2-0とレアルがリードして折り返します。

 

後半

バルサはデストに代えてグリーズマンを投入し、4-3-3にシステムを変更します。

 

2分、左サイドからグリーズマンがニアへスルーパス。ペドリが走り込みニアへクロス。走り込んだメッシがシュートに行きますがナチョ・フェルナンデスが一足早くクリア。

 

9分、右サイドでデンベレがDFを引き付けてニアへパス。デ・ヨングが受けてDFとGKの間にクロス。ファーのグリーズマンが合わせますが枠の左へ外れます。ただ、グリーズマンはオフサイドでした。

 

14分、右からのクロスが左に抜けてアルバが回収します。アルバはメッシとワン・ツーで抜けて鋭いクロス。ニアのグリーズマンがスルーし、中央に入ってきていたミンゲサが脛で合わせゴール。

 

バルサが1点を返します。

 

15分、左サイドでヴィニシウスとマンディがワン・ツーで抜け出し、サイドをえぐりクロス。カバーに入ったアラウホに当たりコースが変わり、ニアポストに嫌われます。

 

17分、左サイドでアルバがメッシとワン・ツーで抜けてクロス。クルトワがニアを塞ぎ、上にはじき出します。抜けていれば1点というところでした。

 

バルサがさらに押し込む展開になりますが、全体的にスペースが生まれてレアルもカウンターに行きやすい状況になってきました。

 

25分、バルサのカウンター。メッシが右ハーフスペースをドリブルで持ち上がり中央のセルジ・ロベルトにパス。セルジ・ロベルトはダイレクトで右のミンゲサに展開。ミンゲサはDFとGKの間にシュート性のクロス。だれも触れずファーサイドに抜けます。

 

29分、右サイドからメッシがアーリークロスを入れます。ファーサイドでイライシュがヘッドもクルトワが正面でキャッチ。

 

37分、メッシがセンターサークルから左サイドへパス。アセンシオに当たり、レアルDFの裏にボールが出ます。アルバと競争になったオドリオソラがスライディングでクルトワに戻そうとしますが弱くなり、アルバがクルトワの手前で追いつきシュート。ファーサイドに外れ、マンディがボールを追いかけながら見送ります。そのボールにブライスワイトが追いかけてキープしようとします。マンディはあわてて手をだし、ブライスワイトが転倒。バルサはP.K.を主張しますが主審はノーファールの判定を下します。

 

47分、クルトワのパントキックを左サイドに流れたマリアーノがそらし、その動きに合わせて中に入ったマルセロがDFラインを抜け出しテア・シュテーゲンと1対1になります。しかし、ミンゲサがあきらめずに追いかけマルセロのボールをつついてシュートをさせず、テア・シュテーゲンがキャッチします。

 

48分、センターサークルからバルサのフリーキック。右サイドのラングレがヘッドで中央に折り返し、イライシュが胸トラップから強烈なボレー。バーにはじき返され上がっていたテア・シュテーゲンがシュート。右前にいたトリンコンに当たり、テア・シュテーゲンが再びシュートもあわててしまって空振り。横にいたアルバがボレーシュートも枠の上に外れます。

 

試合はそのまま終了。レアルが2-1と勝利しました。

 

気になったプレーヤー

レアル・マドリード

#15バルベルデ

アルバのマーカーとして時に5バックの右、アルバが下がれば前にポジションをずらして右サイドを制圧。先制点の起点にもなる。この試合のMOMです。

 

#17ルカス・バスケス

アルバのマークはバルベルデに任せてペドリをマーク。右のハーフスペースを的確に埋め、ペドリに仕事をさせなかった。

 

#14カゼミロ

モドリッチ、クロースと共に中央をきっちり固める。いつも通りの仕事をしっかりこなした。

 

#1クルトワ

派手なセーブはなかったが、ポジショニングが的確でシュートコースをしっかりと消していた。バルサの決定機が少なかったのはクルトワのポジショニングの良さが原因です。いつも以上にレベルが高いGKに見えました。

 

