寺原隼人、快投乱麻
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HiRO
2006年07月17日 13:01 visibility212
Fighters 0 - 5 Hawks
先発は寺原隼人。
今季は見事復活を遂げ、投球自体は非常にいい。だが、置きにいって打たれる。ランナーを出すと投げ急ぎ、バランスを崩す。そうこうして、ツキにも恵まれず、勝てないうちにピッチング自体を狂わせてしまった。登板間隔があいた間、それを何処まで再調整出来ているか。
一方のFighters先発、八木の対Hawksの対戦防御率は2試合で0.48。ここまで殆どまともに打てていない。
Fightersも含め首位争いをするなか、負け越しているFighters、そして八木にお得意様意識を持たせてはいけない。
初回、寺原の立ち上がり。
打者2人を連続三振。こりゃ今日の寺原はいいぞ、と身を乗り出して観ていると、なんとクリーンアップに3連続四球で2死満塁。杉本投手コーチがマウンドに向かい「逃げ過ぎなんだよ!」と一喝。続く新庄を3ゴロに打ちとり無失点で切り抜ける。
その裏、ヒットで出塁した大村を松中がセンターへ抜けるヒットで返し、苦手八木から先制点。松中シフトでなけりゃ、平凡な2ゴロだった。
さらには、2回裏。この日、6番に入る辻武史が低めの変化球を上手くすくいレフト前ヒットで出塁。7番はEaglesから移籍後初登録初スタメンの斉藤秀光。初球を簡単に送りバント。8番森本は四球を選び、9番には山崎。その山崎が八木の決め球、低めのスクリューボールをレフト前へ上手く打ち返し、辻が生還。続く大村にもタイムリーが出て、この回2点。組み替えた下位打線が上手く機能してリードを拡げる。
さらには、3回裏。先頭ズレータがレフトスタンドに19号を叩き込み、4点目。
これで八木はノックアウト。2回と0/3という最短でマウンドから消えた。
そして4回。八木の後を受けたトーマスから四球の大村が盗塁、捕手の悪送球で3塁まで進塁。そして、柴原のレフト前タイムリー。毎回得点で5点目。
先発八木と聞いた段階で予想だにしなかった展開。
さて初回にどうなることかと冷や冷やさせた寺原だが、2回からはスイスイ。
5回までなんとノーヒットピッチング。しかも打たせてとる内容で、球数も少ない。初回に31球を要すも、2回は8球、3、4回は10球ずつという省エネピッチングでテンポが良い。守備時間の短いこと。
6回に少しワンパターンな配球で初球のカーブを狙い打たれ、小笠原にヒットを許すも、後続を簡単に断ち、結局この後、8回にもう1本、坪井のボテボテの内野安打の計2本のみ。
実に落ち着いた堂々のピッチングで9回104球を投げ抜き、5年目にしてプロ初完封勝利。三振も四球も初回のみで、27のアウトのうち、実に16を内野ゴロという、打たせてとるピッチング。
エース斉藤和巳で星を落としたところで最高のピッチングを魅せてくれた。
プロ同期の神内をみて全力で行けるところまで行こうと思ったという。
打つほうでも収穫。この日の6番辻、7番斉藤秀、8番森本、9番山崎という下位打線が上手く機能した。
斉藤秀光は、3回に2ゴロでヘッドスライディング。内野安打となり、これがHawks移籍後初安打。こういう気持ちが前に出る選手は、王貞治の好むタイプ。
そして何よりも今まで抑え込まれてきた八木を攻略。初回の松中のタイムリー、2回の先頭辻のヒット、そして山崎のタイムリー、ズレータのHRといずれも八木の生命線、スライダーとスクリューボールを狙い打ったもの。チームとして意識を徹底し、今後のためにも八木の勝負球を攻略しようという意志を感じた。そしてそれで見事攻略を果たしたのは大きい。
このゲーム終盤には、寺原相手にセーフティバントを仕掛けてくるなど、打てないFightersが何とか揺さぶりをかけてくる場面もあった。つまり、Fightersにとっては、そのぐらいどうしようもなく手が付けられないピッチングだったということ。これを切っ掛けに相手を見下ろしてくれると、もっと良くなるに違いない。
もっとも、2軍時代からよく知る杉本コーチは「すぐ油断するから。しっかり締めないと。」なんて苦笑いしとるらしいけど(笑)
なにはともあれ、寺原、プロ初完封おめでとう!
とは言っても、王貞治が右手で引き当てた怪物に期待しとるのはこんなモンじゃないけどね!
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- 事務局に通報しました。
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