バルセロナ

#10メッシ

レアルに守備を固められて下がってゲームメイクをしてしまい、ゴール前で仕事ができなかった。メッシだけの責任ではないけどゴール前で仕事をしたい。

 

#21デ・ヨング

CHでプレーすると良さが半減。やっぱり後ろからボールを持ちあがるときに持ち味が出る。ゴール前に飛び込むけど、それほど得意ではない感じを受ける。

 

#18アルバ

バルサの数少ないチャンスを演出。ただ、バルベルデにあっさり抜かれたのは痛かった。

 

#11デンベレ

最前線で完全にスペースをつぶされ何もできず。スペースがある場所か、サイドでない持ち味が出ない。ゴール前でクロスに合わせるのはレパートリーにない。

 

#7グリーズマン

初めから使ってほしかった。グリーズマンがサイドに開いたり、ゴール前に飛び込んだりしてやっとチャンスが生まれた。

 

#27イライシュ

終了間際のバー直撃シュートがインパクトが強かったが、すさまじい勢いで成長している。今後がとても楽しみです。

 

#20セルジ・ロベルト

クラシコで戦列復帰。久しぶりのプレーとしてはまあまあの出来だが、クラシコで復帰させなくても良かったかな。

 

総括

レアル・マドリード

ジダン監督の采配がズバリと当たる。バルベルデがアルバを抑え込み先制点を奪う。その後はカウンター主体の戦い方でしっかりと逃げ切った。また、バルベルデを含めて5バックで5レーンすべてを埋めて、カゼミロ、モドリッチ、クロースで中央を固めつつ、前線のベンゼマは攻撃の起点、左のヴィニシウスはカウンターの起点と役割を明確にしたゲームプランで選手が迷いなくプレーできたのは大きい。あとはチャンピオンズリーグのリバプール戦を勝ち切り、不振のアトレティコが落ちてくることを祈りながら待つだけです。ただ、次節カゼミロが出場停止なのが気がかりです。

 

バルセロナ

リバプール戦を見てゲームプランを立てたのは明らかで、クロース、モドリッチを警戒してグリーズマンを外したのは大誤算だった。元々リバプールの中盤はファビーニョ、ワイナルドゥム、ケイタとフィジカル寄りの中盤の選手が多く、ボール保持がバルサの選手に比べて劣るため、中盤でボールを持てずに主導権を渡してしまい、慌ててプレスをかけるもモドリッチ、クロースからボールを奪えず、徐々にプレスをかけなくなってロングボールでやられてしまった。一方、バルサの中盤のペドリ、ブスケツは、モドリッチやクロースと比べても遜色なくボールをキープする能力が高い選手がいるので同じ展開にはならない。さらにバルサとレアルの対戦だとバルサのボール保持時間が長くなりそうなのは予想がつきます。リバプールと同じ展開にならないと判断し、バルサの強みで勝負しなかったのかが疑問です。また、中盤を厚くしグリーズマンを外したため、サイドをえぐって入れたクロスに合わせる人材がいなくなってしまった。後半のゴールシーンを見れば明らかですが、ニアにグリーズマンが走り込んだからミンゲサまでボールが届きました。あそこに入り込む選手がいなければニアでDFでクリアしています。

 

このクラシコはジダンの采配が光りましたが、バルサが自滅したともいえます。

 

今シーズンは若手発掘のシーズンと捉えれば、ペドリ、デスト、ミンゲサ、イライシュ、トリンコン、アラウホがクラシコの経験を積めたことを良しとして、一戦一戦戦っていくしかないです。次はコパ・デル・レイの決勝。アスレティック・ビルバオ戦です。メンタルとフィジカルコンディションを整えて準備してほしいです。

 

おまけ

メディアを賑わすブライスワイトとマンディのP.K.かノーファールかについて一言。ブライスワイトが結構な勢いで走り込んだので、マンディに手を軽く触られてバランスを崩して倒れたように見えました。主審としてもあのプレーでP.K.はとらないでしょう。試合中断時間に対してロスタイムは少ないように感じましたが、審判のジャッジは問題なかったように思えました。

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